【筋トレと有酸素運動】組み合わせ方と順番や時間配分を筋肥大・ダイエットの目的別に解説

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無酸素運動である筋トレとランニングなどに代表される有酸素運動の両方を行っていく場合、筋肥大筋トレとダイエット筋トレでは組み合わせ方や時間配分が異なります。

 

また、筋トレと有酸素運動には理想的な順番があり、プロテインなどの栄養摂取のタイミングも大切です。筋トレの目的別に最適な有酸素運動との組み方を解説します。

 

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■無酸素運動と有酸素運動の違い

●筋繊維の差異によるエネルギー源がグリコーゲンか酸素かの違い

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まず、運動としての筋トレ(無酸素運動)と有酸素運動の違いですが、それはそれぞれの運動に使われる筋肉(骨格筋)の筋繊維の違いに起因しています。筋肉を構成する筋繊維には、大きく速筋(瞬発筋)と遅筋(持久筋)の二種類があり、それぞれの特徴とエネルギー源は以下の通りです。

 

○速筋:主に筋トレなど短時間に強い筋収縮に用いられる筋繊維で、収縮速度が速く(Fast)、筋細胞内に貯留されたグリコーゲン(Glycogen)をエネルギーとするためFG筋とも呼称されます。

 

○遅筋:主に有酸素運動など長時間の持久的な筋収縮に用いられる筋繊維で、収縮速度が遅く(Slow)、呼吸で取り込んだ酸素(Oxygen)をエネルギー源とするためSO筋とも呼称されます。

 

もちろん、ダイエット筋トレで行うような1セットの反復回数が多く持久的な筋トレでは、FG筋以外にもSO筋の関わる割合も高くなるので、筋トレが全て無酸素運動というわけではありません。

 

逆に、有酸素運動の代表とされる「走る」運動でも、100m走のように瞬発的な動きではFG筋が主に使われますので無酸素運動となります。

 

本記事では、一般的な概念に従って、筋トレ=無酸素運動、ランニングのような持久的な運動=有酸素運動として解説していきます。

 

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■筋肥大筋トレと有酸素運動の組み合わせ

●同じ日に行わないのが最適

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高重量・高負荷で行う筋肥大筋トレの場合、事前に筋細胞内に貯えた限られたグリコーゲンをいかに効率的に使って、その日ターゲットにした筋肉群を追い込む(オールアウトする)かが非常に重要です。

 

このため、少しでもエネルギー消費を避けるため、筋トレ前に有酸素運動をするのは非効率です。また、筋トレで追い込んだ身体で有酸素運動をするのは、突然一部の筋肉の筋力が抜けたりして危険なので、避けたほうが無難です。

 

つまり、筋肥大筋トレの場合、筋トレと有酸素運動を同じ日に組み合わせるのは非効率となりますので、有酸素運動を行いたい場合は、筋トレと筋トレの間の日に有酸素運動だけを行うのが最適です。

 

ただし、ウエイト種目やパワー系種目などのためにハイレベルで筋肥大筋トレを行っている場合、筋トレの日以外にいかに筋肉を休養させて超回復させるかも重要な要素ですので、このようなケースでは積極的に有酸素運動をすることはおすすめしません。

 

●部位分割筋トレと交互に有酸素運動を行う

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筋肥大筋トレの場合、同日に有酸素運動を行わずに、筋トレと筋トレの間の日に交互に有酸素運動を行うのが効率的です。

 

また、筋肥大筋トレ自体も筋肉を部位分割して一週間をかけてローテーションで鍛えていく部位分割法=スプリットトレーニングが最効率ですが、具体的に部位分割筋トレと有酸素運動の一週間の組み合わせ例を例示します。

 

月曜日:上半身の押す筋肉群の筋トレ
火曜日:有酸素運動
水曜日:下半身の筋肉群の筋トレ
木曜日:休養日
金曜日:上半身の引く筋肉の筋トレ
土曜日:有酸素運動
日曜日:休養日

 

超回復を考慮して、上半身の筋トレは曜日をできるだけ離すのがセオリーですので「上半身の押す筋肉」→「下半身の筋肉」→「上半身の引く筋肉」の順番で筋トレを組とともに、下半身の次の日は脚の超回復を考慮して休養日としてプログラムを組みました。

 

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■ダイエット筋トレと有酸素運動の組み合わせ

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●脂肪燃焼だけを考慮すると筋トレ→有酸素運動

脂肪燃焼だけを考えた場合、筋トレで筋細胞内のグリコーゲンを枯渇させておき有酸素運動をすることで素早く脂肪燃焼ができるというのは間違いではありません(そのように推奨するネット情報も少なくありません)。しかし、そこには大きな落とし穴があります。

