トップアスリートたちが続々と導入し成果を出している体幹トレーニングのなかでも、野球・テニス・ゴルフ、空手、ボクシングといった腕の振りを使うスポーツ競技で、競技能力を上げるために最適な体幹トレーニングメニューをご紹介します。
目次
■腕の振りを強くするために体幹を鍛える理由
●腕の筋肉を鍛えても腕は速く振れない
野球、テニス、ゴルフをはじめとした球技系スポーツ競技、ボクシングや空手などの打撃格闘競技を行っている人が、強く思うのは「腕の振りを強くしたい」「腕をもっと速く動かしたい」ということでしょう。そこで、ありがちな間違いが、これらの効果が得られると考えて「腕を鍛えてしまう」ことです。
上の図を見ていただければわかるとおり、腕の筋肉のなかで上腕部の筋肉は肘関節から先を動かし、前腕部の筋肉は手首関節から先を動かす働きを持っています。そして、肩関節から先、つまり腕自体を動かしているのは体幹上部前面および背面に分布している筋肉です。
では、体幹上部前面の大胸筋や体幹上部背面の広背筋を鍛えれば、腕は強く速く振れるのでしょうか?
答えはノーです。大胸筋は「腕を前に押し出す」働きをし、広背筋は「腕を後ろに引く」働きをします。回転をともなう腕の回旋運動の主働筋となっているのは、大胸筋や広背筋などアウターマッスルのさらに深部にあるインナーマッスルです。
ですので、腕を強く速く振りたいのであれば、これら肩関節周辺の体幹インナーマッスルを鍛えなければいけないのです。
■腕を振る働きのある体幹インナーマッスルとは
●ローテーターカフ(棘上筋・肩甲下筋・棘下筋・小円筋)
腕の回旋運動をつかさどっているのは、ローテーターカフと呼ばれる肩甲骨周辺のインナーマッスル群で、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の四つの筋肉があります。
それぞれ、「肩関節を外転させる棘上筋」「肩関節を伸展させるl棘下筋」「肩関節を外旋させる小円筋」「肩関節を内旋および内転させる肩甲下筋」となります。
この四つの筋肉のなかで、棘上筋・棘下筋・小円筋は肩甲骨背面に位置し、唯一、肩甲下筋のみが肩甲骨前面に位置しています。
なお、各筋肉の詳しい作用については下記の詳細記事をご参照ください。
■回旋筋腱板と関与の深いインナーマッスル
●大円筋
回旋筋腱板に隣接し、協働関係にある関与の強い筋肉が大円筋です。
主な作用は肩関節の内転(横から腕を閉じる動き)で、このほかにも肩関節の内旋にも関わっています。
▼詳細記事
それでは、次の項目からはローテーターカフと大円筋の具体的な鍛え方をご紹介していきます。
筋トレの呼吸法|筋トレの頻度|筋トレの順番|筋トレの回数設定|筋肉の名前と作用|筋肉の超回復期間|筋トレの食事例|筋トレの栄養学|男性の筋トレメニュー|女性の筋トレメニュー
■ローテーターカフ・大円筋を鍛えるのに必要な器具類
●トレーニングチューブが最適
ローテーターカフ・大円筋のトレーニングに必要なのがトレーニングチューブです。ローテーターカフのトレーニングは、その外面に分布するアウターマッスルをできるだけ動員せずに行う必要があります。
ですので、必要以上に強いトレーニングチューブはアウターマッスルのトレーニングになってしまうので、柔らかいチューブを使用してください。
便利なのが、上の写真のような強度の違うものがセットになったトレーニングチューブです。
写真のような強度の違うトレーニングチューブがセットになったタイプは、筆者の運営するジムで実際に使っており、筆者運営ショップが品質確認輸入をしているMYDAYSトレーニングチューブです。
たいへん頑丈な作りをしているだけではなく、各種トレーニングアタッチメントが取り付けられる大型カラビナフックを標準装備していますので、将来的にトレーニング方法の幅も広がります。
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■ローテーターカフの体幹トレーニング法
●棘上筋・棘下筋・小円筋に効果のあるエクスターナルローテーション
エクスターナルローテーションは、棘上筋・棘下筋および小円筋の強化に最適なトレーニングで、そのポイントは、胸を張り背筋を伸ばした姿勢を作り、肘関節を身体に固定して動かさないようすることです。
そして、チューブは腕の力を使わないように、肩関節だけを動かしてゆっくりと引き、戻す時もチューブの張力に耐えながらゆっくりと戻します。20~30回の反復を目安にしてください。
●肩甲下筋に効果のあるインターナルローテーション
インターナルローテーションは、肩甲下筋強化に最適なトレーニングで、上記のエクスターナルローテーションと正反対の動作を行います。
トレーニングのポイントも同様で、胸を張り背筋を伸ばし、肘関節は固定し、チューブをゆっくりと引き戻ししてください。こちらも、20~30回の反復が目安になります。
■大円筋の体幹トレーニング法
●チューブラットプルビハインドネック
もっとも強く大円筋が収縮作用するポジションが、上図のように身体の横側に上腕を張り出した位置から、肩甲骨を寄せながら上腕を引き閉じる位置になります。
具体的な筋トレで言えば、大円筋はバーを首の後ろに引き寄せるビハインドネックスタイルで最大収縮します。
大円筋は小さな筋肉なので、懸垂系トレーニングのかわりにトレーニングチューブを使ったラットプルダウンでも十分に鍛えることが可能です。
手幅を広くとり、手が背面側にくるように引き寄せるとさらに効果的です。
懸垂系トレーニングの仕上げに、大円筋に対して集中的な効果のあるのが、上図のようにタオルを使って自宅でも簡単に行えるタオルプルです。
肩幅より広くタオルを保持し、横方向にタオルを引きながら上腕を閉じるように下ろしていきます。
この時に肘を絞りながら(内旋させながら)肩甲骨を寄せていくのがポイントです。
また、チューブを壁や天井にとりつける場所がない場合は、タオルプルダウンの要領でチューブプルダウンを行ってください。
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執筆者情報
上岡岳
アームレスリング元日本代表
ジムトレーナー・生物学学芸員
JAWA日本アームレスリング連盟常任理事|レフリー委員長・広報広報部長
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