サッカーに必要な筋肉について、それぞれの部位の構造・作用、サッカーにおける働き(役割)を解説します。
目次
サッカーに重要な筋肉は?
サッカーは「走って」「蹴る」スポーツですので、当然、下半身の筋肉・筋力が必要になってきますが、その下半身の力を加速したりコントロールするためには体幹インナーマッスルも重要です。
例えばキックですが、軸足を踏み込んだ初動の力を体幹に伝え、それを体幹を捻る力で加速し、股関節→膝関節→足首関節→ボールと連動させて伝えていきます。
このことから、下半身の筋肉だけでなく体幹の筋肉も以下に重要かがお分かりいただけると思います。
これらを考慮し、サッカーに必要な筋肉を並べると以下のようになります。
下半身の筋肉
大腿四頭筋(太もも前側の筋肉)
ハムストリングス(太もも後側の筋肉)
内転筋群(太もも内側の筋肉)
下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)
体幹の筋肉
腹斜筋(腹の筋肉)
回旋筋(背骨の筋肉)
腸腰筋群(股関節の筋肉)
なお、さらに詳細な筋肉名称に関しては下記の筋肉図鑑完全版をご参照ください。
▼筋肉名称の詳細記事
【筋肉名称完全図鑑】各部位の名前・作用・筋トレ方法(鍛え方)
それでは、次の項目ではサッカーに必要な個々の筋肉を、サッカーにおける働きも含めて解説していきます。
下腿三頭筋の構造と働き
読みかた:かたいさんとうきん
英語名称:triceps muscle of calf
下腿三頭筋はふくらはぎの筋肉で足首関節を伸ばす作用を持ちます。
サッカーにおいては踏み込みの原動力になるだけでなく、下半身のフォームを安定させる基礎となります。「走る」「蹴る」全てにおいてとても重要です。
▼詳細記事
ハムストリングスの構造と働き
読みかた:はむすとりんぐす
英語名称:hamstrings
ハムストリングは、大腿二頭筋・半膜様筋・半腱様筋から構成され、膝関節を曲げる・脚を後ろに上げる作用があります。
サッカーにおいては臀筋群とともに回旋筋と連動し、「腰で蹴る力」を生み出します(蹴る足ではなく軸足側で作用)。
また、ハムストリングは「地面を蹴る筋肉」とも呼ばれており、走力にも非常に重要です。
さらに、キックの力を生む大腿四頭筋の拮抗筋であることから、キック時のブレーキ機能としても働き、コントロール(キックの制御)にも重要な役割を果たします。
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大腿四頭筋の構造と働き
読みかた:だいたいしとうきん
英語名称:quadriceps
大腿四頭筋は、大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋から構成され、膝関節を伸ばす作用を持ちます。
サッカーにおいては腹斜筋・腸腰筋群と連動し、「腰で蹴る力」を生み出します(蹴る足側)。また、下半身のフォームがブレないように安定させる(姿勢制御)にも重要です(軸足側)。
もちろん、走力にとっても大切な筋肉です。
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内転筋群の構造と働き
読みかた:ないてんきんぐん
英語名称:adductors muscles
内転筋群は、大内転筋・小内転筋・長内転筋・短内転筋・恥骨筋から構成され、脚を閉じる作用を持ちます。
サッカーにおいては、サイドステップ動作の動作能力に直結します。また、サイド方向へのキックのコントロールにも重要です。
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腹斜筋(腹筋群)の構造と働き
読みかた:ふっきんぐん
英語名称:abdominal muscles
腹筋群は、深層から順に腹横筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腹直筋の四層構造をしており、体幹を屈曲および回旋させる作用があります。
サッカーにおいては、腹斜筋(内腹斜筋・外腹斜筋)が回旋筋と連動して「身体を捻る力」を生み出します。
▼詳細記事
回旋筋(長背筋群)の構造と働き
読みかた:せきちゅうきりつきん
英語名称:erector spinae muscle
脊柱起立筋とともに長背筋群を構成する回旋筋は、体幹を捻る作用を持っています。
サッカーにおいては、内腹斜筋・外腹斜筋と連動して「身体を捻る力」を生み出します。
▼詳細記事
腸腰筋群の構造と働き
読みかた:ちょうようきんぐん
英語名称:iliopsoas
骨盤と大腿骨をつなぐ股関節インナーマッスルである腸腰筋群は、大腰筋・小腰筋・腸骨筋に分けられ、脚を前方に上げる作用を持っています。
サッカーにおいては、キック力と走力の両面で重要な役割を果たします。
▼詳細記事
サッカーのための下半身筋トレ&体幹トレーニング
サッカーのための下半身筋トレ&体幹トレーニングの詳しい解説は、下記の記事をご参照ください。
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執筆者情報
上岡岳
アームレスリング元日本代表
ジムトレーナー・生物学学芸員
JAWA日本アームレスリング連盟常任理事|レフリー委員長・広報広報部長
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