筋力トレーニングの食材として良いとされる主な野菜(アスパラガス・オクラ・キャベツ・ブロッコリー・ほうれん草)のカロリーと栄養素(タンパク質・炭水化物・脂質)および筋力トレーニングとの関わり(摂取タイミング・筋肥大やダイエットでの食べ方など)について解説します。
目次
野菜の定義とは?
野菜(やさい、英: vegetable)は、食用の草本植物の総称。水分が多い草本性で食用となる植物を指す。主に葉や根、茎(地下茎を含む)、花・つぼみ・果実を副食として食べるものをいう。
アスパラガスのカロリー・栄養素と特徴
アスパラガスには代謝に深い関わりがあるビタミンB群が豊富に含まれています。また、このほかにアミノ酸の一種であるアスパラギン酸が豊富で、一般的に「アスパラガスがトレーニングによい」といわれるのはこれらのことに起因しています。
アスパラギン酸とは
アスパラギン酸は2-アミノコハク酸のことで、L-体はタンパク質を構成する非必須アミノ酸の一つである。生体内ではアスパラギンからアスパラギナーゼの作用により生成させるほか、オキサロ酢酸にグルタミン酸のアミノ基を転移することにより生合成される。分解時にはオキサロ酢酸になり、クエン酸回路 (TCAサイクル) に入る。体内の窒素代謝やエネルギー代謝に関与し、俗に、「疲労回復を助ける」「抵抗力を高める」と言われているが、ヒトでの有効性・安全性については信頼できるデータは見当たらない。
アスパラガス100gあたりのカロリー・栄養素は以下のとおりです。
エネルギー:22kcal
タンパク質:2.6g (10.4kcal)
脂質:0.2g (1.8kcal)
炭水化物:3.9g (15.6kcal)
オクラのカロリー・栄養素と特徴
オクラと言えばネバネバの食感が特徴ですが、そのネバネバの成分はペクチンと呼ばれる水溶性の植物繊維です。ペクチンの腸内移動速度はゆっくりで、このため腹持ちが良くなるため、特にダイエットトレーニングの食材として有効です。
ペクチン (Pectin) とは、植物の細胞壁や中葉に含まれる複合多糖類で、ガラクツロン酸 (Galacturonic acid)が α-1,4-結合したポリガラクツロン酸が主成分である。
ヒトの消化管内では微生物が分解するが、ヒトの消化酵素では分解されないことから食物繊維として機能し、整腸作用やコレステロール低下作用などを有すると言われている。
また、オクラにはカリウムが豊富に含まれていますが、カリウムはその生理的作用として、筋収縮に深い関わりのあるATP(アデノシン三リン酸)からADP(アデノシン二リン酸)への化学反応(ナトリウム・カリウムポンプ)に重要な役割を果たします。
カリウムが不足すると運動中に筋肉がつりやすくなるのはこのためで、カリウムの豊富なバナナを食べることは、筋力トレーニングのパフォーマンス維持にも有効であると考えられています。
いわゆるナトリウム-カリウムイオンポンプの働きによるものである。このイオンポンプは、アデノシン三リン酸(ATP)を1個消費して、ナトリウムイオン3個を細胞外へと運び出し、カリウムイオン2個を細胞内へと運び込む。このイオンポンプの働きによって細胞の内外にイオン濃度差が生じ、細胞膜上に電気的な勾配を発生させる。
オクラ100gあたりのカロリー・栄養素は以下のとおりです。
エネルギー:30kcal
タンパク質:2.1g (8.4kcal)
脂質:0.2g (1.8kcal)
炭水化物:6.6g (26.4kcal)
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キャベツのカロリー・栄養素と特徴
キャベツは食物繊維が多く、満腹感が得られるのが特徴で、このためダイエットトレーニングの食事の「かさ増し」に利用されます。
具体的には、高タンパク質低カロリーな肉類や魚介類と合わせてサラダにするのが一般的で、茹でた豚肉・エビ・イカなどをキャベツの千切りの上にトッピングして食べます。
キャベツ100gあたりのカロリー・栄養素は以下のとおりです。
エネルギー:23kcal
タンパク質:1.3g (5.2kcal)
脂質:0.2g (1.8kcal)
炭水化物:5.2g (20.8kcal)
食物繊維:1.8g
