
最近話題なのが、女性なのにシックスパックがくっきりと浮かび上がり、絞り込まれた筋肉美を誇る「腹筋女子」です。その鍛え方を、自宅でできる自重トレーニング・チューブトレーニング・バランスボール筋トレ・ダンベル筋トレから厳選してご紹介するとともに、腹筋を割るために必要な体脂肪率と食事メニューについても解説します。

なお、本記事では下記の公的サイトの情報に基づき記載をしております。
▼運動プログラム作成の原理原則
運動プログラム作成のための原理原則-安全で効果的な運動を行うために
■腹筋の構造と割り方の二大要素
●腹筋を割るためには腹筋群を発達させ体脂肪率を落とす

腹筋は正しくは腹筋群と呼ばれる体幹前面にある四層構造をした筋肉群のことです。腹筋群は表面から順に、腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋が折り重なっており、いわゆるシックスパックと呼ばれるのは腹直筋です。

こちらが、腹直筋のイラストです。よく「どうやったら腹筋が割れるか」と言いますが、結論から言えば、構造上、腹直筋ははじめから割れていますので、厳密には「どうやったら腹直筋の割れを見えるようにするか」というのが正しい考え方です。そして、このためには二つの要素が必要となります。
一つは、表面に腹直筋の凹凸が出やすいように「腹直筋を鍛えて発達させる」ことで、もう一つが「体脂肪率を落として皮下脂肪を薄くする」ことです。なお、シックスパックが見えるようになる体脂肪率は、腹直筋の発達具合にもよりますが、およそ体脂肪率15~10%とされています。
また、腹筋群は他の筋肉と違い、一般的な筋肥大筋トレ=高負荷低反復回数(10回前後の反復)では発達しません。通常よりやや多めの20回前後の反復回数で限界がくるように動作スピードや負荷を調整して行ってください。
■腹筋群の構造と作用
●腹筋群は腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋の四層構造

一般に「腹筋」と呼ばれているのは「腹筋群」の俗称で、腹筋群は「腹直筋」「外腹斜筋」「内腹斜筋」「腹横筋」の四つの筋肉が折り重なった四層構造をしています。
腹直筋は表層にある筋肉で、俗にシックスパックとも呼ばれるもっとも外見に影響する筋肉です。この筋肉は縦に長く、その機能から「腹筋上部」と「腹筋下部」に分けられます。腹筋上部は主に「体幹を屈曲させる」働きがあり、腹筋下部は腸腰筋群と共働して「脚を前に上げる」働きがあります。
外腹斜筋と内腹斜筋は体側にかけて分布する筋肉で、共働して「腹部を横に曲げる」「腹部を捻る」といった働きがあります。
腹横筋は腹筋群のなかでも最も深層に位置する筋肉で、腹圧を保つ働きや呼吸に関わる働きがあります。
●腹筋群の英語名称・構造・部位詳細

読みかた:ふっきんぐん
英語名称:abdominal muscles
部位詳細:腹直筋|外腹斜筋|内腹斜筋|腹横筋
それでは、次の項目からは自重トレーニング・チューブトレーニング・バランスボール筋トレ・ダンベル筋トレの方法別に自宅でできる筋トレメニューを厳選してご紹介していきます。なお、動画は女性読者がご理解しやすいように、全て女性トレーナーのものを集めました。
■自重トレーニングでの腹直筋の鍛え方
●腹直筋上部を鍛えるクランチ
腹直筋トレーニングの基本とも言えるのがクランチと呼ばれる自重トレーニングです。身体を折り曲げながら息を吐き、最も曲げたポジションで息を吐ききって腹直筋を最大収縮させるのがポイントです。また、反動を使って無理に身体を起こそうとすると、腹直筋に効かないだけでなく、腰を痛めるリスクがありますので、あくまでも腹直筋を完全収縮させることだけに意識を集中してください。
●腹直筋下部を鍛えるレッグレイズ
腹直筋下部に効果の高い自重トレーニング種目がレッグレイズです。反動を使って腰が反る状態になると、腰椎を痛めるリスクがありますので、セット中は足を床につけず、上げる時も下ろす時もゆっくりとコントロールした動作で効かせるようにしてください。
●上級種目のVシット
腹直筋の自重トレーニングのなかで、上級者向けの種目が、腹直筋上部と下部を同時に強く収縮させるVシットです。動画を参考にぜひチャレンジしてみてください。
●女子ボディビル選手による解説

「筋トレの基本はどこの部位でもストレッチ・収縮が重要になります。しっかり鍛えたい体の部位の筋肉をしっかり伸ばす・縮める=ストレッチ・収縮の二動作が大事で、腕を細くする筋トレでも、腹筋でも同じです。
ただし、腕の筋肉よりも腹部は大きく複雑なパーツで構成されていますので、各部位の起点・終点を伸ばす縮めるより、お腹の前後・脇を「広げる・丸める」動作で行ってください。腹筋を丸める筋トレエクササイズ、筋トレマシンは多々ありますが、ポコポコ割れ腹筋の近道は「広げる動作」です。
なるべく広げる・丸めるの両方をやり、できない場合は広げる腹筋トレーニングだけでもやってください。」
●腰に不安があればリバースクランチ

