※強化指定選手時の実際の身体つき
空手・キックボクシング・テコンドーなど打撃格闘技が強くなる筋トレについて、2021年・2022年・五輪種目テコンドー強化指定選手(全日本選手権メダリスト)とそのフィジカルトレーナーが共著で解説します。
目次
この記事の執筆者
上岡颯
テコンドー主戦績
2020・2021年|全日本テコンドー選手権準優勝など
2021・2022年|強化指定選手
上岡岳
上岡颯選手の父・フィジカルトレーナー
アームレスリング主戦績
2011アジア選手権マスターズ90kg級3位など
空手など打撃格闘技に筋トレは必要か?
「武道に筋トレなど必要ない」というのは、今は昔の昭和・平成の頃の古い考えで、武道を含めた打撃格闘技の競技能力向上に筋トレが必須であることは今では常識です。
この動画は、筆者(上岡颯)がジュニア(高校生)時代の主な試合をまとめたもので、高校1年生から高校3年生になるにつれ、筋トレの継続効果によって徐々にスピード・パワーが向上し、一般(大人の部)においても打ち負けないようになっていく過程がお分かりいただけると思います。
まずは、ご覧ください。
また、こちらの動画は筆者が全日本テコンドー選手権で初のメダル奪取をする直前に行われた全日本学生選手権(インカレ)の動画ですが、高校生時代よりもさらに筋力が向上し、動作が安定し、パワーとスピードが格段に上昇しているのがお分かりいただけると思います。これは、もちろん競技練習だけではなく、それと並行して行ってきた筋力トレーニングの成果です。
このように、打撃格闘技において筋トレは必須課題とも言えますが、実際に行ってきた打撃格闘技に最適な筋トレのメニュー方法をご紹介します。
空手など打撃格闘技に必要な筋肉
打撃格闘技の突き(パンチ)と蹴り(キック)はいずれも力の初動は軸足の踏み込みです。
そして、その力を下半身で増幅しながら体幹に伝え、さらに体幹を捻って加速させ、ロスなく打撃点である末端(拳や脛)に伝えます。
この力の連動ができていないと、いわゆる「手打ち」「足打ち」という手足だけでの打撃となり、ほとんど効果のない攻撃になってしまいます。
ですので、空手など打撃格闘技で優先的に鍛えるのは、これら連動に関わり打撃の原動力となる下半身~体幹の筋肉、関節においてその力をロスしないためにフォームを支えるインナーマッスル、最終打撃力を加速するための四肢の筋肉になります。
これらをまとめたものが上図で、これらの筋肉を下半身から上半身に向けて一覧にすると以下のようになります。
下半身の筋肉
大腿四頭筋(太もも前側の筋肉)
ハムストリングス(太もも後側の筋肉)
下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)
体幹の筋肉
腹斜筋(腹の筋肉)
回旋筋(背骨の筋肉)
腸腰筋群(股関節の筋肉)
上半身の筋肉
大胸筋(胸の筋肉)
広背筋(背中の筋肉)
上腕三頭筋(腕の筋肉)
前腕筋群(腕の筋肉)
回旋筋腱板(肩の筋肉)
なお、それぞれの筋肉の打撃格闘技における働きについては、下記の記事をご参照ください。
▼関連記事
空手など打撃格闘技に必要な筋肉|部位ごとの働き(役割)も解説
それでは、次の項目からは重要度の高い順に具体的な筋トレのやり方をご紹介していきます。
筋トレの呼吸法|筋トレの頻度|筋トレの順番|筋トレの回数設定|筋肉の名前と作用|筋肉の超回復期間|筋トレの食事例|筋トレの栄養学|男性の筋トレメニュー|女性の筋トレメニュー
打撃力の要「体幹インナーマッスル」の筋トレ
こちらの動画は、筆者がジュニア選手時代の体幹トレーニングの様子です。ジュニアに限らず、一般(大学生以上)になってからも同様のトレーニングを行ってきています。
鍛える対象となっているのは、回旋筋(脊柱起立筋の協働筋)、腹斜筋(腹筋群の一つ)、腸腰筋群(股関節の筋肉)です。
回旋筋は上体反らしとも呼ばれるハイパーバックエクステンションをウエイトを持って実施しています。
腹筋群と腸腰筋群に対しては、爪先にウエイトを挟んで行うレッグレイズおよび変形のドラゴンフラッグを実施しています。
