
学校や職場の体力検査・健康診断で測定する機会のある握力ですが、その気になる平均値を世界の成人男女別にまとめました。
また、リンゴを潰すために必要な握力、握力の世界一ギネス記録やゴリラの握力についても調べました。あわせて握力の三種類とその鍛え方についてもご紹介します。
■成人の男女別握力平均値
●男性で約45~50kg・女性で約25~30kgが平均値
【世界の成人握力調査】
年齢:男性|女性
20-24:48.9kg|29.1kg
25-29:49.2kg|29.5kg
30-34:50.3kg|30.2kg
35-39:50.0kg|30.6kg
40-44:49.2kg|30.5kg
45-49:48.1kg|29.7kg
50-54:46.7kg|28.2kg
55-59:44.7kg|27.1kg
60-64:22.0kg|25.7kg
65-69:38.4kg|24.0kg
この調査結果によれば、成人男性でおおよそ45~50kg、成人女性でおおよそ25~30kgが平均値と言えるでしょう。
平均値よりありましたか?
もしなければ、鍛えたほうが日々の生活や趣味のスポーツにもいいかもしれませんね。
■日本人の握力の平均値
●文部科学省による過去五年間の握力平均値

平成26年度の日本人の年齢別・性別の握力の平均値は以下の通りです。
年齢:男性|女性
6歳:9.15kg|8.54kg
7歳:10.95kg|10.37kg
8歳:13.00kg|11.90kg
9歳:4.80kg|13.77kg
10歳:6.97kg|16.78kg
11歳:19.80kg|19.42kg
12歳:24.58kg|21.95kg
13歳:30.15kg|24.37kg
14歳:35.38kg|25.53kg
15歳:39.05kg|25.85kg
16歳:41.08kg|26.98kg
17歳:43.01kg|27.45kg
18歳:42.12kg|26.40kg
19歳:42.34kg|26.58kg
20-24歳:46.46kg|28.24kg
25-29歳:47.26kg|28.15kg
30-34歳:47.36kg|28.73kg
35-39歳:47.64kg|28.97kg
40-44歳:47.23kg|29.12kg
45-49歳:46.62kg|29.21kg
50-54歳:46.31kg|28.04kg
55-59歳:44.90kg|27.51kg
60-64歳:42.87kg|26.01kg
65-69歳:39.77kg|24.72kg
70-74歳:37.46kg|23.75kg
75-79歳:35.02kg|22.34kg
※文部科学省平成26年度年齢別テスト結果より
■文部科学省による握力平均値
なお、文部科学省による過去五年間の日本人の握力平均値は以下の通りです。
※参照サイト: http://akuryoku.noyokan.com/
■リンゴを握りつぶす握力は?
●握力70~80kgが必要だがコツもある

握力自慢の人がリンゴをグシャッと握りつぶす様子はテレビなどでもおなじみですが、とにかく力まかせにリンゴを握りつぶすためには約70~80kgの握力が必要とされています。
ただし、リンゴを握りつぶすためにはコツもありますので、こつさえ掴めば握力60kg前後でも潰せると言われています。
●リンゴを握りつぶすコツとは
こちらが、リンゴ潰しの典型的なやり方の動画です。まずは動画をご覧ください。
リンゴを握りつぶすためのコツは、ズバリ指先から指の腹にかけての「点」に握力を集中することです。握りつぶすと言うよりは、「指を押し込んで割る」という表現のほうが正しいかもしれません。指を立てるのではなく、指の腹を押し込んでください。
なお、食べ物を粗末にしてはいけませんので、潰したリンゴは美味しくいただいてください。
■握力のギネス世界記録
●マグナス・サミュエルソン氏の300kg

握力のギネス世界記録を保持しているのは、スウェーデンのアスリート(ストロンゲストマン選手権)のマグナス・サミュエルソン氏で、その握力はなんと192kgを記録しています。
なお、同氏はベンチプレスもノーギアで300kg挙げるというから、まさに桁違いの怪物ですね。
なお、一般的に握力が強いとされる「リンゴを潰す握力」が約80kgなので、その凄さがわかります。
■ゴリラの握力は?
●なんと400~500kgもある

動物のなかで、もっとも握力が強いとされるのはゴリラですが、その握力はなんと400~500kgと言われています。さすがに、人類ではかないませんね。
■握力に関わる筋肉
●前腕筋群と手指の筋群

