【テニスの下半身スクワット筋トレ】種類とやり方を自宅・ジムそれぞれに解説

【テニスの下半身スクワット筋トレ】種類とやり方を自宅・ジムそれぞれに解説

テニスにとって下半身の筋肉・筋力はとても大切ですが、その主な筋肉の構造と作用を解説するとともに、下半身強化の定番トレーニングであるスクワットの種類とやり方を筋肉部位別・使用器具別に解説します。

テニスに必要な下半身の筋肉

テニスの力の連動を簡単に説明すると、下半身で生まれた力を体幹で加速し、それを肩→腕→グリップと無駄なく伝えていきます。

これらを踏まえ、テニスに必要な筋肉を図解したのがこちらの画像です。各筋肉の構造・作用とテニスにおける働きについては下記の記事をご参照ください。

▼詳細記事

テニスに必要な筋肉の名称と作用|部位ごとの働き(役割)も解説

そして、下半身トレーニングの鉄板で、「キングオブトレーニング」とも呼ばれる「スクワット」で鍛えられる下半身の筋肉は以下の通りです。

これら下半身の筋肉の構造と作用をもう少し詳しく見ていきましょう。

下腿三頭筋の構造と働き

読みかた:かたいさんとうきん

英語名称:triceps muscle of calf

下腿三頭筋はふくらはぎの筋肉で足首関節を伸ばす作用を持ちます。

テニスにおいては踏み込みの原動力になるだけでなく、下半身のフォームを安定させる基礎となります。

また、前後方向・左右方向への瞬発的なステップにも重要です。

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下腿三頭筋の構造と作用

ハムストリングスの構造と働き

読みかた:はむすとりんぐす

英語名称:hamstrings

ハムストリングは、大腿二頭筋・半膜様筋・半腱様筋から構成され、膝関節を曲げる・脚を後ろに上げる作用があります。

テニスにおいては臀筋群とともに回旋筋と連動し、「腰で打つ力(後ろ側)」を生み出します。

また、瞬発的なバックステップにも重要です。

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ハムストリングスの構造と作用

大腿四頭筋の構造と働き

読みかた:だいたいしとうきん

英語名称:quadriceps

大腿四頭筋は、大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋から構成され、膝関節を伸ばす作用を持ちます。

テニスにおいては腹斜筋と連動し、「腰で打つ力(前側)」を生み出します。また、下半身のフォームがブレないように安定させる(姿勢制御)にも重要です。

また、前方向への瞬発的なステップにも重要です。

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大腿四頭筋の構造と作用

内転筋群の構造と働き

読みかた:ないてんきんぐん

英語名称:adductors muscles

内転筋群は、大内転筋・小内転筋・長内転筋・短内転筋・恥骨筋から構成され、脚を閉じる作用を持ちます。

テニスにおいては、臀筋群の拮抗筋として働き、下半身のブレーキングに作用します。

また、横方向への瞬発的なステップにも重要です。

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内転筋群の構造と作用

臀筋群の構造と働き

読みかた:でんきんぐん

英語名称:gluteus muscles

臀筋群は、大臀筋・中臀筋・小臀筋の三層構造をしており、脚を後ろまたは横に上げる作用を持ちます。

テニスにおいては、ハムストリングスとともに回旋筋と連動し、「腰で打つ力(前側)」を生み出します。

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臀筋群の構造と作用

スクワットのテニス向き重量負荷設定

筋トレで鍛える骨格筋を構成している筋繊維には以下の三種類があり、それぞれの特徴は次の通りです。

①速筋繊維TYPE2b

約10秒前後の短い時間に爆発的・瞬発的な収縮をする特徴があり、トレーニングにより強く筋肥大します。10回前後の反復回数で限界がくる重量設定で鍛えます。

②速筋繊維TYPE2a

10~60秒ほどのやや長時間で瞬発的な収縮をする特徴があり、トレーニングによりやや筋肥大します。15回前後の反復回数で限界がくる重量設定で鍛えます。

③遅筋繊維TYPE1

60秒以上数分・数時間の持続的・持久的な収縮をする特徴があり、トレーニングにより筋肥大せずに筋密度が上がります。20回以上の反復回数で限界がくる重量設定で鍛えます。

つまり、テニスのためにスクワットを行うのであれば、速筋繊維TYPE2aをターゲットにして1セット15回前後の反復ができる重量設定(自重トレーニングの場合は動作スピードで調整)で実施するのが適切です。

