ゴルフの飛距離を伸ばすための、自宅(自重・ダンベル・チューブ)での鍛え方・筋トレ方法を下半身・体幹を中心としたコンパウンド種目(複合関節運動)から厳選するとともに、インパクトに重要な前腕トレーニングのやり方のポイントを解説します。
また、あわせてジムでの基礎筋力を養うための基本種目とそのやり方についてもご紹介します。
目次
■ゴルフに必要な筋肉は?
●つま先から指先までだが特に下半身・体幹・肩・前腕
ゴルフだけに限らず、およそ「手で打つ」という動作においては、インパクトの瞬間に足のつま先から手の指先まで全ての筋肉が連動し、シンクロする必要があります。
これは、ゴルフをはじめとして、テニス・野球のバッティングはもちろん、ボクシングやアームレスリングまで共通の要素で、つま先を初動とする下半身の動作が、体幹でロスすることなく肩関節・肘関節・手首関節を経由し、手に伝わらなくてはいけません。
ゴルフなど「手で打つ競技」において、「下半身で打つ」「腰で打つ」と表現されるのはこのためで、全身が連動していない肩から先だけの打ち方が「手打ち」と言われるのも同様です。
これら全身の連動は技術練習により習得するものですが、全身を連動させる技術があるという前提では、個々の筋力が高いほうが当然そのパフォーマンス・パワーは高くなります。
ゴルフの場合、動作の要となる下半身・体幹、肩から先で動作の連動をロスしないための肩のインナーマッスル(ローテーターカフ)、そして全身の力を集約してグリップに伝える前腕筋群が重要になります。
▼詳細記事
これら、ここまで解説した、ゴルフの飛距離を伸ばすために重要な筋肉は下記の通りになります。
●大腿四頭筋
大腿四頭筋:大腿部前面の筋肉で、人体で最大の筋肉として下半身動作の主働筋として作用します。
・大腿四頭筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止
読みかた:だいたいしとうきん
英語名称:quadriceps
部位詳細:大腿直筋|外側広筋|内側広筋|中間広筋
起始:腸骨下前腸骨棘・寛骨臼上縁|大腿骨大転子外側面・転子間線・殿筋粗面|大腿骨粗線内側唇|大腿骨前外側面
停止:膝蓋骨上縁・脛骨粗面|膝蓋骨上外側縁・頸骨粗面|膝蓋骨上内側縁・脛骨結節|膝蓋骨・頸骨粗面
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●ハムストリングス
ハムストリングス:大腿部後面の筋肉群で大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋から構成され、大腿四頭筋の拮抗筋として下半身の動作を安定させる作用があります。
・ハムストリングスの英語名称・構造・部位詳細・起始停止
読みかた:はむすとりんぐす
英語名称:hamstrings
部位詳細:大腿二頭筋長頭|大腿二頭筋短頭|半膜様筋|半腱様筋
起始:坐骨結節|大腿骨粗線外側唇・外側筋間中隔|坐骨結節|坐骨結節内側面
停止:腓骨頭|腓骨頭|脛骨内側顆・斜膝窩靭帯|脛骨粗面内側
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●腹斜筋
腹斜筋:内腹斜筋と外腹斜筋から構成され、体幹を回旋させる作用があります。
・腹筋群の英語名称・構造・部位詳細・起始停止
読みかた:ふっきんぐん
英語名称:abdominal muscles
部位詳細:腹直筋|外腹斜筋|内腹斜筋|腹横筋
起始:恥骨稜・恥骨結合・恥骨結節|第5~12肋骨外面|胸腰筋膜深葉・上前腸骨棘・鼡径靭帯・腸骨稜|第7〜12肋軟骨内面・鼡頚靭帯・上前腸骨棘
停止:剣状突起・第5~7肋軟骨外面|鼡径靭帯・腹直筋鞘前葉・腸骨稜外唇|第10~12肋骨下縁・腹直筋鞘・精巣挙筋|剣状突起・白線・恥骨
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●回旋筋
回旋筋:腰部のインナーマッスルで対角線にある側の腹斜筋と連動収縮し体幹を回旋させる作用があります。
・長背筋群・脊柱起立筋の英語名称・構造・部位詳細
読みかた:せきちゅうきりつきん