今回ご紹介している腹筋運動では腰痛が不安な方には、腰への負担が少ないリバースクランチと呼ばれる種目がおすすめです。
●リバースクランチ
リバースクランチは腹筋群のなかでも腹直筋に、特に腹直筋下部に効果があります。
レッグレッグが足を上げて腹直筋を収縮させるのに対し、腰を浮かせる動作で腹直筋を収縮させるのが特徴です。
このため、足をあまり動かす必要がないことが特徴で、腹筋運動が苦手な方でも取り組みやすい種目です。
■チューブトレーニングでの腹直筋の鍛え方
●腹直筋上部を鍛えるチューブクランチ
トレーニングチューブを使って腹直筋上部を鍛える種目がチューブクランチです。トレーニングチューブは伸びれば伸びるほど負荷が増加していく「漸増負荷」と呼ばれる特性があり、非常に効率的にトレーニングを行うことができます。動作のポイントは身体を曲げながら息を吐き、曲げきったポジションで息を吐ききり腹直筋を完全収縮させることです。
●腹直筋下部を鍛えるチューブリバースクランチ
腹直筋下部を高負荷で鍛えることのできるチューブトレーニングが、チューブを使ったリバースクランチです。動作のポイントは足を上げるのではなく、スネを床と水平に保ったまま腹直筋を収縮させながら引き寄せることです。
■バランスボールでの腹直筋の鍛え方
●腹直筋を高負荷で鍛えるボールパイク
バランスボールを使った腹筋トレーニングでは、バランスボール上でのクランチなどが有名ですが、これはダイエット向きの手軽な種目ですので腹筋女子を目指す方には負荷が弱すぎると言えます。バランスボールを使った腹筋運動のなかでも、高負荷でおすすめなのが、こちらのボールパイクです。
やや動作の難易度は高いですが、是非チャレンジしてみてください。

バランスボールはホームセンターで入手できるような安価なものでなく、耐久性・反発力・グリップ力などの観点から、やはりスポーツブランド製のものをおすすめします。標準的なサイズは65cmタイプですが、身長の低めの女性には55cmタイプがおすすめです。
■ダンベルでの腹直筋の鍛え方
●腹直筋上部を鍛えるダンベルクランチ
自重トレーニングのクランチの強化版になりますが、単純ながら腹直筋の発達度合いにあわせて負荷を増加させられ、どこまでも高強度で鍛えることのできるのがダンベルクランチです。動作のポイントは自重でのダンベルクランチと同様ですが、重さを追求するあまり反動を使うと腰を痛めますので、くれぐれも気をつけてください。
●腹直筋下部を鍛えるダンベルレッグレイズ
こちらも自重レーニングのレッグレイズの強化版になりますが、やはりシンプルイズベストで腹直筋下部をどこまでも鍛えられるのがダンベルレッグレイズです。
●ボディーフィットネストップ選手によるくびれ作り筋トレ

ミスボディフィットネス国内トップ選手による腹筋トレーニング全般に関するアドバイスは以下の通りです。
「筋トレの基本はどこの部位でもストレッチ・収縮が重要になります。しっかり鍛えたい体の部位の筋肉をしっかり伸ばす・縮める=ストレッチ・収縮の二動作が大事で、腕を細くする筋トレでも、腹筋でも同じです。ただし、腕の筋肉よりも腹部は大きく複雑なパーツで構成されていますので、各部位の起点・終点を伸ばす縮めるより、お腹の前後・脇を「広げる・丸める」動作で行ってください。腹筋を丸める筋トレエクササイズ、筋トレマシンは多々ありますが、ポコポコ割れ腹筋の近道は「広げる動作」です。
なるべく広げる・丸めるの両方をやり、できない場合は広げる腹筋トレーニングだけでもやってください。」
▼参考記事
【女性のくびれの作り方】自宅やジムでの腹筋・背筋の筋トレ方法をフィットネストップ女子選手が解説

【ボディーフィットネス主戦績】
ミス21健康美オーバーオール優勝
女子関西フィージーク優勝
日本グアム親善選手権優勝
■最強の腹直筋トレーニング種目
●最高強度のドラゴンフラッグ
最強の腹筋トレーニングとして有名なのがドラゴンフラッグです、とくに腹筋下部に強い負荷がかかることで知られています。女性にはかなりきついトレーニングですが、動画のように完璧なドラゴンフラッグをこなす女性もいますので、是非チャレンジしてください。
■腹斜筋のトレーニング
●サイドプランク
サイドプランクのやり方はとても簡単です。横向きになり床側の前腕と脚の小指側の側面で体を支えます。頭から足まで一直線になるように意識してみて下さい。
30秒くらいの静止から初めて徐々に時間を長くしていきます。肘で(点で)支えると痛いです。前腕で(辺で)体重を受け止めグッとお腹に力をいれましょう。脇腹を触ると腹斜筋がかたくなり、筋肉コルセットの役目を果たしているのがとてもよくわかると思います。
●ニートゥエルボー
ニートゥーエルボーのやり方は、まず、仰向けになり両脚腰幅くらいで膝を立てます。手は頭の後ろ。ゆっくり息を吐きながら右肘と左膝をタッチ。5秒数えたら、一度上体を元に戻し次に左肘と右膝をタッチして5秒数えます。
●ダンベルサイドベンド

腹筋の側部に効果的な体幹のダンベルトレーニングがダンベルサイドベンドです。
できるだけ大きな動作を心がけ、しっかりと横腹を伸ばしてから曲げていく動作を繰り返してください。
■体脂肪率15%以下を目指す食事メニュー
●高タンパク質低カロリーを心がける

体脂肪率15%以下を目指すための食事メニューの基本は「高タンパク質低カロリー」の一点に尽きます。具体的には、脂質はもちろん摂取せず、米・パン・麺類などの炭水化物は一日一食(朝食か昼食)に抑えます。なお、夕食では炭水化物を摂取するべきではありません。
そのかわりに、鶏肉・大豆食品・白身魚・エビ・イカなどの脂質の少ないタンパク質食品と野菜を多く摂取するようにします。