それでは、次の項目からは下半身の筋肉部位別に効果的なスクワットの種類とやり方を、自重トレーニング・チューブトレーニング・ダンベルトレーニング・マシントレーニング・バーベルトレーニングのぞれぞれから詳しく解説していきます。

なお、下腿三頭筋に関しては各種スクワットトレーニングを実施するなかで自然と鍛えられていきます。

自重スクワットの種類とやり方

大腿四頭筋に効果的なノーマルスクワット

ノーマルスクワットは大腿四頭筋・ハムストリングス・大臀筋の全体にまんべなく効くのが特徴で、あらゆるスクワットトレーニングの基本となる種目です。

背中を反らせ(胸を張り)、やや上を見るのがフォームの基本です。椅子に座るようなイメージで若干斜め後ろに腰を下ろしてください。また、膝がつま先より前に出ると、膝関節を痛める原因になりますので注意が必要です。

大腿四頭筋に効果的なシシースクワット

シシースクワットは大腿四頭筋に刺激を集中させるために独特のフォームで行うスクワットトレーニングです。

慣れないうちは転倒の危険性もあるので、動画のように柱などを保持して行うことを推奨します。

臀筋群・ハムストリングスに効果的なフロントランジ

大腿四頭筋だけでなく、ハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)、大臀筋と下半身の主要な筋肉群に幅広く効果のある自重レーニング種目がフロントランジです。最大のポイントは、前にした足の膝がつま先より前に出ないように注意することです。このフォームができていないと、膝の靱帯を痛める危険性がありますので十分に注意して動作を行ってください。

また、前足に荷重をかけて立ち上がると大腿四頭筋に、後ろ足に荷重をかけて立ち上がるとハムストリングスに負荷がかかるので、ターゲットにした筋肉に合わせて意識と動作を調整してください。

臀筋群・ハムストリングスに効果的なブルガリアンスクワット

ブルガリアの五輪体操チームが始めたことで知られ、最近では女子フィギュアスケート選手の定番として有名なのがブルガリアンスクワットです。特に、ハムストリングスと大臀筋に高い効果があります。

片足を後ろにする以外は、動作ポイントとはノーマルスクワットと同じですが、後ろ足により意識を集中することでさらに効果が高まります。

内転筋群に効果的なワイドスクワット

ワイドスクワットは、相撲取りが四股を踏むようなスタイルで行うことからスモウスクワットと呼ばれています。下半身全体に効果がありますが、特に内転筋(内もも)に効果があることから女性のダイエット種目として人気です。

最大の注意点は、つま先を膝を曲げる方向に向けることで、この方向がずれていると膝関節にねじれ負荷がかかり怪我の原因となります。

内転筋群に効果的なサイドランジ

サイドランジは内転筋群を中心に効果のある横移動で行うスクワット系種目です。

サイドランジの注意点として、曲げたほうの脚の膝がつま先より前に出ないように気をつけてください。膝がつま先より前に出た時点で、筋力ではなく膝の靭帯の張力で体重を支えることになり、故障の原因になります。

動作のポイントは曲げたほうの脚に負荷をかけるため、しゃがんだ時にやや状態を前傾して荷重をかけることです。また、伸ばすほうの脚はしっかりと伸展しましょう。

チューブスクワットの種類とやり方

下半身のトレーニングの基本であるスクワットをチューブの負荷で強度を高めた種目がチューブスクワットです。

前項でご紹介した全ての種類のスクワットの負荷を、トレーニングチューブを併用することで強化することができます。

トレーニングチューブは自宅トレーニング器具としてはとても優秀で、リーズナブルでかさばらずダンベルよりも扱いやすいのがメリットです。

また、ゴムの持つ「漸増負荷特性」=伸びるほど負荷が強まる特性により、見た目以上にしっかりと筋肉に効かせることができます。

なかでも便利なのが、このような強度の違うものがセットになったトレーニングチューブです。

写真のタイプは、筆者の運営するジムで実際に使っており、筆者運営ショップが品質確認輸入をしているMYDAYSトレーニングチューブです。

たいへん頑丈な作りをしているだけではなく、各種トレーニングアタッチメントが取り付けられる大型カラビナフックを標準装備しています。

▼このトレーニングチューブを見てみる

【品質確認済み輸入】トレーニングチューブセット(マズレンコ製作所日本正規輸入代理店)

