[ナイアシン(ビタミンB3)の1日の摂取基準量]作用・働きと筋トレやダイエットとの関わり

[ナイアシン(ビタミンB3)の1日の摂取基準量]作用・働きと筋トレやダイエットとの関わり

ナイアシン(ビタミンB3)の1日あたりの摂取基準量とその作用・働き、および筋力トレーニングやダイエットにおける関わりについて解説します。

ナイアシンとはどんな物質?

ナイアシン (Niacin) は、ニコチン酸とニコチン酸アミド(ナイアシンアミド)の総称で、ビタミンB3 ともいう。水溶性ビタミンのビタミンB複合体のひとつ。物質としては安定している。糖質・脂質・タンパク質の代謝に不可欠である。エネルギー代謝中の酸化還元酵素の補酵素として重要である。循環系、消化系、神経系の働きを促進するなどの働きがある。通常の食生活では欠乏しにくいが、トウモロコシが主食の生活圏では欠乏することがあり、ペラグラ、皮膚炎、口内炎、神経炎や下痢などの症状を生じる。過剰症では紅潮などナイアシンフラッシュを生じる。

引用:Wikipedia「ナイアシン」



ビタミンとは?

ビタミンとは、生命を維持するのに必要な物質のうち、タンパク質・炭水化物・脂質以外の有機化合物のことです。

ビタミンには、ビタミンA・ビタミンB群(1・2・3・5・6・7・9・12)・ビタミンC・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンKがあり、日本では厚生労働省がその摂取基準を定めています。

ナイアシンの作用と働き

ナイアシンはビタミンB3とも呼ばれる水溶性ビタミンで、ニコチン酸およびニコチンアミドの総称です。

ビタミンB3は体内でピリジンヌクレオチドに生合成された後、補酵素としてタンパク質・脂質・炭水化物(いわゆるPFC)の代謝に関与します。

また、ステロイドホルモンの生合成・アデノシン三リン酸(ATP)の生産、デオキシリボ核酸(DNA)の修復および合成といった各種反応に深く関与しています。

ナイアシンは、以下のような作用・働きを持ちます。

①タンパク質・脂質・炭水化物の代謝の補酵素

②脂肪酸の生合成に関与

③ステロイドホルモンの生合成に関与

④ATP生産に関与

⑤DNA修復・合成に関与

ナイアシンの不足と過剰摂取

ナイアシンが不足すると?

ナイアシンが不足するとペラグラという症状を引き起こすことが知られており、具体的には皮膚炎・口内炎・神経炎や下痢などです。

ナイアシンを過剰摂取すると?

ナイアシンを過剰に摂取すると、紅潮や脱力感などの症状がある「ナイアシンフラッシュ」という状態になることが知られていますが、ナイアシンは水溶性で排出が速いため、重篤な状況にはならないとされています。

ナイアシンとトレーニング

ナイアシンはPFC(タンパク質・脂質・炭水化物)の代謝の補酵素として働くだけでなく、タンパク同化に関わるホルモンの生合成にも深く関与しているので、筋力トレーニングにとって重要なビタミンであると言えるでしょう。

ナイアシンフラッシュを避け、適正量を摂取することが推奨されます。

ナイアシンが多く含まれる食品

①カツオ

カツオ100gあたりのビタミン・ミネラル

ビタミンA 20μg

ビタミンD 9μg

ビタミンE 0.1mg

ビタミンB1 0.1mg

ビタミンB2 0.17mg

ナイアシン 18mg

ビタミンB6 0.77mg

ビタミンB12 8.6μg

葉酸 4μg

パントテン酸 0.62mg

ビオチン 5.7μg

ナトリウム 38mg

カリウム 380mg

カルシウム 8mg

マグネシウム 38mg

リン 260mg

鉄 1.9mg

亜鉛 0.9mg

銅 0.1mg

マンガン 0.02mg

ヨウ素 25μg

セレン 100μg

カツオのカロリー・栄養素

②タラ

タラ100gあたりのビタミン・ミネラル

ビタミンA 9μg

ビタミンD 1μg

ビタミンE 0.8mg

ビタミンB1 0.1mg

ビタミンB2 0.1mg

ナイアシン 1.4mg

ビタミンB6 0.07mg

ビタミンB12 1.3μg

葉酸 5μg

パントテン酸 0.44mg

ビオチン 2.5μg

ナトリウム 110mg

カリウム 350mg

カルシウム 32mg

マグネシウム 24mg

リン 230mg

鉄 0.2mg

亜鉛 0.5mg

銅 0.04mg

マンガン 0.01mg

ヨウ素 350μg

セレン 31μg

タラのカロリー・栄養素

タラのカロリー・栄養素

③煮干し

煮干し100gあたりのビタミン・ミネラル

ビタミンD 18μg

ビタミンE 0.9mg

ビタミンB1 0.1mg

ビタミンB2 0.1mg

ナイアシン 16.5mg

ビタミンB6 0.28mg

ビタミンB12 41.3μg

葉酸 74μg

パントテン酸 1.81mg

ナトリウム 1700mg

カリウム 1200mg

カルシウム 2200mg

マグネシウム 230mg

リン 1500mg

鉄 18mg

亜鉛 7.2mg

銅 0.39mg

煮干しのカロリー・栄養素



※数値は「食品成分データベース(文部科学省)」を参照しています。

ナイアシンの1日の摂取基準量

ナイアシンはアミノ酸であるトリプトファンからも体内生合成されるため、ニコチン酸とニコチンアミドだけでなくトリプトファン含有量も考慮した「ナイアシン当量(mgNE)」という数値であらわされます。

なお、ナイアシン当量の計算式は以下のとおりです。

ナイアシン当量(mgNE)=ナイアシン(mg)+1/60 トリプトファン(mg)

「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によれば、ナイアシンの1日あたりの摂取基準量(推奨量)は成人男性で約14~15mgNE、成人女性で約11~12mgNEとされています。

引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」



必須ミネラル・ビタミンの個別解説記事の一覧

必須ミネラル

カリウムカルシウムナトリウムマグネシウムリン亜鉛ヨウ素マンガンセレンクロムモリブデン

必須ビタミン

ビタミンAビタミンB1ビタミンB2ビタミンB3(ナイアシン)ビタミンB5(パントテン酸)ビタミンB6ビタミンB7(ビオチン)ビタミンB9(葉酸)ビタミンB12ビタミンCビタミンDビタミンEビタミンK







トレーニングに有効なタンパク質食材



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▼具体的なタンパク質食材例

筋力トレーニングに有効な肉類・魚介類


食事・栄養に関する記事

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筋力トレーニングと栄養補助食品



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