ピラミッドセット法|ドロップセット法|アセンディングセット法|ディセンディングセット法|フォースドレップ法|レストポーズ法|パーシャルレップ法|チーティング法|スーパーセット法|コンパウンドセット法|トライセット法|ジャイアントセット法|予備疲労法|部位分割法
下半身の土台「下腿三頭筋」の筋トレ
地面に設置する「足」を制御する筋肉であり、打撃時の初動となる「踏み込み」を生み、また、腰を捻る際にも「軸足の返し」に使われる、打撃格闘技における土台とも言える筋肉は下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)です。
下腿三頭筋は日常での使用頻度がもっとも高い筋肉で、このためトレーニングの負荷に対して高い負荷耐性=筋トレが効きにくいという特徴を持っています。
このため、ふくらはぎを強化するためには「ショックメソッド」と呼ばれる爆発的負荷が下腿三頭筋に加わるトレーニングを行う必要があります。
具体的にはジャンプ系トレーニングがそれにあたりますが、動画の方法はJOC強化指定選手の強化合宿で実際に行われ、筆者もジュニア時代から継続して行ってきたトレーニング方法です。
その具体的なメニュープログラムは下記の通りです。
①両足つま先ジャンプ(60秒)
インターバル(30秒)
②右足つま先ジャンプ(60秒)
インターバル(30秒)
③左足つま先ジャンプ(60秒)
インターバル(30秒)
④開脚つま先ジャンプ(60秒)
インターバル(30秒)
⑤前もも上げつま先ジャンプ(60秒)
インターバル(30秒)
⑥後ろもも上げつま先ジャンプ(60秒)
インターバル(30秒)
⑦左右もも上げつま先ジャンプ(60秒)
インターバル(30秒)
⑧前後ステップ移動つま先ジャンプ(60秒)
インターバル(30秒)
⑨左右ステップ移動つま先ジャンプ(60秒)
インターバル(30秒)
⑩足上げ片足静止(左右30秒ずつ)
インターバル(30秒)
⑪右蹴りモーションジャンプ移動(6種類×20秒)
インターバル(30秒)
⑫左蹴りモーションジャンプ移動(6種類×20秒)
インターバル(30秒)
⑬高速連続蹴り動作(60秒で150回を目標)
非常に強度の高いトレーニングですので、最初は各ジャンプ20秒くらいから始めるとよいでしょう。
次に、強い突き(パンチ)を放つために欠かせない、回旋筋腱板(ローテーターカフ)と前腕筋群の筋トレ方法・トレーニング器具について解説します。
回旋筋腱板(ローテーターカフ)の筋トレ
回旋筋腱板(ローテーターカフ)が弱いと、下半身で生まれ体幹で加速されたパワーが肩関節でロスしてしまうだけでなく、突き(パンチ)が当たった瞬間に上腕がブレてしまい、最終打撃「打ち抜く力」が加えられないため、非常に重要なトレーニング対象です。
回旋筋腱板(ローテーターカフ)はローテーション系種目で鍛えますが、漸増負荷特性(伸びるほど負荷が高まる特性)を持ち、常にテンションがかかり続けるトレーニングチューブでの実施が最適です。
インターナルローテーション
インターナルローテーションはローテーターカフのなかでも、唯一肩甲骨前面に位置する肩甲下筋に高い効果のあるトレーニング種目です。
反動を使うと、大胸筋や三角筋といった表層の筋肉に負荷が逃げてしまいますので、しっかりと肘の位置を固定し、肩関節の回旋だけで動作を行ってください。
また、ダンベルを使ってインターナルローテーションを行うこともできますが、やはりチューブで行うほうが動作している感覚を得やすくおすすめです。
エクスターナルローテーション
エクスターナルローテーションはローテーターカフ(回旋筋腱板)のなかでも肩甲骨背面に位置する棘上筋・棘下筋・小円筋に効果のあるチューブトレーニングです。
反動を使うと、僧帽筋や広背筋などの背面の表層筋に刺激が逃げてしまいますので、しっかりと肘を固定するのがポイントです。
エクスターナルローテーションもダンベルで行うことが可能ですが、こちらもトレーニングチューブで行うことを推奨します。