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【当ジムおすすめトレーニングチューブ】単品で揃えるよりセット購入がお得

ダンベルスクワットの種類とやり方

大腿四頭筋に効果的なダンベルスクワット

動作のポイントは、胸を張りやや背中を反らせた状態で行うこと、椅子に座るようなイメージで斜め後ろに腰を下ろしていくことです。この時にやや上を見るようにすると姿勢が維持しやすくなります。また、膝がつま先より前に出ないようにすることは、膝関節の保護のためにスクワット系種目の全てに共通する注意点です。

臀筋群・ハムストリングスに効果的なダンベルフロントランジ

大腿四頭筋だけでなく、ハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)、大臀筋と下半身の主要な筋肉群に幅広く効果のあるダンベルトレーニング種目がダンベルランジです。

動作のポイントは自重でのフロントランジと同様です。

内転筋群に効果的なダンベルワイドスクワット

ダンベルワイドスクワットは、内転筋群に負荷がかかるダンベルスクワットのバリエーションです。

足幅を広めにとり、つま先を外側に開いて構えるのがフォームのポイントで、膝をつま先と同じ方向に向けて行う(内またや外またにならない)ことが大切です。

内転筋群に効果的なダンベルサイドランジ

ダンベルを保持し、左右交互に大きく横に足を踏み出し元の位置に戻る動作を繰り返します。スクワット系種目全般に言えることですが、膝関節保護のためにつま先は必ず膝を曲げる方向に向けなくてはいけません。ダンベルサイドランジの場合は、やや外向きにつま先を向けるように注意してください。

また、ダンベルサイドランジは、伸ばしたほうの脚を使って身体を元の位置まで引き上げることによって内転筋群に負荷を加えますので、曲げたほうの膝を伸ばす筋力にあまり頼らず、伸ばしたほうの脚を主体にして動作を行なってください。

マシンスクワットの種類とやり方

スミスマシンスクワット

スミスマシンスクワットは、シャフトの軌道が固定されているため、ウエイトのブレを気にせず高負荷でトレーニングを行えます。

反面、軌道のズレは全て自分の腰や膝に返ってきますので、ポジションが悪いと関節に強い負担がかかります。やや前寄りに足を置くようにしてください。

ハックスクワット

ハックスクワットは後方に体重を預けて行うマシンスクワットで、大腿四頭筋に集中的な効果があります。

バーベルスクワットの種類とやり方

大腿四頭筋に効果的なバーベルスクワット

バーベルシャフトは首よりもやや下の僧帽筋に乗せ、胸を張り背中をやや反らせるように担ぎます。そこから、膝がつま先よりも前に出ないことに注意してしゃがんでいきますが、真下にしゃがむイメージではなく、椅子に座るような軌道で尻を斜め後方に突き出しながらしゃがんでいきます。

パワーリフティング競技ではボトムまでしゃがむ必要がありますが、一般的なトレーニングで行う場合は、太ももが床と並行になる深さを目安にしてください。

大腿四頭筋に効果的なバーベルフロントスクワット

バーベルフロントスクワットは身体の前面でバーベルを保持するバリエーションで、大腿四頭筋に強い負荷がかかります。

臀筋群・ハムストリングスに効果的なバーベルフロントランジ

バーベルをかついで大きく前に足を踏み出し、そこからまた元の位置に戻る動作を繰り返します。膝関節の怪我防止のため、踏み込む前足の膝はつま先より前に出さないように注意してください。

