ビタミンAの1日あたりの摂取基準量とその作用・働き、および筋力トレーニングやダイエットにおける関わりについて解説します。
目次
ビタミンAとはどんな物質?
ビタミンA (Vitamin A) とは、物質としては一般にレチノール(Retinol、アルコール体)を指し、ビタミンA1としても知られる。広義にはレチナール(Retinal、アルデヒド体)、レチノイン酸(Retinoic Acid、ビタミンA酸とも)およびこれらの3-デヒドロ体(ビタミンA2と呼ぶ)や関連物質を含め、誘導体を含めてレチノイドと総称される。
レチノールは必須栄養素で皮膚細胞の分化を促進する。ヒト血液中のビタミンAはほとんどがレチノールである。血中濃度は通常0.5 μg/ml程度で、0.3 μg/mlを切るとビタミンA欠乏症状を呈する。
β-カロテンは、体内で小腸の吸収上皮細胞(あるいは肝臓、腎臓)において分解されて、ビタミンAとなる。レチノイドの名前が網膜 (retina) に由来するように、網膜細胞の保護に用いられ、欠乏すると夜盲症などの症状を生じる。また、DNAの遺伝子情報の制御にも用いられる。
ビタミンとは?
ビタミンとは、生命を維持するのに必要な物質のうち、タンパク質・炭水化物・脂質以外の有機化合物のことです。
ビタミンには、ビタミンA・ビタミンB群(1・2・3・5・6・7・9・12)・ビタミンC・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンKがあり、日本では厚生労働省がその摂取基準を定めています。
ビタミンAの作用と働き
ビタミンAは「目のビタミン」と言われるように、網膜細胞の保護に用いられます。また、視神経にとって重要なロドプシンの合成にも用いられます。
このほかに、皮膚を健康な状態に保ったり、抵抗力を高める働きを持ちます。
ビタミンAは、以下のような作用・働きを持ちます。
①網膜の保護
②ロドプシンの合成
③皮膚の保護
④抵抗力に関与
ビタミンAの不足と過剰摂取
ビタミンAが不足すると?
ビタミンAが不足すると、ロドプシンの合成に支障が出るため、夜盲症が引き起こされます。また、皮膚の乾燥・角質化が引き起こされます。
ビタミンAを過剰摂取すると?
ビタミンAの過剰摂取により体調に悪影響が出ることは広く知られています。具体的には、頭痛・脳脊髄液の圧力上昇・口唇炎・脱毛症・食欲不振・筋肉痛などが引き起こされます。
ビタミンAとトレーニング
ビタミンAは目の健康のためだけでなく、抵抗力を高め体調を健全に保つ働きもありますので、筋力トレーニング実施の基礎的な栄養素として必要です。
ビタミンAが多く含まれる食品
①レバー(特に豚肉)
豚レバー100gにはビタミンAが約13000μg含まれます。
豚レバー100gあたりのビタミン・ミネラル
ビタミンA 13000μg
ビタミンD 1.3μg
ビタミンE 0.4mg
ビタミンB1 0.34mg
ビタミンB2 3.6mg
ナイアシン 14mg
ビタミンB6 0.57mg
ビタミンB12 25.2μg
葉酸 810μg
パントテン酸 7.19mg
ビオチン 79.6μg
ビタミンC 20mg
ナトリウム 55mg
カリウム 290mg
カルシウム 5mg
マグネシウム 20mg
リン 340mg
鉄 13mg
亜鉛 6.9mg
銅 0.99mg
ヨウ素 1μg
セレン 67μg
モリブデン 120μg
②うなぎ
うなぎ100gにはビタミンAが約4400μg含まれます。
うなぎ100gあたりのビタミン・ミネラル
ビタミンA 2400μg
ビタミンD 18μg
ビタミンE 7.4mg
ビタミンB1 0.37mg
ビタミンB2 0.48mg
ナイアシン 3mg
ビタミンB6 0.13mg
ビタミンB12 3.5μg
葉酸 14μg
パントテン酸 2.17mg
ビオチン 6.1μg
ビタミンC 2mg
ナトリウム 74mg
カリウム 230mg
カルシウム 130mg
マグネシウム 20mg
リン 260mg
鉄 0.5mg
亜鉛 1.4mg
銅 0.04mg
マンガン 0.04mg
ヨウ素 17μg
セレン 50μg
モリブデン 5μg
※数値は「食品成分データベース(文部科学省)」を参照しています。
ビタミンAの1日の摂取基準量
ビタミンAの摂取量にはレチノールだけでなく、ビタミンAの全ての前駆体を合計したRAEという数値が用いられます。
なお、RAEの計算式は以下のとおりです。
レチノール活性当量(μgRAE)=レチノール(μg)+β-カロテン(μg)×1/12+α-カロテン(μg)×1/24+β-クリプトキサンチン(μg)×1/24+その他のプロビタミンAカロテノイド(μg)×1/24
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によれば、ビタミンAの1日あたりの摂取基準量(推奨量)は成人男性で約850~900μg、成人女性で約650~700μgとされています。
必須ミネラル・ビタミンの個別解説記事の一覧
必須ミネラル
カリウム|カルシウム|ナトリウム|マグネシウム|リン|鉄|亜鉛|銅|ヨウ素|マンガン|セレン|クロム|モリブデン
必須ビタミン
ビタミンA|ビタミンB1|ビタミンB2|ビタミンB3(ナイアシン)|ビタミンB5(パントテン酸)|ビタミンB6|ビタミンB7(ビオチン)|ビタミンB9(葉酸)|ビタミンB12|ビタミンC|ビタミンD|ビタミンE|ビタミンK
トレーニングに有効なタンパク質食材
筋力トレーニング後の食材として欠かせないのが高タンパク質・低カロリーな肉類・魚介類です。
そして、常にトレーニングに有効な食事を摂取するためには、日によって品質にばらつきのないよう、あらかじめ品質を確認した食材を冷凍ストックしておくといった工夫が有効的です。
▼具体的なタンパク質食材例
食事・栄養に関する記事
筋力トレーニングと食事・栄養に関する情報については、下記の記事をご参照ください。