僧帽筋と広背筋に効果のあるケーブルローイングの基本的なやり方や、効果のある広背筋の部位別に6種類のバリーエーションとそれぞれの特徴と使用するケーブルアタッチメントについてまとめました。
目次
■ケーブルローイングが効果のある筋肉部位
●ケーブルローイングは広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋に効果的
ケーブルローイングは僧帽筋・広背筋中央部・広背筋側部の効果のあるケーブルトレーニング種目で、二次的に長背筋群や上腕二頭筋にも効果があります。
■ケーブルローイングの主なやり方3種類
ケーブルローイングにはグリップの仕方で主に3種類ありますので、それぞれの特徴とやり方を解説するとともに、それぞれに必要なケーブルアタッチメントをご紹介します。
●パラレルグリップケーブルローイング
こちらはもっとも一般的なケーブルローイングのグリップで、パラレルアタッチメントで行います。僧帽筋・広背筋中央部を中心に効果があるやり方です。
フィニッシュポジションで胸を張り、肩甲骨を寄せきり背筋群を最大収縮させるのがポイントで、上体は90度からやや後に倒す程度にするように心がけます。上体を大きく倒さなければ引ききれない重量は重すぎるといえるでしょう。
【本種目のやり方とフォームのポイント】
①シートに座り、前傾姿勢になり、腕を伸ばした状態でバーをグリップして構える
②上半身が床と直角になるまで、腕を伸ばしたまま上半身を起こす
③上半身を起こしたら、後ろに傾けないように注意し、肘を曲げてバーを引き寄せていく
④バーをお腹の位置まで引き寄せたら、引くときとおなじ軌道・フォームでゆっくりと筋肉に負荷をかけながら元に戻る
▼使用するアタッチメント:ナローパラレル
●ワイドグリップケーブルローイング
こちらが、ワイドアタッチメントを使用したケーブルローイングです。効果のある筋肉部位の中心が広背筋になるのが特徴です。動作のポイントはパラレルグリップのものと同様です。
▼使用するアタッチメント:ワイド
●ワンハンドケーブルローイング
シングルハンドアタッチメントを用いて、片手ずつ行うのがワンハンドケーブルローです。最大の特徴は両手で引く場合よりも、可動範囲が大幅に広くなることで、これにより広背筋・僧帽筋ともに最大伸展・最大収縮でl鍛えることができます。
▼使用するアタッチメント:ワンハンド
●その他のケーブルローイングのバリエーション
・ロープケーブルローイング
ケーブルローには上記の3種類のほかにも、こちらの動画ようにロープアタッチメントを使うバリエーションもあります。
▼使用するアタッチメント:ロープ
・リバースグリップケーブルローイング
バーを逆手で保持するアンダーハンドグリップでは上腕二頭筋への負荷が増大し、ドラッグカールに似た効き方をします。ショートバーアタッチメントを使用します。
・スタンディングケーブルローイング
この動画のように、スタンディングで行い、軌道を斜め下から引く動作にしたバリエーションもあります。このやり方だと、僧帽筋にかかる負荷が増加するとともに、姿勢を維持する脊柱起立筋にも効果的です。
■ケーブルアタッチメント一覧
一般的なケーブルアタッチメントから最新の特殊タイプ(人間工学|エルゴノミクス)まで、その種類と使い方は下記のリンク先をご参照ください。
筋トレの呼吸法|筋トレの頻度|筋トレの順番|筋トレの回数設定|筋肉の名前と作用|筋肉の超回復期間|筋トレの食事例|筋トレの栄養学|男性の筋トレメニュー|女性の筋トレメニュー
■ケーブルローイングの動作注意点とポイント
ケーブルローイングでもっとも大切なポイントは、肩甲骨を寄せながら腕を引き寄せ、最後に肩甲骨を寄せきって背筋群を最大収縮させることです。
また、セット終盤で苦しくなると、つい顎を引きがちですが、背筋群の収縮と首の連動性は「顎を上げると背筋が収縮する」です。苦しいときほど顎を上げて、背中が丸まらないようにしてください。
ピラミッドセット法|ドロップセット法|アセンディングセット法|ディセンディングセット法|フォースドレップ法|レストポーズ法|パーシャルレップ法|チーティング法|スーパーセット法|コンパウンドセット法|トライセット法|ジャイアントセット法|予備疲労法|部位分割法