英語名称:erector spinae muscle
部位詳細:腸肋筋|最長筋|棘筋
長背筋群=脊柱起立筋+多裂筋+回旋筋など
▼詳細記事
●回旋筋腱板
回旋筋腱板:ローテーターカフとも呼ばれる肩甲骨と上腕骨をつなぐインナーマッスル群で、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋から構成され、球関節である肩関節の複雑化回旋運動をになっています。
ローテーターカフを鍛えるためには、インターナルローテーションとエクスターナルローテーションと呼ばれる特殊な筋トレを行う必要があり、主にトレーニングチューブを使って行います。
詳細は、下記の記事で詳しく解説していますので、ご参照ください。
・ローテーターカフ(回旋筋腱板)の英語名称・構造・部位詳細
読みかた:かいせんきんけんばん
英語名称:rotator cuff
部位詳細:肩甲下筋|棘下筋|棘上筋|小円筋
▼詳細記事
●前腕筋群
・前腕筋群の作用
前腕筋群は肘関節の伸展や手の開閉などの作用のほか、手首関節の屈曲(掌屈)・伸展(背屈)・外転(橈屈)・内転(尺屈)・回内・回外の作用を持ちます。
・前腕屈筋群の筋肉
前腕屈筋群は手首を曲げる、手首を小指側に倒す、手首を回外させる(手の平が手前を向くように回す)といった作用があります。
・前腕伸筋群の筋肉
前腕伸筋群は手首を伸ばす、手首を親指側に倒す、手首を回内させる(手の甲が手前を向くように回す)といった作用があります。
▼詳細記事
なお、さらに詳しい全身の筋肉の名前・構造・作用については、下記の記事をご参照ください。
▼詳しい筋肉図鑑
【筋肉名称完全図鑑】各部位の名前・作用・筋トレ方法(鍛え方)
■ゴルフのための筋トレ方法
●実戦に即したコンパウンド種目で鍛えるのが最適
筋トレには大きく二種類の運動があり、一つは複数の筋肉と関節を使って行う多関節運動(コンパウンド種目)で、もう一つが単一の筋肉と関節のみを使って行う単関節運動(アイソレーション種目)です。
ゴルフのように全身の連動性が高次元で求められる種目の筋トレ方法としては、コンパウンド種目のなかでも全身の筋肉を同時に使う種目が最適です。
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コンパウンド筋トレ種目一覧|胸・背中・肩・腕・脚の多関節運動
また、これとは別に、重要部位である前腕トレーニングが必須となってきます。
■ゴルフの筋トレの頻度
●年齢により週一回~二回が適切
通常の筋トレは、筋肉の回復に最大72時間が必要なことから、全身の筋肉をグループ分けし、一週間をかけて部位別にローテーションして鍛える部位分割法(スプリットトレーニング)が一般的です。
しかし、ゴルフのための筋トレは全身の筋肉を一度に使う全身コンパウンド種目が主体となるため、筋トレと筋トレの間隔は最低72時間はあける必要があります。
また、筋肉の回復時間は年齢とともに長くなりますので、10代~30代前半で週二回、30代後半以降は週一回の頻度で筋トレを行うのが適切です。
なお、前腕筋群は回復速度が速いため、一日おきに実施していくのが効率的です。
次の項目では、「とりあえず、ゴルフのための筋トレを始めてみる」という筋トレ初心者の方向きの具体的メニューをご紹介します。
筋トレの呼吸法|筋トレの頻度|筋トレの順番|筋トレの回数設定|筋肉の名前と作用|筋肉の超回復期間|筋トレの食事例|筋トレの栄養学|男性の筋トレメニュー|女性の筋トレメニュー
■ゴルフの飛距離が伸びる筋トレ
●一日の具体的な筋トレメニュー
それでは、ここからは具体的な一日の自宅筋トレメニューを、正しい筋トレの順番に従って例示していきます。
なお、セット数は目安ですので体力に合わせて増減していただいてかまいませんが、1セットの反復回数は最も効率的に各筋繊維を鍛えるために設定していますので、例示のとおり行ってください。
①プッシュアップジャンプ:15回×2セット
全身を動員するコンパウンド種目として、器具がいらず手軽なのが、自重トレーニングのプッシュアップジャンプです。
最大のポイントは、腕立て伏せの後につま先を前に出す動作の時に、つま先が膝より前になるように動作することです。
