ビタミンKの1日あたりの摂取基準量とその作用・働き、および筋力トレーニングやダイエットにおける関わりについて解説します。
目次
ビタミンKとはどんな物質?
ビタミンK (Vitamin K) は、脂溶性ビタミンの一種である。ビタミンK依存性タンパク質の活性化に必須であり、動物体内で血液の凝固や組織の石灰化に関わっている。したがって欠乏すると出血傾向となり、また骨粗鬆症や動脈硬化に関連していると考えられている。
ビタミンKにはK1からK5の5種類が知られている。
ビタミンとは?
ビタミンとは、生命を維持するのに必要な物質のうち、タンパク質・炭水化物・脂質以外の有機化合物のことです。
ビタミンには、ビタミンA・ビタミンB群(1・2・3・5・6・7・9・12)・ビタミンC・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンKがあり、日本では厚生労働省がその摂取基準を定めています。
ビタミンKの作用と働き
ビタミンKには数多くの種類がありますが、天然にあるものはビタミンK1とビタミンK2です。このなかでも、人間にとって生理活性が高いのはビタミンK2とされています。
ビタミンK1(フィロキノン)は植物の葉緑素で生産されます。
ビタミンK2(メナキノン類)は微生物によって生産されます。
ビタミンKは、以下のような作用・働きを持ちます。
①血液凝固に関与
②骨の形成を促す
③動脈の石灰化を抑制する
ビタミンKの不足と過剰摂取
ビタミンKが不足すると?
ビタミンKが不足すると、血が止まらなくなる症状が引き起こされます。また、重篤な場合は消化管出血にもつながるとされています。
ビタミンKを過剰摂取すると?
ビタミンKの過剰摂取による悪影響は知られていません。
ビタミンKとトレーニング
ビタミンKは、筋力トレーニングの対象となる骨格筋の基盤である骨の形成に関わるビタミンですので、不足しないようにすることが大切です。
ビタミンKが多く含まれる食品
①あおさ(海藻類)
ビタミンK1は「あおさ|ヒトエグサ」に代表される海藻類に多く含まれています。
アオサは、アオサ目アオサ科アオサ属に属する緑藻の総称ですが、一般的に「あおさのり」と呼ばれるものはアオノリ属を除くアオサ属です。現在、食用としては代用種であるヒビミドロ目ヒトエグサ科ヒトエグサ属に属するヒトエグサが多く用いられています。
スポーツ・トレーニング・フィトネス分野などでもアオサに含まれる有効成分は着目されています。
▼引用記事
あおさ100gあたりのビタミン・ミネラル
ビタミンA 220μg
ビタミンE 1.1mg
ビタミンK 5μg
ビタミンB1 0.07mg
ビタミンB2 0.48mg
ナイアシン 10mg
ビタミンB6 0.09mg
ビタミンB12 1.3μg
葉酸 180μg
パントテン酸 0.44mg
ビタミンC 10mg
ナトリウム 3900mg
カリウム 3200mg
カルシウム 490mg
マグネシウム 3200mg
リン 160mg
鉄 5.3mg
亜鉛 1.2mg
銅 0.8mg
マンガン 17mg
※数値は「食品成分データベース(文部科学省)」を参照しています。
②発酵食品(納豆など)
ビタミンK2は微生物の含まれる発酵食品(納豆など)に多く含まれます。
ビタミンKの1日の摂取基準量
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によれば、、ビタミンKの1日あたりの摂取基準量(推奨量)は成人男性で約150μg、成人女性で約150μgとされています。
必須ミネラル・ビタミンの個別解説記事の一覧
必須ミネラル
カリウム|カルシウム|ナトリウム|マグネシウム|リン|鉄|亜鉛|銅|ヨウ素|マンガン|セレン|クロム|モリブデン
必須ビタミン
ビタミンA|ビタミンB1|ビタミンB2|ビタミンB3(ナイアシン)|ビタミンB5(パントテン酸)|ビタミンB6|ビタミンB7(ビオチン)|ビタミンB9(葉酸)|ビタミンB12|ビタミンC|ビタミンD|ビタミンE|ビタミンK
トレーニングに有効なタンパク質食材
筋力トレーニング後の食材として欠かせないのが高タンパク質・低カロリーな肉類・魚介類です。
そして、常にトレーニングに有効な食事を摂取するためには、日によって品質にばらつきのないよう、あらかじめ品質を確認した食材を冷凍ストックしておくといった工夫が有効的です。
▼具体的なタンパク質食材例
食事・栄養に関する記事
筋力トレーニングと食事・栄養に関する情報については、下記の記事をご参照ください。