 

きっちりと筋トレをして各筋肉、とくに下半身の筋肉をオールアウトした(完全に追い込んだ)場合、筋トレの後にランニングをするといった事は、脚が動かないので不可能で、転倒などのリスクがあり危険です。例えば、もう一回も反復できないといった、限界まで追い込んだスクワットを3~5セット行なった後に走れますか?無理ですよね。

 

また、有酸素運動を後で行うから筋トレを軽めにするというのもダイエット効果としては非効率です。有酸素運動と筋トレのダイエット効果を比較した場合、有酸素運動はその場だけのカロリー消費なのに対し、筋トレは翌日・翌々日にも筋肉痛回復のための代謝カロリー向上効果があり、トータルでの消費カロリーは筋トレ>>有酸素運動です。

 

有酸素運動のために、よりダイエット効果の高い筋トレを準備運動にするというのは決して効率的とは言えませんよね。

 

●先に有酸素運動を30分してから筋トレをする

ダイエット筋トレの場合、筋トレ前に30分ほど有酸素運動を行ってから筋トレを行うのが効率的で最適な方法です。先にも解説したとおり、ダイエット筋トレでは下半身を強く追い込むケースがほとんどなので、筋トレの後に有酸素運動を行うと、突然下半身の力が抜けたりし、転等や怪我のリスクがありますので、有酸素運動→筋トレという順番で行ってください。

 

また、有酸素運動は体脂肪が効率的に燃焼を始めるまで20分ほどかかりますので、時間の目安としては30分は行うようにするとよいでしょう。この場合、息が上がるほどの運動をする必要はなく、軽いランニング程度の脈拍がやや上がる状態を30分継続したほうが体脂肪燃焼には効率的です。

 

筋トレと有酸素運動を比較した場合、つい目先のカロリー消費に気をとられて有酸素運動を優先的に考えがちですが、トータルでの消費カロリーは筋トレのほうがはるかに大きいのは先に解説したとおりです。

 

●サーキットトレーニングで筋トレに有酸素運動の要素を加える

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ダイエット目的で筋トレを行う場合、全身の筋肉を部位分けして一週間をかけてローテーションで鍛えていくのが、運動をしていない時間でも常に新陳代謝が高い状態を保てるのでおすすめです。

 

しかしながら、忙しいなどの理由で週一~二回程度しかダイエット筋トレをすることができない場合は、一日に全身の筋肉を鍛えることになります。この場合、部位ごとにまとめて筋トレするのではなく、1セットごとに鍛える部位をローテーションさせ、セット間のインターバルを30秒程度に短くすることで、常に脈拍の高い状態が維持でき、筋トレに有酸素運動としての要素を追加することができます。

 

これをサーキットトレーニングと呼びます。サーキットトレーニングの具体的な組み方例を下記に例示します。

 

上半身の押す筋肉の筋トレ種目を1セット

インターバル(30秒)

上半身の引く筋肉の筋トレ種目を1セット

インターバル(30秒)

下半身の筋肉の筋トレ種目を1セット

インターバル(60秒)

体幹の筋肉の筋トレ種目を1セット

インターバル(30秒)

以下、ローテーションを繰り返し

 

なお、サーキットトレーニングの筋トレの順番は、連動性や拮抗性の観点から「胸筋群と背筋群」や「腹筋群と大腿筋群」といった連続を避けるのが一般的ですので、「胸筋群」→「大腿筋群」→「背筋群」→「腹筋群」の順番で例示してあります。

 

 

▼具体的なサーキットトレーニング

 

【サーキットトレーニングメニュー】有酸素運動効果も高い自宅でのダイエット筋トレプログラム

 

■プロテインを飲むタイミングは?

●有酸素運動→筋トレ→プロテイン

プロテインのパッケージ形態など

筋トレと有酸素運動に関わる質問で意外と多いのが、プロテインを飲むタイミングに関するものです。筋トレ終了後30分間は「タンパク質吸収のゴールデンタイム」と言われており、当然、筋トレ終了後30分以内にプロテインを飲むのが理想的です。

 

そして、筋肥大・ダイエットの目的別に関わらず筋トレと有酸素運動の順番は「有酸素運動」→「筋トレ」ですので、プロテインを飲むタイミングは「有酸素運動」→「筋トレ」→「プロテイン」となります。

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記事制作©FutamiTC/MazurenkoJapan


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執筆者情報
上岡岳
アームレスリング元日本代表
ジムトレーナー・生物学学芸員
JAWA日本アームレスリング連盟常任理事|レフリー委員長・広報広報部長

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