つま先が後ろ気味のまま立ち上がると、膝関節に大きな負担がかかるので十分注意してください。
②ダンベルスクワットプレス:15回×2セット
ダンベルを使って全身の筋肉を一度に鍛えられる種目が、ダンベルスクワットプレスです。
ダンベルを頭上に押し上げながら、同時に立ち上がるやり方のほうが強度が高いですが、きつく感じる方は、立ち上がってからダンベルを頭上に上げる分割動作で行いましょう。
なお、こちらも膝関節保護のために、常に膝はつま先より後ろになるように動作してください。
③チューブウッドチョップ:片側20回×1セット
チューブウッドチョップは、全身の筋肉を連動させながら、体幹の回旋力に重要な腹斜筋と回旋筋を鍛えられる種目です。
チューブを固定する高さによって、さまざまな軌道での回旋力を鍛えられますが、ゴルフのためには下から上へ回旋する軌道で行うのが、競技動作に近く実戦的です。
また、ダンベルを使ってウッドチョップ動作を鍛えることも可能です。
④インターナルローテーション
インターナルローテーションはローテーターカフのなかでも、唯一肩甲骨前面に位置する肩甲下筋に高い効果のあるトレーニング種目です。
反動を使うと、大胸筋や三角筋といった表層の筋肉に負荷が逃げてしまいますので、しっかりと肘の位置を固定し、肩関節の回旋だけで動作を行ってください。
また、ダンベルを使ってインターナルローテーションを行うこともできます。
⑤エクスターナルローテーション
エクスターナルローテーションはローテーターカフ(回旋筋腱板)のなかでも肩甲骨背面に位置する棘上筋・棘下筋・小円筋に効果のあるチューブトレーニングです。
反動を使うと、僧帽筋や広背筋などの背面の表層筋に刺激が逃げてしまいますので、しっかりと肘を固定するのがポイントです。
エクスターナルローテーションもダンベルで行うことが可能です。
とりあえず、ゴルフのための筋トレをスタートするのに便利なのが、このような強度の違うものがセットになったトレーニングチューブです。
写真のタイプは、筆者の運営するジムで実際に使っており、筆者運営ショップが品質確認輸入をしているMYDAYSトレーニングチューブです。
たいへん頑丈な作りをしているだけではなく、後述の各種前腕トレーニングアタッチメントが取り付けられる大型カラビナフックを標準装備しています。
▼このトレーニングチューブを見てみる
【品質確認済み輸入】トレーニングチューブセット(マズレンコ製作所日本正規輸入代理店)
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■ゴルフのための前腕トレーニング
ゴルフにおいて前腕筋群の強さは非常に重要になります。これは、下半身→体幹→腕と連動させた全身の力をグリップに伝える最終的な筋肉だからです。
特に飛距離とコントロールに関して、インパクトの瞬間に反動に打ち負けないという意味で必要不可欠となります。
なかでも、屈曲(掌屈)・外転(橈屈)・回内・回外の力は重要で、それぞれに鍛え方が異なります。また、特殊な動作であるため、前腕専用に開発された器具類の使用が有効的です。
●リストカール系種目|屈曲(掌屈)
前腕屈筋群を鍛えるもっとも一般的なトレーニング種目が、手首を掌屈させる方向に負荷を加えるリストカール系種目で、チューブリストカール・ダンベルリストカール・ケーブルマシンリストカール・バーベルリストカールなどの方法があります。
●リストハンマー系種目|外転(橈屈)
手首の橈屈・尺屈方向の筋力を鍛えるための種目がリストハンマー系種目です。チューブリストハンマー・ダンベルリストハンマー・ケーブルマシンリストハンマーなどの方法があります。
こちらのようなバーチカルバーは、リストハンマー専用のシャフトで、効果的に負荷を加えられるようにシャフトが曲げられた構造をしています。
●リストローテーション系種目|回内・回外
手首を回旋させる筋力を鍛えるための種目がリストローテーション系種目です。
細かくは、回内運動をプローネーション種目、回外運動をスピネーション種目と言います。
チューブリストローテーション・ダンベルリストローテーション・ケーブルマシンリストローテーションなどの方法があります。
