長友選手がトレーニングに導入したことで一躍有名になった体幹トレーニングが、なぜサッカーや陸上などで速く走るために効果的なのか、筋肉の構造や働きをまじえながら解説するとともに、具体的に効果の高い体幹トレーニングメニューをご紹介します。
■足を速くするために体幹を鍛える理由
●脚の筋肉だけを鍛えても速くは走れない
サッカーやラグビーなどのフィールドスポーツを筆頭に、速く走ることができると多くのスポーツ競技で非常に有利です。ですので、走ることを主体とする競技をしている人にとって「足を速くしたい」という思いは強いでしょう。そして、ついやってしまいがちな間違いが「脚の筋肉ばかり鍛える」ということです。
上の図を見れば一目瞭然ですが、太ももの筋肉は膝関節から先を動かし、ふくらはぎの筋肉は足首関節から先の筋肉を動かします。もちろん、これらの動作は速く走るためには必須のものですが、速く走るために最も重要なのは「足自体を強く速く持ち上げる」ことです。
そして、足自体を持ち上げている筋肉は股関節周辺の体幹インナーマッスルなのです。ですので、速く走りたいのであれば、これらを体幹トレーニングで鍛える必要があります。
■足を持ち上げる体幹インナーマッスルとは
●股関節周辺筋肉群(腸腰筋群・臀筋群・内転筋群)
足を持ち上げたり、後ろに蹴り上げる動きをつかさどっているのが腸腰筋群・臀筋群・内転筋群の股関節周辺筋肉群です。
このなかで、太ももを持ち上げる働きがあるのが腸腰筋群(股関節前面)、脚を内側に回す動きをするのが内転筋群(股関節内側)、股関節を伸展・外旋させるのが臀筋群(お尻)の働きです。ですので、足を速くするためには、この三つの筋肉群を鍛えていく必要があります。
■股関節周辺筋肉群のトレーニング法
●腸腰筋群に効果の高いサイドシザース
腸腰筋群に効果の高い体幹トレーニングの代表格が上の動画のサイドシザースです。ポイントはアウターマッスルを動員しないように気をつけることで、反動を使わずゆっくりとした動作を心がけてください。
左右10回ずつの反復を目安にするとよいでしょう。
●腸腰筋群の仕上げトレに最適なニートゥーエルボー
ニートゥーエルボーは比較的強度の低い腸腰筋群の体幹トレーニングで、技術練習前のアップやトレーニング終了時のクールダウンとして最適な体幹トレーニング種目です。
●内転筋群に効果のあるサイドプランク+上下運動
内転筋群に効果のある体幹トレーニングがサイドプランクに上下運動を加えた上の動画のようなトレーニングです。
一回あたり5秒ほどの静止を加えながら上下し、左右5から10回ずつの反復を目安としてください。
●内転筋群に効果的な高強度のヘビーサイドブリッジ
腹斜筋の体幹トレーニングであるサイドプランクの脚部保持を、両足でなく片足のみで行うことにより内転筋群にも効果のある高強度サイドプランクがこちらのヘビーサイドブリッジです。頭から足までを一直線に保つように意識して行ってください。
●臀筋群に効果大のエルボーニーストレッチ
臀筋群に効果の大きい体幹トレーニングが上の動画のようなエルボーニーストレッチです。このトレーニングの最大のポイントは、背中を真っ直ぐにし一直線の状態を保つことです。
左右10~20回の反復を目安にしてください。
●臀筋群・ハムストリングス・脊柱起立背筋に効果抜群のアームレッグクロスレイズ
アームレッグクロスレイズはエルボーニーストレッチ系体幹トレーニングの中で最高強度となる種目で、臀筋群だけでなく、ハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)、脊柱起立背筋にも効果の高い体幹トレーニングメニューです。
筋トレの呼吸法|筋トレの頻度|筋トレの順番|筋トレの回数設定|筋肉の名前と作用|筋肉の超回復期間|筋トレの食事例|筋トレの栄養学|男性の筋トレメニュー|女性の筋トレメニュー
■足を速くする筋トレ方法
●アウターマッスルもあわせて鍛えてさらに足を速く
今回はインナーマッスルを体幹トレーニングで鍛えて足を速くする方法について詳しく解説してきましたが、さらに足を速くするためには大腿四頭筋やハムストリングスをはじめとしたアウターマッスルを通常の筋トレで鍛えていくことも大切です。
▼関連記事
