トレーニングジムに入会したものの、初心者の方はどんなマシンでどこをどう鍛えればいいのかわからないかと思います。また、トレーナーが有料だったり、無料でも忙しそうで声をかけづらいことも少なくありません。
そこで、ジムに入会したての初心者の方が、全身をしっかり鍛えられるように、筋肉部位別のスタンダードなマシン筋トレメニューをご紹介するとともに、具体的な一週間のプログラムの組み方を例示します。
なお、初心者の方は、週に二回が一般的なトレーニング頻度ですので、週に2回のもっとも効率的な筋トレメニュープログラムを前提に進めていきます。
※筋トレと食事に関するネット情報はさまざまですが、当サイトでは下記の公的機関の情報に基づいて記載しています。
▼運動プログラム作成の原理原則
運動プログラム作成のための原理原則 -安全で効果的な運動を行うために
目次
■まずは全身の筋肉をグループ分け
●上半身の押す筋肉・引く筋肉・体幹の筋肉・下半身の筋肉
トレーニングを始める前に、ぜひ知っておきたいのが全身の筋肉の名称・作用と共働する(一緒に動く)筋肉のグループ分けです。鍛える対象をしっかりと把握しておくことは、筋トレの効果を出すためにとても大切なことです。
全身の筋肉は、一般的に上半身の押す筋肉・引く筋肉・体幹の筋肉・下半身の筋肉に分けられますが、そのグループを構成する主な筋肉の名称と作用を以下にまとめました。
●上半身の押す筋肉グループ
上半身の押す動作をする筋肉のグループには、胸の筋肉・大胸筋、肩の筋肉・三角筋、腕の筋肉・上腕三頭筋があり、それぞれの作用は以下の通りです。
○大胸筋:上部・下部・外側・内側に分けられ、腕を前方に押し出すしたり腕を前方で閉じる作用があります。
○三角筋:前部・中部・後部に分けられ、腕を前や横に上げる作用があります。
○上腕三頭筋:長頭・内側頭・外側頭から構成され、肘を伸ばす作用があります。
●上半身の引く筋肉グループ
上半身の引く動作をする筋肉のグループには、背中の筋肉・僧帽筋と広背筋、腕の筋肉・上腕二頭筋があり、それぞれの作用は以下の通りです。
○僧帽筋:下から腕を引いたり肩甲骨を引き寄せる作用があります。
○広背筋:中央部と側部に分けられ、それぞれ前や上から腕を引く作用があります。
○上腕二頭筋:長頭と短頭に分けられ、肘を曲げる作用があります。
●体幹の筋肉グループ
体幹の筋肉のグループには、体幹前面の筋肉・腹筋群と体幹背面の筋肉・長背筋群、股関節周辺の筋肉群・腸腰筋群や臀筋群があり、それぞれの作用は以下の通りです。
○腹筋群:腹直筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腹横筋の四層構造をしており、体幹を屈曲・回旋させる作用があります。
○長背筋群:脊柱沿いの筋肉群で最長筋・多裂筋・脊柱起立筋などから構成され、体幹を伸展・姿勢維持の作用があります。
○腸腰筋群:大腰筋・腸骨筋などから構成される股関節と大腿部をつなぐ体幹前面の筋肉群で、脚を前に持ち上げる作用があります。
○臀筋群:大臀筋・中臀筋・小臀筋の三層構造をした股関節と大腿部をつなぐ体幹後面の筋肉群で、脚を後ろに持ち上げる作用があります。
●下半身の筋肉グループ
下半身の筋肉のグループには、太もも前面の筋肉・大腿四頭筋、太もも背面の筋肉群・ハムストリングス、ふくらはぎの筋肉・下腿三頭筋筋があり、それぞれの作用は以下の通りです。
○大腿四頭筋:大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋に分けられ、膝関節を伸展させる作用があります。
○ハムストリングス:大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋から構成され、膝関節を屈曲させる作用があります。
○下腿三頭筋:ふくらはぎの筋肉で足首を伸ばす作用があります。
なお、さらに詳しい筋肉の名称と作用は以下の筋肉名称図鑑をご参照ください。