リストスピネーションやリストプロネーションを効果的にするための専用器具には以下のようなものがあり、トレーニングチューブやケーブルマシンに取り付けて使用します。
プロネーションハンドル(回内運動)
ローテーションハンドル(回外運動)
これらは、もともと「前腕のスポーツ」と呼ばれるアームレスリング用に開発されたトレーニング器具ですが、前腕トレーニングの専門競技で開発されただけあり、他のスポーツの前腕トレーニングにもとても有効です。
なお、トレーニングチューブやケーブルマシン以外にも、このようなウエイトローディングツリーを使用すれば、ダンベルプレートを取り付けて使用することも可能です。
■握力を鍛える重要性
前腕のトレーニング「屈曲(掌屈)・外転(橈屈)・回内・回外」に加え、あわせて鍛えていきたいのがグリップの基本能力をも左右する握力です。
もちろん、握力の強さが飛距離に直結するわけではないですが、「大は小を兼ねる」の考え方で、握力が強いほうがさまざまなグリップキャパシティーが有利になりますので、空き時間などを利用して握力を鍛えていくことをおすすめします。
握力トレーニングの定番中の定番がハンドグリッパーですが、こちらのようなスーパーグリッパーは、握力が強くなっていってもバネの位置を付け替えるだけで負荷を強くすることができます。
負荷固定式のハンドグリッパーと違い、買い替える必要がないため結局はリーズナブルです。
■ゴルフのための基礎筋トレ
ここまでは、初心者の方が実施するべき最低限のトレーニング内容を解説してきましたが、さらに本格的にゴルフの競技能力を向上させるためには、全身の基礎を鍛える必要があります。
ここからは、より本格的なゴルフ筋力トレーニング(基礎筋力養成)のメニューとプログラムについて解説していきます。
●全身を3つのグループに分けて基礎筋力を鍛える
ここまでは、実践的で即効性のある筋トレ方法を解説してきましたが、やはりゴルフの飛距離を伸ばし、総合的に競技能力を高めるためには全身の基礎筋力を鍛えていく必要があります。一般的なウエイトトレーニングでは、全身の筋肉をその作用と連動性から3つのグループに分けて鍛えていくのが通常ですが、ゴルフのための筋トレにおいても、これは例外ではありません。
●上半身の押す筋肉(大胸筋・三角筋・上腕三頭筋)
上半身の押す動作を行う作用を持つのが、大胸筋・三角筋・上腕三頭筋の三つの筋肉です。腕立て伏せやダンベルプレスなど、押す動作のトレーニングで強化することが可能です。
●上半身の引く筋肉(僧帽筋・広背筋・上腕二頭筋)
上半身の引く動作を行う作用を持つのが、僧帽筋・広背筋・上腕二頭筋の三つの筋肉です。懸垂系やダンベルデッドリフトなど、引く動作の筋トレで鍛えることが可能です。
●下半身の筋肉(大腿四頭筋・ハムストリングス)
下半身の筋肉の中でも、太もも前面の大腿四頭筋と太もも後面のハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)は、競技能力向上に大きく関わる筋肉です。スクワットやダンベルスクワットで鍛えることができます。
▼詳細記事
【ゴルフの下半身スクワット筋トレ】種類とやり方を自宅・ジムそれぞれに解説
■ゴルフ筋トレは週2回の部位分割法で
筋トレの組み方のなかでも、一日で全身を鍛えるのではなく、筋肉を部位に分けて週数回ずつローテーションで鍛えていく「部位分割法」は、鍛えた筋肉の休息・回復期間が十分にとれるため、より効率的に筋肉を強くしていくことができます。
パワースポーツなどでは筋トレの重要度が高いため、週3・4回の部位分割で鍛えていきますが、ゴルフの場合は週2回のトレーニングが適切でしょう。
具体的には、以下のように筋肉の部位分けをして鍛えていきます。
①週1回目(上半身の筋肉+体幹の筋肉)
週1回目のトレーニングでは上半身の押す筋肉(大胸筋など)+体幹前面(腹筋群)、上半身の引く筋肉(広背筋など)+体幹後面(脊柱起立筋)を鍛えていきます。
具体的には以下のようになります。トレーニング種目の順番や反復回数は最適に組んでありますので、そのまま実施していただくことをおすすめします。