【下半身の筋トレメニュー】自宅~ジムでの大腿四頭筋・ハムストリングス・内転筋群の鍛え方
筋トレの食事メニュー例
筋肉の名称と作用の図鑑
男性向きの記事|女性向きの記事
自宅での筋トレ|自宅での筋トレ
自重での筋トレ|自重での筋トレ
チューブ筋トレ|チューブ筋トレ
ダンベル筋トレ|ダンベル筋トレ
マシーン筋トレ|マシーン筋トレ
バーベル筋トレ|バーベル筋トレ
大胸筋の筋トレ|大胸筋の筋トレ
背筋群の筋トレ|背筋群の筋トレ
三角筋の筋トレ|三角筋の筋トレ
三頭筋の筋トレ|三頭筋の筋トレ
二頭筋の筋トレ|二頭筋の筋トレ
腹筋群の筋トレ|腹筋群の筋トレ
下半身の筋トレ|下半身の筋トレ
筋トレ情報トップページへ戻る
ピラミッドセット法|ドロップセット法|アセンディングセット法|ディセンディングセット法|フォースドレップ法|レストポーズ法|パーシャルレップ法|チーティング法|スーパーセット法|コンパウンドセット法|トライセット法|ジャイアントセット法|予備疲労法|部位分割法
おすすめの筋トレグッズ
押す筋トレにはリストラップを
上半身の押す筋トレにぜひとも使用したいのが手首を保護するリストラップと呼ばれる筋トレグッズです。多くの初心者は、まだ手首を保持する力が弱く、腕立て伏せなども先に手首が痛くなってしまい完遂できないケースが少なくありません。リストラップを使えば、最後まで筋肉を追い込むことができ、とても効率的に身体を鍛えていくことが可能です。
▼おすすめのリストラップ
おすすめリストラップを見る
▼リストラップとは?解説記事
【おすすめのリストラップ】初心者むけに使いやすい長さやリストストラップとの違いも解説
引く筋トレにはパワーグリップを
上半身の引く筋トレで初心者の方に多く見られるのが「先に握力がなくなって追い込めない」というケースです。筋トレは101%で行ってはじめて成果がでます。パワーグリップを使用して引くトレーニングの効率を上げることをおすすめします。
▼おすすめのパワーグリップ
おすすめパワーグリップを見る
▼パワーグリップとは?解説記事
【おすすめのパワーグリップ】使い方の解説と男性・女性どちらにも快適なアイテム紹介
筋トレの基本グッズはトレーニングベルト
腰を保護するだけでなく、腹圧を高め最大筋力を向上させてくれるトレーニングギアがトレーニングベルトです。筋トレにおいては、ほぼ必須のギアとも言えますので、ぜひ入手することをおすすめします。なお、トレーニングベルトはトレーニーにとって「筋トレの友」とも言える存在になってきます。はじめから安易なものを選ばずに、考えているよりもワンランク・ツーランク上のものを入手することがベルト選びの秘訣です。
▼おすすめのトレーニングベルト
おすすめのパワーベルトはこちら
▼トレーニングベルトの種類と使い方
【おすすめのトレーニングベルト】選び方・巻き方から男性筋トレ用・女性用・ベンチプレス用まで詳しく解説
本格的トレーニングには高耐荷重ラック+オリンピックバーベル
本科的なバーベルトレーニングに必須のラック類・バーベルセット(オリンピックシャフト&プレート)は、IPF公認メーカーのONI鬼シリーズが最適です。
屈強な構造とリーズナブルな設定で、ハイエンドホームジムや業務ジム用に全国的な人気を誇っています。
ONI鬼ラックシリーズはこちら
ONI鬼バーベルセットはこちら
執筆者情報
上岡岳
アームレスリング元日本代表
ジムトレーナー・生物学学芸員
JAWA日本アームレスリング連盟常任理事|レフリー委員長・広報広報部長
記事に記載されている内容は執筆者の運営するジムメンバーの実体験に基づく主観的意見および感想です。このため、記事の情報やこの情報を用いて行う利用者の判断について、当サイトは一切の責任を負うものではありません。記事の情報を用いて行う行動に関するあらゆる判断および決定は、利用者自身の責任において行っていただき、必要に応じて専門家等に相談されることを推奨いたします。また、トレーニングにおいては十分にウォーミングアップを行い、利用者自身の体力にあわせて動作を行うとともに、痛みや危険を感じる場合はすみやかに行動を中止することを推奨します。
※当ブログの画像はWikipediaやpixabayなどのフリー画像および著作権者に許可を得た画像のみを使用しています。