【小胸筋の作用と鍛え方】胸部リフトアップ筋トレとストレッチ方法を解説

小胸筋の作用と鍛え方・筋トレ方法およびストレッチ法について解説します。

 

小胸筋は外観上は見ることのできないインナーマッスルですので、大胸筋の存在感のために、あまり着目されない傾向にある筋肉です。しかしながら、実は大胸筋の共働筋として、また僧帽筋の拮抗筋として、日常生活はもちろん、スポーツ競技や大胸筋の見栄え(リフトアップ)や女性のバストアップに重要な筋肉です。

 

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■小胸筋の構造と働き・作用

●大胸筋の深層に位置するインナーマッスル

上図の赤い部分三角の部分が小胸筋で、ちょうど大胸筋外側の下に埋まるように位置している、インナーマッスルと呼ばれる深層筋の一つです。

 

小胸筋の上部は肩甲骨に、下部は肋骨に接合しており、この筋肉が収縮することで肩甲骨を前方および下方に引きつける作用があります。

 

また、大胸筋の作用方向が横方向なのに対して、小胸筋の作用方向はほぼ縦方向という特性もあります。

 

●僧帽筋の拮抗筋として働く

小胸筋の収縮方向は、肩甲骨を後方に引き上げる作用を持つ僧帽筋とちょうど真逆方向で、僧帽筋の拮抗筋(正反対の動きをする筋肉)として作用します。

 

日常での動作ではもちろんですが、スポーツ競技などにおいても「肩甲骨を完全に寄たまま」や「肩甲骨をゆるめたまま」で動作を行うことはまずありません。

 

小胸筋は僧帽筋と拮抗することで、互いに肩甲骨をはさんで引き合いながら、肩周辺の骨格と関節を安定させており、僧帽筋とだけでなく小胸筋を鍛えることで、より肩~上腕にかけての動作が安定するようになります。

 

●スポーツ競技や女性のバストアップにも重要

スポーツ競技において、小胸筋を鍛えることの重要性は解説しましたが、なかでも、腕を体側よりやや前方で固定する動作が必要になる、アームレスリングや組み技系の格闘競技においては、勝敗を左右するほど重要な筋肉でもあります。

 

また、このほかに、女性においてはバストの土台となる大胸筋自体を上方に引き上げる作用のある「バストアップの筋肉」としても知られており、バストの下垂を予防・改善し全体をリフトアップするために重要な筋肉です。

 

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■小胸筋の鍛え方・筋トレ方法

●自宅での小胸筋の鍛え方・トレーニング方法

・ベンチディップ

小胸筋の鍛え方・トレーニング方法としてもっとも最適な自宅筋トレの一つが、こちらの動画のようなリバースプッシュアップ(またはベンチディップス)です。

 

リバースプッシュアップ(ベンチディップス)は、ジムではディップスタンドで行いますが、家庭でも特別な器具なしに自宅の椅子やベッドなどを流用して行うことが可能です。

 

なお、小胸筋が最大収縮するポジションは、肘を伸ばし腕を下方に押しきってからですので、身体を持ち上げてから、さらにもう一押し腕を押し下げるイメージでトレーニングを行ってください。

 

・椅子を流用したディップス

リバースプッシュアップ(ベンチディップス)よりも、さらに強度の高い小胸筋トレーニング方法が、全体重を完全に上半身の筋力だけで支える必要のあるディップスです。

 

ディップスも椅子を二つ流用することで家庭においても簡単に行うことができます。

 

なお、身体を持ち上げた状態からさらに腕を下方に押し込む動作が大切なのは、リバースプッシュアップ(ベンチディップス)と同様です。

 

また、上半身を後傾させて動作を行うと、小胸筋に効果がないばかりか肩関節に負担がかかってしまいますので、身体を下ろす時は上半身を前傾させて下ろすように注意してください。

 

●ジムでの小胸筋の鍛え方・トレーニング方法

・ディップマシンプレス

ジムのマシントレーニングのなかで小胸筋に効果の高いトレーニング方法がディップマシンプレスです。

 

腕を押し込み、大胸筋下部が完全収縮してから、さらに少し腕を下方に押し込むようにすることで効果が高まります。

 

・ワイドグリップベンチプレス

また、小胸筋は大胸筋外側に位置することから、ベンチプレスのように横に腕を開いてから大胸筋を収縮させる動作の初動にも関与します。

 

そのような理由で、動画のようなワイドグリップでのベンチプレスも小胸筋のトレーニングとして有効です。

 

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■女性のための小胸筋の鍛え方・筋トレ方法

女性がバストアップ目的で小胸筋を鍛える場合も、男性のトレーニング方法と理論は同様ですが、実際のところ、リバースプッシュアップ(ベンチディップス)やディップは、筋力に自身のない女性にとっては、行うのが難しい場合もあります。

 

そのような場合は、ディップスの身体を持ち上げた姿勢から無理に身体を下ろさず、肘を完全に伸ばしたまま、小刻みにその場で身体を上下させる動作だけを反復しても十分な効果が得られます。

 

・椅子を使ったハーフベンチディップス

なお、こちらの動画のような椅子を使ったハーフベンチディップスだと運動の苦手な女性にも取り組みやすくなりますので、是非、チャレンジしてみてください。

 

・膝つき腕立て伏せ

また、リバースプッシュアップ(ベンチディップス)やディップスを行うことが筋力的にどうして難しいという女性の方は、こちらの動画のような膝つき腕立て伏せで小胸筋トレーニングを行うことも可能です。

 

身体を押し上げたポジションで、上を見て、できるだけ背中を反らせ、胸を張った姿勢をとることで、ディップス系に近い下向きの軌道が作れますので、小胸筋の収縮方向に適切な負荷をかけることができます。

 

■小胸筋のストレッチ方法

●肩こりの予防としてもおすすめ

デスクワークやパソコン作業を長時間行う事務職なおでは、仕事によって小胸筋に疲労が蓄積し、肩甲骨を前方および下方に引きる力が弱くなりますので、結果として肩こりの原因にもなります。

 

肩こりがつらい方に、特におすすめしたいのが小胸筋のストレッチです。

 

・小胸筋のストレッチ方法

小胸筋のストレッチ方法はとても簡単です。すでに解説した小胸筋の位置と縦方向の収縮方向をイメージし、小胸筋が真っ直ぐに伸びるように、腕が斜め上になるように壁などに手をついてストレッチを行ってください。

 

なお、反動を使ってストレッチを行うと怪我のリスクがあるり逆効果になるのは、ストレッチ全般に共通の注意点です。ゆっくりと静かに、反動を使わずに小胸筋を伸ばしていきましょう。

 

■筋肉の名称と作用

身体を鍛えていく上で、まず理解したいのが全身の主な筋肉の名称と作用です。それぞれの筋肉の役割を知ることで、効率のよいトレーニングを行うことが可能になります。

 

▼インナーマッスル図鑑

 

【体幹インナーマッスル名称図鑑】体幹トレーニングで鍛える深層筋を図解解説

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記事制作©FutamiTC/MazurenkoJapan


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執筆者情報
上岡岳
アームレスリング元日本代表
ジムトレーナー・生物学学芸員
JAWA日本アームレスリング連盟常任理事|レフリー委員長・広報広報部長

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