この時に、後ろにした脚に意識を集中して動作を行うと、さらに太もも裏側(臀筋群・ハムストリングス)に対する効果が向上します。

臀筋群・ハムストリングスに効果的なバーベルブルガリアンスクワット

片足を台の上などに乗せて行うバーベルブルガリアンスクワットは、数あるスクワットバリエーションのなかでも非常に強度の高い種類です。

基本的なフォームは通常のバーベルスクワットと同じですが、前にした足で重量を支えつつも、できるだけ後ろにした足を使って動作するというのがポイントです。

後ろにした足に意識を集中して動作を行うことで、太もも裏側のハムストリングスから臀筋群にかけて非常に強い負荷をかけて聞かせることができます。

内転筋群に効果的なバーベルワイドスクワット

バーベルワイドスクワットは、肩幅よりも足二つ分ほどの広い足幅で行うスクワットのバリエーションで、大腿四頭筋の外側や内ももの筋肉・内転筋群に効果的です。

つま先はやや外向きに開いて構え、膝は必ずつま先と同じ方向を向くように注意してください。

内転筋群に効果的なバーベルサイドランジ

バーベルサイドランジは、大きく足幅をとり、横方向にスライドするようにしゃがむバリエーションです。

動作のポイントは自重でのサイドランジと同様です。

テニスが強くなる総合筋トレ

テニスが強くなるための総合的な自宅筋トレ(自重トレーニング+チューブトレーニング+ダンベルトレーニング)およびジム筋トレ(バーベルトレーニング+マシントレーニング)のメニュープログラムについては、下記の記事をご参照ください。

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【テニスが強くなる筋トレ】上半身・下半身・体幹別に自宅とジムそれぞれの鍛え方

テニス筋トレを自宅で実施するための器具類

筋トレで成果を出すための最大の要素は「継続すること」です。

特に本格的な筋トレはジムに通うのが一般的ですが、仕事の兼ね合いで時間がとれず、一回休み、二回休み、結局続かなくなってしまう、というのが忙しい社会人の「筋トレが続くない」最大の理由です。

これを克服するためには、なんと言っても自宅にトレーニング器具を揃えるのが一番の方法です。

自宅にトレーニング器具を揃える場合、まず必要になるのがダンベル。トレーニングチューブとトレーニングベンチです。

トレーニングチューブに関してはすでに適切なタイプをご紹介しましたので、ここからはダンベルとベンチについて解説します。

固定式ダンベルが最適

ダンベルに関しては、プレート差し替え式のものが普及品としてよく使われますが、実際の使い勝手としては「自分が使う重量の固定式のダンベルを複数揃える」のが、差し替えの手間もなくトレーニング時間も短縮できて最適です。

また、固定式ダンベルはガチャガチャと音が出ることもないので、特にマンションなどの自宅で使用するのに向いています。

固定式ダンベルの詳細

インクランベンチが最適

トレーニングベンチにはフラットベンチと背もたれの角度が変えられるインクラインベントとがありますが、実施できるトレーニング種目の種類を考慮すると、やはりインクラインベンチがおすすめです。

また、普及品は強度不足のものが少なくありませんが、強度を見分ける簡単な方法が「器具重量」で、これは使用している鋼材の厚み(頑丈さ)が表れるからです。

しっかりとトレーニングをしていくのならば、器具重量が20~30kg前後はあるグラつかない剛健なトレーニングベンチをチョイスしましょう。

インクラインベンチの詳細

コンボラックまたはパワーラック

さらに本格的な自宅トレーニングを行うのであれば、バーベルセットとラック類が必要になってきます。

コンボラックはベンチを取り外すことでベンチプレス・デッドリフト・スクワットなど基本的なバーベルトレーニングが全て実施でき、なおかつパワーラックよりもコンパクトであるという利点を持っています。

パワーラックは、それなりの空間を必要としますが、ほぼ全てのバーベルトレーニングを実施できるのが最大の魅力です。また、高重量トレーニングでの安定性もコンボラックよりも高いのがメリットです。

このほかにも、やや占有空間が節約できるハーフラックと呼ばれるタイプもあります。詳しくは、下記のリンク先の一覧をご参照ください。

ラック類の一覧を見る

また、これらのラック類に備えつけるバーベルは、単品で買い揃えるよりも、下記のようなセットになったものがはるかにリーズナブルです。

バーベルセットの詳細

本格的にトレーニングするなら

本格的にトレーニングをするのなら、ダンベル・マシンからバーベルまで国内トップレベルで設備が充実し、初心者から上級者まで対応の、ONIプロデュースの本格24時間ジム「ONI GYM 24」がおすすめです。

ONIGYM24大阪のご紹介

ONIGYM24東京のご紹介

筋トレをしたら食事もしっかりと

最後に、筋トレと切っても切れない関係にある食事と栄養を補う食品に関する詳細な記事群をご紹介します。どれだけ筋トレを頑張っても、栄養補給がおろそかになれば、ほとんど筋トレの成果はえられません。

具体的には、筋トレでダメージを受けた筋肉を超回復させる原料となるタンパク質(肉・魚・乳製品・大豆製品など)を多く摂る必要があります。

また、まずは食事管理をしっかりと行うことが、トレーニングと同じくらい大切です。

詳しくは、下記の記事をご参照ください。

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