テニスのための筋トレをスタートするのに便利なのが、このような強度の違うものがセットになったトレーニングチューブです。
写真のタイプは、筆者の運営するジムで実際に使っており、筆者運営ショップが品質確認輸入をしているMYDAYSトレーニングチューブです。
たいへん頑丈な作りをしているだけではなく、後述の各種前腕トレーニングアタッチメントが取り付けられる大型カラビナフックを標準装備しています。
▼このトレーニングチューブを見てみる
【品質確認済み輸入】トレーニングチューブセット(マズレンコ製作所日本正規輸入代理店)
▼関連記事
【当ジムおすすめトレーニングチューブ】単品で揃えるよりセット購入がお得
肩関節・肩甲骨周辺のインナーマッスルである回旋筋腱板(ローテーターカフ)および大円筋のトレーニング方法については、下記の記事もあわせてご参照ください。
▼関連記事
【肩関節・肩甲骨周辺の体幹トレーニング】腕の振りを飛躍的に強くするメニュー
前腕筋群の筋トレ
前腕筋群には多くの動作作用がありますが、なかでも、打撃格闘技においては外転(橈屈)・内転(尺屈)・回内・回外の力が「打撃を押し込む」ために重要で、それぞれに鍛え方が異なります。また、特殊な動作であるため、前腕専用に開発された器具類の使用が有効的です。
なお、突き技ごとに要求される前腕の筋力は以下の通りです。
正拳突き(ストレート):外転(橈屈)
縦拳突き(ストレート):内転(尺屈)
上段鉤突き(フック):回内
中段鉤突き(ボディーブロー):回外
この筋肉が弱いと、せっかくの突き(パンチ)の打撃が半減するだけでなく、手首を痛める原因にもなるので最優先で鍛えたい筋肉です。
リストハンマー系種目|外転(橈屈)・内転(尺屈)
手首の橈屈・尺屈方向の筋力を鍛えるための種目がリストハンマー系種目です。チューブリストハンマー・ダンベルリストハンマー・ケーブルマシンリストハンマーなどの方法があります。
ウエイトを持ち上げている時に橈屈の筋力が、重さに耐えながらゆっくりとウエイトを下ろす時に尺屈の筋力が鍛えられます。
こちらのようなバーチカルバーは、リストハンマー専用のシャフトで、効果的に負荷を加えられるようにシャフトが曲げられた構造をしています。
リストローテーション系種目|回内・回外
手首を回旋させる筋力を鍛えるための種目がリストローテーション系種目です。
細かくは、回内運動をプローネーション種目、回外運動をスピネーション種目と言います。
チューブリストローテーション・ダンベルリストローテーション・ケーブルマシンリストローテーションなどの方法があります。
リストスピネーションやリストプロネーションを効果的にするための専用器具には以下のようなものがあり、トレーニングチューブやケーブルマシンに取り付けて使用します。
プロネーションハンドル(回内運動)
ローテーションハンドル(回外運動)
これらは、もともと「前腕のスポーツ」と呼ばれるアームレスリング用に開発されたトレーニング器具ですが、前腕トレーニングの専門競技で開発されただけあり、他のスポーツの前腕トレーニングにもとても有効です。
なお、トレーニングチューブやケーブルマシン以外にも、このようなウエイトローディングツリーを使用すれば、ダンベルプレートを取り付けて使用することも可能です。
ここまでは、打撃格闘技に特化した特殊な筋トレをご紹介しましたが、もちろんこれらの筋肉だけでなく、他の筋肉を鍛えて全身の基礎筋力を向上させていくことも大切です。
次の項目からは、打撃格闘技向けの具体的なトレーニングプログラムについて解説していきます。
全身を3つのグループに分けて基礎筋力を鍛える
一般的なウエイトトレーニングでは、全身の筋肉をその作用と連動性から3つのグループに分けて鍛えていくのが通常ですが、空手など打撃格闘技のための筋トレにおいても、これは例外ではありません。
●上半身の押す筋肉(大胸筋・三角筋・上腕三頭筋)
上半身の押す動作を行う作用を持つのが、大胸筋・三角筋・上腕三頭筋の三つの筋肉です。腕立て伏せやダンベルプレスなど、押す動作のトレーニングで強化することが可能です。