▼筋肉名称図鑑
【筋肉の名前と作用の完全図鑑】筋トレ部位の名称と共働筋・拮抗筋|その鍛え方
■筋肉グループを二つに組み合わせる
●超回復と筋肉量を考慮した最適な組み合わせ方
次に、週二回のトレーニングを想定して、四つの筋肉グループを一日目に鍛える筋肉グループ群と二日目に鍛える筋肉グループ群に組み合わせます。
筋肉はトレーニングでダメージを受けると、トレーニング前よりも強くなって回復する特性があり、これを超回復と言います。超回復前に再びトレーニングをすると筋肉は発達するどころか萎縮してしまうこともあるので、一つの筋肉に対しては週一回のトレーニング頻度が最適です。ですので、全身の四つの筋肉グループを週一日目と二日目に鍛えるグループに分けていきます。
また、その組み合わせはそれぞれのトレーニング日に鍛える筋肉の総量が同じになるようにするのが適切で、一般的には下記のように組み合わせます。
○グループA:上半身の押す筋肉グループ(筋量・小)+下半身の筋肉グループ(筋量・大)
○グループB:上半身の引く筋肉グループ(筋量・中)+体幹の筋肉グループ(筋量・中)
▼筋トレによる超回復と筋力向上について
■トレーニング目的別の負荷回数設定
●筋肥大なら8回セット・引き締めなら15回セット・ダイエットは20回セット
筋肉を構成する筋繊維には三種類あり、それぞれ、瞬発筋タイプ2b(FG|速筋繊維TYPE2b)・瞬発筋タイプ2a(FO|速筋繊維TYPE2a)・持久筋(SO|遅筋繊維TYPE1)と呼ばれています。
いわゆるゴリマッチョ筋トレと呼ばれる筋肥大目的のトレーニングでは瞬発筋タイプ2b(FG)を、細マッチョ筋トレと呼ばれる引き締め目的のトレーニングでは瞬発筋タイプ2a(FO)を、ダイエット筋トレの場合は持久筋(SO)をターゲットに鍛えていきますが、それぞれの筋肉を鍛えるために適切な負荷回数設定(何回の反復動作で限界がくる重量設定にするか)は以下の通りです。
○速筋繊維TYPE2b(FG筋):8回前後の反復で限界がくる高負荷設定で鍛えます。
○速筋繊維TYPE2a(FO筋):15回前後の反復で限界がくる中負荷設定で鍛えます。
○遅筋繊維TYPE1(SO筋):20回前後の反復で限界がくる低負荷設定で鍛えます。
※体幹の筋肉や前腕・ふくらはぎなどの末端の筋肉は筋繊維の構造が特殊なので、目的に関わらず20回以上の反復回数で鍛えるのがベストです。
筋トレの呼吸法|筋トレの頻度|筋トレの順番|筋トレの回数設定|筋肉の名前と作用|筋肉の超回復期間|筋トレの食事例|筋トレの栄養学|男性の筋トレメニュー|女性の筋トレメニュー
■マシン筋トレの正しい順番
●高重量複合関節種目から低重量単関節種目へ
初心者の方がジムで悩む大きな問題の一つに「筋トレ種目の順番」がありますが、複数の関節と筋肉を使う高重量の複合関節種目(コンパウンド種目)からはじめ、単一の関節と筋肉を使う単関節種目(アイソレーション種目)で仕上げるという正しい順番を覚えておきましょう。
それでは、次の項目からは具体的な筋トレメニュープログラムを解説していきます。あくまで一つの例なので、個人の体力などに合わせてセット数などは調整してください。また、トレーニングの順番は、各筋肉の連動性を考慮して最も効率のよいように組んでありますので、そのまま実践されることをおすすめします。
ピラミッドセット法|ドロップセット法|アセンディングセット法|ディセンディングセット法|フォースドレップ法|レストポーズ法|パーシャルレップ法|チーティング法|スーパーセット法|コンパウンドセット法|トライセット法|ジャイアントセット法|予備疲労法|部位分割法
■週一回目の筋トレメニュー
①チェストプレス(2~3セット)
上半身の押す筋肉グループ全体に効果的な基本種目がチェストプレスです。肩甲骨をしっかりと寄せ方を後ろに引いたまま押す動作をするのが動作のポイントです。
