主働筋と拮抗筋を連続で鍛えるトレーニングメソッドであるスーパーセット法の基本理論を解説するとともに、胸・背中・肩・腕・脚それぞれの具体的な組み方例をご紹介します。
■主働筋と拮抗筋について
●主働筋にブレーキをかける拮抗筋
ほとんどの筋肉(骨格筋)は関節を挟んで対になっており、それぞれが逆の動作を行う作用を持っています。
わかりやすく、肘関節とそれを挟んで位置する上腕二頭筋と上腕三頭筋で例示します。
○肘関節を屈曲させる
主働筋:上腕二頭筋
拮抗筋:上腕三頭筋
○肘関節を伸展させる
主働筋:上腕三頭筋
拮抗筋:上腕二頭筋
このように、上腕二頭筋と上腕三頭筋は全く逆の作用を持っており、片側が主働筋として働く動作の時は、もう片側が主働筋の過剰収縮を防ぐために拮抗筋としてブレーキ機能の役割を果たします。
■スーパーセット法の基本理論
●拮抗筋を疲れさせブレーキ機能を弱める
スーパーセット法では拮抗する二つの筋肉を連続で鍛えますが、これは拮抗筋を疲れさせてそのブレーキ機能を弱め、主働筋をより強く収縮させるのが理由です。
そして、このブレーキ機能を弱めて筋トレ効率を上げる原理が、スーパーセット法の基本理論なのです。
■スーパーセット法実施の順番
●拮抗筋→主働筋の順に実施する
すでにスーパーセット法の基本理論として前述しましたが、スーパーセット法では、ターゲットになる筋肉の拮抗筋を先にトレーニングしてブレーキ機能を弱め、それからターゲットの筋肉(主働筋)を追い込むのが正しい順番です。
具体的には、上腕二頭筋を鍛えるスーパーセットでは上腕三頭筋の種目から、逆に上腕三頭筋を鍛えるスーパーセットでは上腕二頭筋の種目からトレーニングを行います。
●インターバルはとらない
スーパーセット法では、まず拮抗筋のセットを行い、インターバルはとらずに連続して主働筋のセットを行います。
インターバルをとってしまうと、拮抗筋が回復しブレーキ機能も回復してしまうのが理由です。
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■胸・背中・肩・腕・脚の具体的なスーパーセット法
それでは、ここからは大胸筋・広背筋・三角筋・上腕三頭筋・上腕二頭筋・大腿四頭筋・ハムストリングといった筋肉部位別の具体的な組み方を例示していきます。
●大胸筋のスーパーセット法
・ダンベルトレーニング
↓
【ダンベルプレス】
・バーベルトレーニング
↓
・マシントレーニング
↓
●広背筋のスーパーセット法
・ダンベルトレーニング
【ダンベルプレス】
↓
・バーベルトレーニング
↓
・マシントレーニング
↓
●三角筋のスーパーセット法
・ダンベルトレーニング
【ダンベルアップライトロー】(三角筋前中部)
⇔
【ダンベルリアラテラルレイズ】(三角筋後部)
・バーベルトレーニング
【バーベルアップライトロー】(三角筋前中部)
⇔
【バーベルフェイスプル】(三角筋後部)
・マシントレーニング
【マシンショルダープレス】(三角筋前中部)
⇔
【ケーブルリアデルタロー】(三角筋後部)
●上腕三頭筋のスーパーセット法
・ダンベルトレーニング
【ダンベルカール】
↓
・バーベルトレーニング
【バーベルカール】
↓
・マシントレーニング
【ケーブルカール】
↓
●上腕二頭筋のスーパーセット法
・ダンベルトレーニング
↓
【ダンベルカール】
・バーベルトレーニング
↓
【バーベルカール】
・マシントレーニング
↓
【ケーブルカール】
●大腿四頭筋のスーパーセット法
・ダンベルトレーニング
↓
・マシントレーニング
↓
●ハムストリングスのスーパーセット法
・ダンベルトレーニング
↓
・マシントレーニング
↓
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執筆者情報
上岡岳
アームレスリング元日本代表
ジムトレーナー・生物学学芸員
JAWA日本アームレスリング連盟常任理事|レフリー委員長・広報広報部長
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