1.上半身の引く筋肉の筋トレ(15回を3~5セット)
懸垂または斜め懸垂・チューブラットプルまたはチューブローイング・ダンベルデッドリフトまたはダンベルローイング・バーベルデッドリフトまたはバーベルベントオーバーロー・ケーブルラットプルダウンまたはケーブルローイング
まずは、これらの種目を行ってください。
2.上半身の押す筋肉の筋トレ(15回を3~5セット)
腕立て伏せ・チューブチェストプレス・ダンベルプレス・バーベルベンチプレス・マシンチェストプレス
次に、これらの種目を行ってください。
3.脊柱起立筋の筋トレ(20回を2~3セット)
バックエクステンション・チューブバックエクステンションまたはチューブグッドモーニング・ダンベルグッドモーニング・バーベルグッドモーニング
続いて、これらの種目を行ってください。
4.腹筋群の筋トレ(20回を2~3セット)
四の字クランチ・チューブアブツイスト・ダンベルトゥタッチクランチ・ダンベルツイスト・ダンベルロシアンツイスト
最後に、これらの種目を行って1日目のトレーニングプログラムは終了です。
②週2回目(下半身の筋肉)
1.下半身全体の筋トレ(15回を3~5セット)
スクワット・チューブスクワットまたはチューブレッグプレス・ダンベルスクワット・バーベルスクワット・マシンレッグプレス
まずは、これらの種目を行ってください。
2.大腿四頭筋の筋トレ(15回を3~5セット)
シシースクワット・チューブレッグエクステンション・ダンベルレッグエクステンション・マシンレッグエクステンション
次に、これらの種目を行ってください。
3.ハムストリングスの筋トレ(15回を3~5セット)
ブルガリアンスクワット・チューブレッグカール・ダンベルレッグカール・バーベルフロントランジ・マシンレッグカール
最後に、これらの種目を行って2日目のトレーニングプログラムは終了です。
次の項目では、代表的な筋トレ種目を、自重トレーニング・ダンベル筋トレ・バーベル筋トレ・マシントレーニングからご紹介していきます。
■自宅でのゴルフ自重トレーニング
●フロントプランク
自重トレーニング以前の基本=基礎体力向上として行いたいのが体幹トレーニングですが、フロントプランクは体幹前面全体に効果の高い方法です。背すじを真っ直ぐ伸ばし、まずは30秒停止から始め、最終的には2分停止ができることを目指して行ってください。
●サイドプランク
体幹側面に効果の高いトレーニング方法がサイドプランクです。こちらも、まずは30秒停止から始め、最終的には2分停止ができることを目指して行ってください。
●アームレッグクロスレイズ
体幹背面全体に効果の高い体幹トレーニングがアームレッグクロスレイズです。必要以上に手足を上げず、水平位置で10秒停止を行い、左右あわせて20回の反復を目標に行ってください。
●腕立て伏せ
自宅で簡単に上半身の押す筋肉グループを鍛える、代表的な筋トレメニューが腕立て伏せです。手幅は肩幅よりもやや広く置き、背すじを真っ直ぐにして行うことがポイントです。
●斜め懸垂
懸垂は上半身の引く筋肉グループに対して非常に高い効果のあるトレーニング方法ですが、懸垂を筋トレとして適切な回数=10回前後できる人は少ないものです。ですので、一般的には、懸垂よりはやや強度の低い「斜め懸垂」がおすすめです。特別な器具がなくても、テーブルの下に仰向けに潜り、テーブルの縁を持って行うこともできます。
●自重スクワット
下半身を総合的に鍛えることができ、「キングオブトレーニング」とも言われる種目がスクワットです。スクワットは簡単なようで、正しく効果的なフォームは意外と難しいので図説で解説します。
この図は、スクワットの正しいフォームを模式的にあらわしたものですが、そのポイントは以下の通りです。
・胸を張る
・背中を反らせる
・お尻をつきだす
・膝をつま先より前に出さない
・やや上を見る
・斜め後ろにしゃがむ
これらのことを意識して行えば、正しいスクワットのフォームになりますが、さらにわかりやすく一言であらわせば、「椅子に座って立つ動作」ということもできます。
なお、ゴルフのための自重&体幹トレーニングの具体的なメニュープログラムについては下記の記事をご参照ください。