●上半身の引く筋肉(僧帽筋・広背筋・上腕二頭筋)
上半身の引く動作を行う作用を持つのが、僧帽筋・広背筋・上腕二頭筋の三つの筋肉です。懸垂系やダンベルデッドリフトなど、引く動作の筋トレで鍛えることが可能です。
●下半身の筋肉(大腿四頭筋・ハムストリングス)
下半身の筋肉の中でも、太もも前面の大腿四頭筋と太もも後面のハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)は、競技能力向上に大きく関わる筋肉です。スクワットやダンベルスクワットで鍛えることができます。
筋トレは週2回の部位分割法で
筋トレの組み方のなかでも、一日で全身を鍛えるのではなく、筋肉を部位に分けて週数回ずつローテーションで鍛えていく「部位分割法」は、鍛えた筋肉の休息・回復期間が十分にとれるため、より効率的に筋肉を強くしていくことができます。
パワースポーツなどでは筋トレの重要度が高いため、週3・4回の部位分割で鍛えていきますが、打撃格闘技の場合は技術練習もありますので、週2回のトレーニングが適切でしょう。
具体的には、以下のように筋肉の部位分けをして鍛えていきます。
①週1回目(上半身の筋肉+体幹の筋肉)
週1回目のトレーニングでは上半身の押す筋肉(大胸筋など)+体幹前面(腹筋群)、上半身の引く筋肉(広背筋など)+体幹後面(脊柱起立筋)を鍛えていきます。
具体的には以下のようになります。トレーニング種目の順番や反復回数は最適に組んでありますので、そのまま実施していただくことをおすすめします。
1.上半身の引く筋肉の筋トレ(15回を3~5セット)
懸垂または斜め懸垂・チューブラットプルまたはチューブローイング・ダンベルデッドリフトまたはダンベルローイング・バーベルデッドリフトまたはバーベルベントオーバーロー・ケーブルラットプルダウンまたはケーブルローイング
まずは、これらの種目を行ってください。
2.上半身の押す筋肉の筋トレ(15回を3~5セット)
腕立て伏せ・チューブチェストプレス・ダンベルプレス・バーベルベンチプレス・マシンチェストプレス
次に、これらの種目を行ってください。
3.脊柱起立筋の筋トレ(20回を2~3セット)
バックエクステンション・チューブバックエクステンションまたはチューブグッドモーニング・ダンベルグッドモーニング・バーベルグッドモーニング
続いて、これらの種目を行ってください。
4.腹筋群の筋トレ(20回を2~3セット)
四の字クランチ・チューブアブツイスト・ダンベルトゥタッチクランチ・ダンベルツイスト・ダンベルロシアンツイスト
最後に、これらの種目を行います。
5.回旋筋腱板と前腕筋群のトレーニング(各20回を2~3セット)
仕上げとして、前述した回旋筋腱板と前腕筋群の特殊トレーニングを行って1日目のトレーニングプログラムは終了です。
②週2回目(下半身の筋肉)
1.下半身全体の筋トレ(15回を3~5セット)
スクワット・チューブスクワットまたはチューブレッグプレス・ダンベルスクワット・バーベルスクワット・マシンレッグプレス
まずは、これらの種目を行ってください。
2.大腿四頭筋の筋トレ(15回を3~5セット)
シシースクワット・チューブレッグエクステンション・ダンベルレッグエクステンション・マシンレッグエクステンション
次に、これらの種目を行ってください。
3.ハムストリングスの筋トレ(15回を3~5セット)
ブルガリアンスクワット・チューブレッグカール・ダンベルレッグカール・バーベルフロントランジ・マシンレッグカール
最後に、これらの種目を行います。
4.下腿三頭筋のトレーニング(1セット)
仕上げとして、前述した下腿三頭筋のジャンプトレーニングを行って2日目のトレーニングプログラムは終了です。
次の項目では、筋トレに慣れていない方がトレーニングの導入期に行うべき基礎的で軽めの体幹トレーニング種目、そして基礎的な筋トレ種目のやり方を解説します。
空手など打撃格闘技のための基礎体幹トレーニング