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ブロッコリーのカロリー・栄養素と特徴
ブロッコリーは「スーパーベジタブル」などとも呼称され、トレーニング後の食材として有効であると言われています。
これは、ブロッコリーがタンパク質代謝に関わるビタミンB群と、ホルモン分泌に関わるマグネシウムや亜鉛を豊富に含むことに起因しています。
また、野菜としては比較的多くのタンパク質を含んでいることも理由に挙げられます。
ブロッコリー100gあたりのカロリー・栄養素は以下のとおりです。
エネルギー:33kcal
タンパク質:4.3g (17.2kcal)
脂質:0.5g (4.5kcal)
炭水化物:5.2g (20.8kcal)
ほうれん草のカロリー・栄養素と特徴
ほうれん草がトレーニングの食事として良いとされるのは、野菜のなかでもビタミン・ミネラルが豊富なことが理由です。
具体的には、筋収縮に関与するカリウム、血液の材料となる鉄分、ホルモン分泌にも関わるマグネシウム、脂質代謝に関与するマンガンなどがミネラルとして含まれています。
また、抗酸化作用のあるβカロテン、カルシウム合成に関与するビタミンK、タンパク質合成に関わる葉酸がビタミンとして含まれています。
葉酸(ようさん、英: folate)はビタミンB群の一種。ビタミンM、ビタミンB9、プテロイルグルタミン酸とも呼ばれる。栄養素のひとつ。水溶性ビタミンに分類される生理活性物質である。プテリジンにパラアミノ安息香酸と1つまたは複数のグルタミン酸が結合した構造を持つ。
1941年に乳酸菌の増殖因子としてホウレンソウの葉から発見された。
厚生労働省によるカリウムに関する記載
カリウムは、細胞内液の浸透圧を調節して一定に保つ働きがあります。また、神経の興奮性や筋肉の収縮に関わっており、体液のpHバランスを保つ役割も果たしています。ナトリウムを身体の外に出しやすくする作用があるため、塩分の摂り過ぎを調節するのに役立ちます。一方、不足するとこれらの働きに影響することはもちろん、脱力感・食欲不振・筋無力症・精神障害・不整脈などの症状がみられることがあります。なお、大量に摂取した場合でも体内の調節機構が働くので、通常、カリウムが過剰になることはまれであると言われています。
※数値は「食品成分データベース(文部科学省)」を参照しています。
食事の三大栄養素について
食事の三大栄養素(エネルギー産生栄養素)とは、タンパク質(protein)・糖質(carbohydrate)・脂質(fat)の三種類です。そして、その三種類の栄養素の頭文字をとって、栄養素バランスのことをPFCバランスと呼びます。
この三種類の栄養素の特徴とグラムあたりのカロリーは以下の通りです。
○タンパク質(4kcal/g)
タンパク質は筋肉を構成する物質で、筋トレで鍛えた筋肉を大きくするための材料となります。
○糖質(4kcal/g)
糖質は活動のためのエネルギー源になるだけでなく、タンパク質を筋肉として合成する時の筋肉合成カロリーとして働きます。
○脂質(9kcal/g)
脂質も糖質と同様のエネルギー源としての働きを持ちますが、グラムあたりの熱量が高く、貯蔵エネルギーとして効率的なので、余剰カロリーは体脂肪として貯えられます。
厚生労働省による三大栄養素に関する記載
エネルギー産生栄養素(えねるぎーさんせいえいようそ)
食物中に含まれる身体に必須の成分のうち、たんぱく質・脂質・炭水化物の総称。
人間の身体になくてはならない栄養素のうち、エネルギー(カロリー)源となる「たんぱく質・脂質・炭水化物」を『エネルギー産生栄養素』と呼んでいます。以前は、三大栄養素とも言われていました。
引用:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-013.html
トレーニングに有効なタンパク質食材
筋力トレーニング後の食材として欠かせないのが高タンパク質・低カロリーな肉類・魚介類です。
そして、常にトレーニングに有効な食事を摂取するためには、日によって品質にばらつきのないよう、あらかじめ品質を確認した食材を冷凍ストックしておくといった工夫が有効的です。
▼具体的なタンパク質食材例
食事・栄養に関する記事
筋力トレーニングと食事・栄養に関する情報については、下記の記事をご参照ください。