▼プログラム例
ゴルフのための自重筋トレ+体幹トレーニングのメニュープログラム
■自宅でのゴルフチューブトレーニング
●チューブチェストプレス
チューブチェストプレスは、肩甲骨をしっかりと寄せたまま動作を行うことが大切です。また、腕を押し出した位置で軽く顎を引くことで、大胸筋を強く収縮させることが可能です。
●チューブローイング
チューブローイングは、腕を引ききった位置でやや顎を上げるとともに、肩甲骨をしっかりと寄せきる動作を行うことが大切なポイントです。また、上半身を倒しすぎないことも重要です。
●チューブレッグプレス
チューブレッグプレスは、下半身全体に効果のあるチューブトレーニング種目です。反動を使わずに、ゆっくりとコントロールした動作で行ってください。
なお、ゴルフのためのチューブトレーニングの具体的なメニュープログラムについては下記の記事をご参照ください。
▼プログラム例
ゴルフのためのチューブトレーニング|1週間の具体的メニュープログラム
■自宅でのゴルフダンベルトレーニング
●ダンベルプレス
大胸筋上半身の押す筋肉のダンベルトレーニングのメインとなるのがダンベルプレスです。肩甲骨をしっかりと寄せて動作を行うことがポイントです。なお、ベンチ類がない場合は、床で行っても一定の効果はありますが、可動範囲が狭くなる分、効果は低めになります。
●ダンベルデッドリフト
ダンベルショルデッドリフトは僧帽筋や広背筋中央部だけでなく、脊柱起立筋にも効果の高い総合的なダンベル背筋トレーニングです。腰を丸めて動作をすると高い確率で腰痛を引き起こしますので十分に注意をし、必ず胸を張って背中をそらせるようにしてください。
●ブルガリアンスクワット
自宅で、高強度で下半身を鍛えることが可能なのが、ブルガリアンスクワットと呼ばれる足を前後に開いたスクワットです。ダンベルを両手に保持することでさらに強度は高まります。前にした足を主体に動作を行うと大腿四頭筋に、後ろにした足を主体に動作を行うとハムストリングスに効果が集中します。
なお、ゴルフのためのダンベルトレーニングの具体的なメニュープログラムについては下記の記事をご参照ください。
▼プログラム例
ゴルフのためのダンベル筋トレ|1週間の具体的なメニュープログラム
■ジムでのゴルフバーベルトレーニング
●バーベルベンチプレス
バーベルベンチプレスは「筋トレBIG3」のうちの1種目で、大胸筋・三角筋・上腕三頭筋に効果があります。お尻を浮かせないように気をつけ、肩甲骨をしっかりと寄せた状態で行ってください。
●バーベルデッドリフト
バーベルデッドリフトは「筋トレBIG3」のうちの1種目で、広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋に効果があります。デッドリフトはやや難易度の高い種目ですが効果は高く、その動作ポイントは胸を張ること、尻を突き出すこと、背中は真っ直ぐかやや反らせること、膝がつま先より前に出ないこと、上を見ることです。
●バーベルスクワット
バーベルスクワットは「筋トレBIG3」のうちの1種目で、下半身全体に非常に効果が高く「キングオブトレーニング」とも呼ばれています。「胸を張り」「お尻を突きだし」「膝をつま先より前に出さない」ことが動作のポイントになります。
なお、ゴルフのためのバーベルトレーニングの具体的なメニュープログラムについては下記の記事をご参照ください。
▼プログラム例
ゴルフのためのバーベル筋トレ|1週間の具体的なメニュープログラム
■ジムでのゴルフマシントレーニング
●マシンチェストフライ
マシンチェストプレスは、手が肩より上になると肩関節に負担がかかり、怪我や故障の原因になりますので注意が必要です。また、戻す時にもしっかりと効かせるのがポイントです。
●ケーブルローイング
僧帽筋や広背筋中央部に対して効果的なケーブルトレーニング種目が、ケーブルローイングです。上体を倒しすぎず引くことと、引ききった時に顎を上げて肩甲骨を寄せるのが効果を高めるコツです。
●レッグプレス