握力には、肘から先の筋肉、つまり前腕筋群と手指の筋肉群が複雑に関わり作用しています。
前腕部には、20近い筋肉が集まり前腕筋群を形成しています。
その筋肉には、円回内筋、橈側手根屈筋、長掌筋、尺側手根屈筋、浅指屈筋、深指屈筋、長母指屈筋、方形回内筋、腕橈骨筋、長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、回外筋、尺側手根伸筋、総指伸筋、小指伸筋、示指伸筋、長母指伸筋、短母指伸筋、長母指外転筋があります。
手指には、短掌筋、小指外転筋、短小指屈筋、小指対立筋、虫様筋、背側骨間筋、掌側骨間筋、母指内転筋、短母指外転筋、短母指屈筋、母指対立筋と呼ばれる筋肉があります。
■握力の鍛え方
体力測定などで測る、いわゆる「握力」は正式には「クラッシュ力」と呼ばれてる力で、握力の要素の一つでしかありません。握力には、このほかにも「ピンチ力」と「ホールド力」があり、鍛え方も異なります。
●クラッシュ力の鍛え方

いわゆる握力といわれ、もっとも一般的に知られているのが物を握りつぶす力=クラッシュ力です。日常だけでなく多くのスポーツで必要とされる基本的な力のため、そのトレーニング器具にもさまざまなものが考案されています。

クラッシュ力を鍛えるのに、もっとも一般的な器具が、こちらのようなハンドグリッパーです。握力の筋肉は日常での使用頻度が高く、トレーニングに対して高い負荷耐性を持っていますので、100回以上の高反復回数でとことん追い込んで鍛えるのがおすすめです。
なお、通常のハンドグリッパーは握力(クラッシュ力)が強くなれば買い換える必要がありますが、こちらのような可変式のものだと長期間にわたり鍛え続けることができます。
●可変式ハンドグリッパー

こちらが可変式ハンドグリッパーです。一般的なハンドグリッパーは、トレーニングをして握力が強くなってきたら負荷が足りなくなり、より強いものに買い替える必要があります。
しかし、この写真のような可変式ハンドグリッパーだと、前部のつまみを回すことで約20~60kgまで負荷強度の調整ができ、いくつもハンドグリッパーを買い替える必要がなく経済的です。
なお、筆者の運営するショップでは、事前にテスト輸入・品質確認を行った、海外大手スポーツ用品メーカー・MYDAYS社の可変式ハンドグリッパーを、仲介業者を通さずに直接仕入れることで、リーズナブルに提供しています。
●スーパーグリッパー
強度60kgを超えるハンドグリッパーは金属製になりますが、金属製だと単機能のハンドグリッパーでもかなり高価になってきます。
そのような場合におすすめなのが、写真のようなスーパーグリッパーと呼ばれるタイプで、スプリングの本数と位置を調整することで約20~150kgまでの負荷強度調整が可能です。
●ピンチ力の鍛え方

ピンチ力とは指を伸ばした状態での握力のことで、いわゆる「つまむ力」のことです。不定形をしたものを掴むときに重要な力で、柔道・レスリングなどの対人コンタクト競技で重要となる力です。
このほかに、アームレスリングのトップロールでは極めて重要な筋力になります。
鍛え方は簡単で、数センチから10センチ以内の重量物をつまみあげる動作を繰り返すことで鍛えられます。

ピンチ力を鍛えるのに、もっとも身近で安価なのが、こちらのようなコンクリートブロックです。全体をつまんだり、一辺だけをつまんだりすることで、つまむ厚さも変えられるのでたいへん便利です。
また、こちらの動画のようにバーベルのプレートをつまみ上げるトレーニングも有名です。
●ホールド力の鍛え方

ホールド力は手を保持する力で、特に指が伸びた状態での保持力に大きく関わります。多くの球技や、体操競技、クライミング競技、ウエイト競技などで重要な力です。

ホールド力を鍛えるのにおすすめなのが、バスケットボールを保持するトレーニングです。このほかにも、バーベルやダンベルのシャフトにスポンジなどを巻いて、グリップする太さを増すだけでもずいぶんホールド力のトレーニングになります。
さらに積極的にホールド力を鍛えたい方は、こちらの動画のような指立て伏せ(フィンガープシュアップ)がおすすめです。
●ファットグリップで自然と握力を鍛える

ファットグリップは、前腕や握力のトレーニンググッズとして世界的に有名なグリップアタッチメントです。普段のトレーニングにファットグリップを使うことで、自然と前腕の筋力や握力が向上しています。
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