フロントプランク
自重トレーニング以前の基本=基礎体力向上として行いたいのが体幹トレーニングですが、フロントプランクは体幹前面全体に効果の高い方法です。背すじを真っ直ぐ伸ばし、まずは30秒停止から始め、最終的には2分停止ができることを目指して行ってください。
サイドプランク
体幹側面に効果の高いトレーニング方法がサイドプランクです。こちらも、まずは30秒停止から始め、最終的には2分停止ができることを目指して行ってください。
アームレッグクロスレイズ
体幹背面全体に効果の高い体幹トレーニングがアームレッグクロスレイズです。必要以上に手足を上げず、水平位置で10秒停止を行い、左右あわせて20回の反復を目標に行ってください。
基本筋トレの解説
腕立て伏せ
自宅で簡単に上半身の押す筋肉グループを鍛える、代表的な筋トレメニューが腕立て伏せです。手幅は肩幅よりもやや広く置き、背すじを真っ直ぐにして行うことがポイントです。
斜め懸垂
懸垂は上半身の引く筋肉グループに対して非常に高い効果のあるトレーニング方法ですが、懸垂を筋トレとして適切な回数=10回前後できる人は少ないものです。ですので、一般的には、懸垂よりはやや強度の低い「斜め懸垂」がおすすめです。特別な器具がなくても、テーブルの下に仰向けに潜り、テーブルの縁を持って行うこともできます。
自重スクワット
下半身を総合的に鍛えることができ、「キングオブトレーニング」とも言われる種目がスクワットです。スクワットは簡単なようで、正しく効果的なフォームは意外と難しいので図説で解説します。
この図は、スクワットの正しいフォームを模式的にあらわしたものですが、そのポイントは以下の通りです。
・胸を張る
・背中を反らせる
・お尻をつきだす
・膝をつま先より前に出さない
・やや上を見る
・斜め後ろにしゃがむ
これらのことを意識して行えば、正しいスクワットのフォームになりますが、さらにわかりやすく一言であらわせば、「椅子に座って立つ動作」ということもできます。
ダンベルプレス
大胸筋上半身の押す筋肉のダンベルトレーニングのメインとなるのがダンベルプレスです。肩甲骨をしっかりと寄せて動作を行うことがポイントです。なお、ベンチ類がない場合は、床で行っても一定の効果はありますが、可動範囲が狭くなる分、効果は低めになります。
ダンベルデッドリフト
ダンベルショルデッドリフトは僧帽筋や広背筋中央部だけでなく、脊柱起立筋にも効果の高い総合的なダンベル背筋トレーニングです。腰を丸めて動作をすると高い確率で腰痛を引き起こしますので十分に注意をし、必ず胸を張って背中をそらせるようにしてください。
ダンベルスクワット
ダンベルスクワットは、下半身トレーニングの基本となる種目です。図のように両手にダンベルを保持するほか、ダンベル一つを胸の前で保持するやり方もあります。
バーベルベンチプレス
バーベルベンチプレスは「筋トレBIG3」のうちの1種目で、大胸筋・三角筋・上腕三頭筋に効果があります。お尻を浮かせないように気をつけ、肩甲骨をしっかりと寄せた状態で行ってください。
バーベルデッドリフト
バーベルデッドリフトは「筋トレBIG3」のうちの1種目で、広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋に効果があります。デッドリフトはやや難易度の高い種目ですが効果は高く、その動作ポイントは胸を張ること、尻を突き出すこと、背中は真っ直ぐかやや反らせること、膝がつま先より前に出ないこと、上を見ることです。
バーベルスクワット
バーベルスクワットは「筋トレBIG3」のうちの1種目で、下半身全体に非常に効果が高く「キングオブトレーニング」とも呼ばれています。「胸を張り」「お尻を突きだし」「膝をつま先より前に出さない」ことが動作のポイントになります。
マシンチェストフライ
マシンチェストプレスは、手が肩より上になると肩関節に負担がかかり、怪我や故障の原因になりますので注意が必要です。また、戻す時にもしっかりと効かせるのがポイントです。
ケーブルローイング