ジムでマシンを使って下半身を鍛えるのにおすすめなのがレッグプレスです。マシンを押す時に、つま先ではなくかかとで押すようにすることが大切なポイントです。
なお、ゴルフのためのジムマシントレーニングの具体的なメニュープログラムについては下記の記事をご参照ください。
▼プログラム例
ゴルフのためのジムマシン筋トレ|1週間の具体的なメニュープログラム
■ゴルフ筋トレを自宅で実施するための器具類
筋トレで成果を出すための最大の要素は「継続すること」です。
特に本格的な筋トレはジムに通うのが一般的ですが、仕事の兼ね合いで時間がとれず、一回休み、二回休み、結局続かなくなってしまう、というのが忙しい社会人の「筋トレが続くない」最大の理由です。
これを克服するためには、なんと言っても自宅にトレーニング器具を揃えるのが一番の方法です。
自宅にトレーニング器具を揃える場合、まず必要になるのがダンベル。トレーニングチューブとトレーニングベンチです。
トレーニングチューブに関してはすでに適切なタイプをご紹介しましたので、ここからはダンベルとベンチについて解説します。
●固定式ダンベルが最適
ダンベルに関しては、プレート差し替え式のものが普及品としてよく使われますが、実際の使い勝手としては「自分が使う重量の固定式のダンベルを複数揃える」のが、差し替えの手間もなくトレーニング時間も短縮できて最適です。
また、固定式ダンベルはガチャガチャと音が出ることもないので、特にマンションなどの自宅で使用するのに向いています。
●インクランベンチが最適
トレーニングベンチにはフラットベンチと背もたれの角度が変えられるインクラインベントとがありますが、実施できるトレーニング種目の種類を考慮すると、やはりインクラインベンチがおすすめです。
また、普及品は強度不足のものが少なくありませんが、強度を見分ける簡単な方法が「器具重量」で、これは使用している鋼材の厚み(頑丈さ)が表れるからです。
しっかりとトレーニングをしていくのならば、器具重量が20~30kg前後はあるグラつかない剛健なトレーニングベンチをチョイスしましょう。
●コンボラックまたはパワーラック
さらに本格的な自宅トレーニングを行うのであれば、バーベルセットとラック類が必要になってきます。
コンボラックはベンチを取り外すことでベンチプレス・デッドリフト・スクワットなど基本的なバーベルトレーニングが全て実施でき、なおかつパワーラックよりもコンパクトであるという利点を持っています。
パワーラックは、それなりの空間を必要としますが、ほぼ全てのバーベルトレーニングを実施できるのが最大の魅力です。また、高重量トレーニングでの安定性もコンボラックよりも高いのがメリットです。
このほかにも、やや占有空間が節約できるハーフラックと呼ばれるタイプもあります。詳しくは、下記のリンク先の一覧をご参照ください。
また、これらのラック類に備えつけるバーベルは、単品で買い揃えるよりも、下記のようなセットになったものがはるかにリーズナブルです。
■本格的にトレーニングするなら
本格的にトレーニングをするのなら、ダンベル・マシンからバーベルまで国内トップレベルで設備が充実し、初心者から上級者まで対応の、ONIプロデュースの本格24時間ジム「ONI GYM 24」がおすすめです。
■筋トレをしたら食事もしっかりと
最後に、筋トレと切っても切れない関係にある食事と栄養を補う食品に関する詳細な記事群をご紹介します。どれだけ筋トレを頑張っても、栄養補給がおろそかになれば、ほとんど筋トレの成果はえられません。
具体的には、筋トレでダメージを受けた筋肉を超回復させる原料となるタンパク質(肉・魚・乳製品・大豆製品など)を多く摂る必要があります。
また、まずは食事管理をしっかりと行うことが、トレーニングと同じくらい大切です。
詳しくは、下記の記事をご参照ください。
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執筆者情報
上岡岳
アームレスリング元日本代表
ジムトレーナー・生物学学芸員
JAWA日本アームレスリング連盟常任理事|レフリー委員長・広報広報部長
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