
ピラミッドセット法は筋肥大や筋力向上に有効なセットメニュー法として知られています。
その具体的なやり方・組み方を、コンパウンド種目(複合関節運動)の場合、アイソレーション種目(単関節運動)の場合、それぞれで解説します。
また、ピラミッドセット法を筋肥大重視で行う場合の注意点についてもご紹介します。
ピラミッドセット法の組み方

ピラミッドセットは中負荷セットでスタートし、セット重量を上げて高負荷セットを行った後、再び中負荷セットで追い込むトレーニング方法です。
ピラミッドセット法の組み方は、コンパウンド種目とアイソレーション種目で若干異なります。
これは、複数の筋肉を同時に使うコンパウンド種目のほうが負荷耐性が高いことに起因し、コンパウンド種目ではアイソレーション種目より若干高負荷にするほうが効果的です。
その具体例は以下の通りです。
①コンパウンド種目(多関節運動)
1セット目:最大筋力の60%×8レップ2セット目:最大筋力の70%×6レップ
3セット目:最大筋力の80%×4レップ
4セット目:最大筋力の90%×2レップ
5セット目:最大筋力の70%×限界まで
6セット目:最大筋力の60%×限界まで
②バーベルカールなどのアイソレーション種目
1セット目:最大筋力の60%×8レップ2セット目:最大筋力の70%×6レップ
3セット目:最大筋力の80%×4レップ
4セット目:最大筋力の70%×限界まで
5セット目:最大筋力の60%×限界まで
コンパウンド種目の場合は最大筋力の90%セット、アイソレーション種目の場合は最大筋力の80%までは予備疲労として行い、そこから最大筋力の60~70%まで重量を下げたラスト2セットで限界までセットを行い筋肉を完全に追い込みます。
▼詳細記事
https://sfphes.org/2019/10/pyramid-set.html
ピラミッドセット法の効果

ピラミッドセット法では、最大筋力の60~70%のセット(筋繊維TYPE2a対象)で筋肥大効果が、80~90%のセット(筋繊維TYPE2b対象)で最大筋力向上効果が得られますが、どちらかと言えば筋肥大に適したトレーニングセット法です。
なお、筋繊維の種類と特性は以下の通りです。
筋繊維タイプの種類と特性

筋トレで鍛える骨格筋を構成している筋繊維には以下の三種類があり、それぞれの特徴は次の通りです。
①速筋繊維TYPE2b
約10秒前後の短い時間に爆発的・瞬発的な収縮をする特徴があり、トレーニングにより強く筋肥大します。10回前後の反復回数で限界がくる重量設定で鍛えます。
②速筋繊維TYPE2a
10~60秒ほどのやや長時間で瞬発的な収縮をする特徴があり、トレーニングによりやや筋肥大します。15回前後の反復回数で限界がくる重量設定で鍛えます。
③遅筋繊維TYPE1
60秒以上数分・数時間の持続的・持久的な収縮をする特徴があり、トレーニングにより筋肥大せずに筋密度が上がります。20回以上の反復回数で限界がくる重量設定で鍛えます。
なお、速筋繊維TYPE2bは5回前後の高重量トレーニングでは筋力向上に反応し、10回前後の中〜高重量トレーニングでは筋肥大に反応するとされています。
厚生労働省による筋繊維に関する記載
骨格筋を構成している筋繊維には大きく分けて速筋と遅筋の2種類があります。速筋は白っぽいため白筋とも呼ばれます。収縮スピードが速く、瞬間的に大きな力を出すことができますが、長時間収縮を維持することができず張力が低下してしまいます。遅筋は赤みがかった色から赤筋とも呼ばれます。収縮のスピードは比較的遅く、大きな力を出すことはできませんが、疲れにくく長時間にわたって一定の張力を維持することができます。引用:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-026.html
筋肥大向きのピラミッド法

ピラミッドセット法は筋力強化と筋肥大の両方に適したトレーニングメソッドですが、特に筋肥大を狙う場合は、最大筋力の80~90%のセットをあくまでも予備疲労セットとして行うことです。
そして、筋肥大にもっとも効果的である最大筋力の60~70%の最終2セットで限界まで追い込むことが重要です。
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