■ケーブルローイングの目的別の重量負荷設定
筋トレで鍛える骨格筋を構成している筋繊維には以下の三種類があり、それぞれの特徴は次の通りです。
①速筋繊維TYPE2b
約10秒前後の短い時間に爆発的・瞬発的な収縮をする特徴があり、トレーニングにより強く筋肥大します。10回前後の反復回数で限界がくる重量設定で鍛えます。
②速筋繊維TYPE2a10~60秒ほどのやや長時間で瞬発的な収縮をする特徴があり、トレーニングによりやや筋肥大します。15回前後の反復回数で限界がくる重量設定で鍛えます。
③遅筋繊維TYPE1
60秒以上数分・数時間の持続的・持久的な収縮をする特徴があり、トレーニングにより筋肥大せずに筋密度が上がります。20回以上の反復回数で限界がくる重量設定で鍛えます。
つまり、筋肥大バルクアップ目的なら①、細マッチョ筋トレや女性の部分ボリュームアップ目的なら②、減量引き締めダイエット目的なら③、の負荷回数設定で筋トレを行っていきます。ただし、腹筋郡・前腕筋郡・下腿三頭筋など日常での使用頻度が高い部位は、基本的に20回以上高反復回数で鍛えます。
■ケーブルローイングにおすすめのグッズ
●パワーグリップとパワーベルトがおすすめ
ケーブルローイングでよく聞くのが、「背筋よりも先に握力がもたなくなって最後まで追い込めない」という意見です。そのような場合に、おすすめなのが握力がほとんどなくなってもバーに巻きつきグリップを補助してくれるパワーグリップと呼ばれるグッズです。
筋トレは101%で追い込んではじめて成果がでます。是非、パワーグリップを使用して背筋のトレーニングを完遂してください。
腰を保護するだけでなく、腹圧を高め最大筋力を向上させてくれるトレーニングギアがトレーニングベルトです。バーベル筋トレにおいては、ほぼ必須のギアとも言えますので、ぜひ入手することをおすすめします。なお、トレーニングベルトはトレーニーにとって「筋トレの友」とも言える存在になってきます。はじめから安易なものを選ばずに、考えているよりもワンランク・ツーランク上のものを入手することがベルト選びの秘訣です。
■おすすめの家庭用ケーブルマシン
家庭用のケーブルマシンとしておすすめなのがこちらのようなプレート差込みタイプものです。各部をターンバックルなどで補強して使用していますが、筆者の運営するジムでもメンバーが高重量で5年以上酷使していますが全く問題ありません。
■おすすめの記事
■マシントレーニングの基礎知識
●マシントレーニングの長所と短所
マシントレーニングの多く(ケーブルマシン以外)は、動作軌道がマシンのレール等により支えられているため、ウエイトのブレやズレを気にすることなく効率的に筋肉に負荷をかけられるのがメリットです。
反面、軌道がある程度決まっているため、完全に個人特性に合わせた動作軌道がとれないことや、ブレを止める体幹インナーマッスルが鍛えられにくいという側面があります。
マシントレーニングにダンベルトレーニングやバーベルトレーニングなどのフリーウエイトトレーニングを組み合わせていくのが、中級者以降では必須と言えるでしょう。
なお、他のマシントレーニングメニューについては、下記の種目別解説記事をご参照ください。
■マシントレーニング全種目一覧
筋トレの食事メニュー例
筋肉の名称と作用の図鑑
男性向きの記事|女性向きの記事
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大胸筋の筋トレ|大胸筋の筋トレ
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本格的トレーニングには高耐荷重ラック+オリンピックバーベル
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執筆者情報
上岡岳
アームレスリング元日本代表
ジムトレーナー・生物学学芸員
JAWA日本アームレスリング連盟常任理事|レフリー委員長・広報広報部長
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