僧帽筋や広背筋中央部に対して効果的なケーブルトレーニング種目が、ケーブルローイングです。上体を倒しすぎず引くことと、引ききった時に顎を上げて肩甲骨を寄せるのが効果を高めるコツです。
レッグプレス
ジムでマシンを使って下半身を鍛えるのにおすすめなのがレッグプレスです。マシンを押す時に、つま先ではなくかかとで押すようにすることが大切なポイントです。
筋トレを自宅で実施するための器具類
筋トレで成果を出すための最大の要素は「継続すること」です。
特に本格的な筋トレはジムに通うのが一般的ですが、仕事の兼ね合いで時間がとれず、一回休み、二回休み、結局続かなくなってしまう、というのが忙しい社会人の「筋トレが続くない」最大の理由です。
これを克服するためには、なんと言っても自宅にトレーニング器具を揃えるのが一番の方法です。
自宅にトレーニング器具を揃える場合、まず必要になるのがダンベル。トレーニングチューブとトレーニングベンチです。
トレーニングチューブに関してはすでに適切なタイプをご紹介しましたので、ここからはダンベルとベンチについて解説します。
固定式ダンベルが最適
ダンベルに関しては、プレート差し替え式のものが普及品としてよく使われますが、実際の使い勝手としては「自分が使う重量の固定式のダンベルを複数揃える」のが、差し替えの手間もなくトレーニング時間も短縮できて最適です。
また、固定式ダンベルはガチャガチャと音が出ることもないので、特にマンションなどの自宅で使用するのに向いています。
インクランベンチが最適
トレーニングベンチにはフラットベンチと背もたれの角度が変えられるインクラインベントとがありますが、実施できるトレーニング種目の種類を考慮すると、やはりインクラインベンチがおすすめです。
また、普及品は強度不足のものが少なくありませんが、強度を見分ける簡単な方法が「器具重量」で、これは使用している鋼材の厚み(頑丈さ)が表れるからです。
しっかりとトレーニングをしていくのならば、器具重量が20~30kg前後はあるグラつかない剛健なトレーニングベンチをチョイスしましょう。
コンボラックまたはパワーラック
さらに本格的な自宅トレーニングを行うのであれば、バーベルセットとラック類が必要になってきます。
コンボラックはベンチを取り外すことでベンチプレス・デッドリフト・スクワットなど基本的なバーベルトレーニングが全て実施でき、なおかつパワーラックよりもコンパクトであるという利点を持っています。
パワーラックは、それなりの空間を必要としますが、ほぼ全てのバーベルトレーニングを実施できるのが最大の魅力です。また、高重量トレーニングでの安定性もコンボラックよりも高いのがメリットです。
このほかにも、やや占有空間が節約できるハーフラックと呼ばれるタイプもあります。詳しくは、下記のリンク先の一覧をご参照ください。
また、これらのラック類に備えつけるバーベルは、単品で買い揃えるよりも、下記のようなセットになったものがはるかにリーズナブルです。
本格的にトレーニングするなら
本格的にトレーニングをするのなら、ダンベル・マシンからバーベルまで国内トップレベルで設備が充実し、初心者から上級者まで対応の、ONIプロデュースの本格24時間ジム「ONI GYM 24」がおすすめです。
ハイキックの種類と蹴り方
▼関連記事
ハイキックの蹴り方|上段回し蹴り・後ろ回し蹴り・かかと落としのやり方を強化指定選手が解説
強化指定選手による打撃格闘技の基本理論集
五輪種目テコンドーの強化指定選手である上岡颯による、打撃格闘技の基本理論は下記のページをご参照ください。
筋トレをしたら食事もしっかりと
最後に、筋トレと切っても切れない関係にある食事と栄養を補う食品に関する詳細な記事群をご紹介します。どれだけ筋トレを頑張っても、栄養補給がおろそかになれば、ほとんど筋トレの成果はえられません。
具体的には、筋トレでダメージを受けた筋肉を超回復させる原料となるタンパク質(肉・魚・乳製品・大豆製品など)を多く摂る必要があります。
また、まずは食事管理をしっかりと行うことが、トレーニングと同じくらい大切です。
詳しくは、下記の記事をご参照ください。
▼関連記事
【目的別筋トレ食事メニュー例】増量期・減量期の食品と具体的レシピを紹介
筋トレの食事メニュー例
筋肉の名称と作用の図鑑
男性向きの記事|女性向きの記事
自宅での筋トレ|自宅での筋トレ
自重での筋トレ|自重での筋トレ
チューブ筋トレ|チューブ筋トレ
ダンベル筋トレ|ダンベル筋トレ
マシーン筋トレ|マシーン筋トレ
バーベル筋トレ|バーベル筋トレ
大胸筋の筋トレ|大胸筋の筋トレ
背筋群の筋トレ|背筋群の筋トレ
三角筋の筋トレ|三角筋の筋トレ
三頭筋の筋トレ|三頭筋の筋トレ
二頭筋の筋トレ|二頭筋の筋トレ
腹筋群の筋トレ|腹筋群の筋トレ
下半身の筋トレ|下半身の筋トレ
筋トレ情報トップページへ戻る
おすすめの筋トレグッズ
押す筋トレにはリストラップを
上半身の押す筋トレにぜひとも使用したいのが手首を保護するリストラップと呼ばれる筋トレグッズです。多くの初心者は、まだ手首を保持する力が弱く、腕立て伏せなども先に手首が痛くなってしまい完遂できないケースが少なくありません。リストラップを使えば、最後まで筋肉を追い込むことができ、とても効率的に身体を鍛えていくことが可能です。
▼おすすめのリストラップ
おすすめリストラップを見る
▼リストラップとは?解説記事
【おすすめのリストラップ】初心者むけに使いやすい長さやリストストラップとの違いも解説
引く筋トレにはパワーグリップを
上半身の引く筋トレで初心者の方に多く見られるのが「先に握力がなくなって追い込めない」というケースです。筋トレは101%で行ってはじめて成果がでます。パワーグリップを使用して引くトレーニングの効率を上げることをおすすめします。
▼おすすめのパワーグリップ
おすすめパワーグリップを見る
▼パワーグリップとは?解説記事
【おすすめのパワーグリップ】使い方の解説と男性・女性どちらにも快適なアイテム紹介
筋トレの基本グッズはトレーニングベルト
腰を保護するだけでなく、腹圧を高め最大筋力を向上させてくれるトレーニングギアがトレーニングベルトです。筋トレにおいては、ほぼ必須のギアとも言えますので、ぜひ入手することをおすすめします。なお、トレーニングベルトはトレーニーにとって「筋トレの友」とも言える存在になってきます。はじめから安易なものを選ばずに、考えているよりもワンランク・ツーランク上のものを入手することがベルト選びの秘訣です。
▼おすすめのトレーニングベルト
おすすめのパワーベルトはこちら
▼トレーニングベルトの種類と使い方
【おすすめのトレーニングベルト】選び方・巻き方から男性筋トレ用・女性用・ベンチプレス用まで詳しく解説
本格的トレーニングには高耐荷重ラック+オリンピックバーベル
本科的なバーベルトレーニングに必須のラック類・バーベルセット(オリンピックシャフト&プレート)は、IPF公認メーカーのONI鬼シリーズが最適です。
屈強な構造とリーズナブルな設定で、ハイエンドホームジムや業務ジム用に全国的な人気を誇っています。
ONI鬼ラックシリーズはこちら
ONI鬼バーベルセットはこちら
執筆者情報
上岡岳
アームレスリング元日本代表
ジムトレーナー・生物学学芸員
JAWA日本アームレスリング連盟常任理事|レフリー委員長・広報広報部長
記事に記載されている内容は執筆者の運営するジムメンバーの実体験に基づく主観的意見および感想です。このため、記事の情報やこの情報を用いて行う利用者の判断について、当サイトは一切の責任を負うものではありません。記事の情報を用いて行う行動に関するあらゆる判断および決定は、利用者自身の責任において行っていただき、必要に応じて専門家等に相談されることを推奨いたします。また、トレーニングにおいては十分にウォーミングアップを行い、利用者自身の体力にあわせて動作を行うとともに、痛みや危険を感じる場合はすみやかに行動を中止することを推奨します。
※当ブログの画像はWikipediaやpixabayなどのフリー画像および著作権者に許可を得た画像のみを使用しています。