また、大胸筋の収縮と首の連動方向の関係は、「顎を引くと大胸筋が完全収縮する」です。セット終盤で苦しくなると、首をシートに押しつけるように顎を上げてしまいがちですが、苦しいときほど顎をしっかりと引いてください。
なお、一点注意したいのはグリップの位置が肩関節より下になるようにシートの高さを調整することです。これを怠ると肩関節故障の原因になりますので気をつけてください。
②マシンチェストフライ(1~2セット)
大胸筋を集中的に鍛えて仕上げるのに最適なトレーニングがマシンチェストフライです。腕を閉じた後に、さらに前方に腕を突き出すように力を入れると大胸筋が完全収縮して効果が高まります。
なお、こちらの種目もチェストフライと同様の理由で肘が肩のラインより下になるようにシートの高さを調整してください。
③ショルダープレス(1~2セット)
三角筋を集中的に鍛えてるのに最適な種目がマシンショルダープレスです。肘を体幹より後ろに引くと肩関節に負荷がかかってしまうので注意してください。
なお、三角筋は体幹の大きな筋肉(大胸筋や背筋群)と接合しているため、反動を使うと負荷がそれらに逃げてしまい、三角筋に効かせることが難しくなります。反動は使わずに確実にコントロールできる重量でしっかりと効かせてください。
④プレスダウン(1~2セット)
上腕三頭筋を集中的に鍛えてのに最適な種目がケーブルプレスダウンです。前傾して体重をかけると負荷が大胸筋に逃げてしまうので、しっかりと直立して肘の屈伸だけで動作をするようにしてください。
なお、広いグリップ幅で行うと上腕三頭筋外側の短頭(内側頭・外側頭)に負荷がかかり、狭く縦持ちのグリップで行うと内側の長頭に効果があります。
⑤レッグプレス(2~3セット)
下半身全体に効果の高い基本種目がレッグプレスです。膝関節保護のために、膝を曲げたときに膝がつま先より上にならないようにシートを調整してください。
ウエイトを押す時には太もも前側の大腿四頭筋に、下ろす時に耐えることで太もも裏側のハムストリングスに効果がありますので、ウエイトを戻す時もしっかりとコントロールして効かせるようにしてください。
⑥レッグエクステンション(1~2セット)
大腿四頭筋を集中的に鍛えるのに最適な種目がレッグエクステンションです。振り回さずに、脚を上げる時も下げる時も動作をコントロールして行ってください。
なお、膝を伸ばしたポジションでつま先を手前に向ける動作を加えることで、大腿四頭筋が完全収縮して効果が高まります。
⑦レッグカール(1~2セット)
ハムストリングスを集中的に鍛えるのに最適な種目がレッグカールです。膝を曲げたポジションでつま先を伸ばす動作をすると、ハムストリングスが完全収縮して効果が倍増します。
ウエイトを上げる時だけでなく、下ろす時にも大きな効果がありますので、丁寧にゆっくりと下ろして効かせてください。
■週二回目の筋トレメニュー
①ラットプルダウン(2~3セット)
広背筋を中心に上半身の引く筋肉グループ全体に効果の高い基本種目がケーブルラットプルダウンです。特に、背中の外側に位置する広背筋に効果的で、逆三角形の身体を目指すのには欠かせないトレーニングです。
腕を引きながら肩甲骨をしっかりと寄せ、最後に完全に寄せきって背筋群を完全収縮させることが動作のポイントです。
なお、狭い手幅で縦持ちのグリップで行うと僧帽筋と広背筋中央部に、リバースグリップで行うと広背筋下部に負荷がかかります。
②ケーブルローイング(2~3セット)
僧帽筋や長背筋群を中心に上半身の引く筋肉グループ全体に効果の高い基本種目がケーブルローイングです。
この種目も、腕を引きながら肩甲骨をしっかりと寄せるのが動作のポイントです。なお、上体を倒し過ぎないように気をつけてください。
セット終盤で苦しくなると、つい顎を引きがちですが、背中の筋肉と首の連動性は「顎を引くと背筋群が完全収縮する」です。苦しいときほど顎を引かずに動作を行ってください。
③マシンカール(1~2セット)
上腕二頭筋を集中的に鍛えるのに最適な種目がマシンカールです。しっかりとシートに座り、体重を使わずに肘の屈伸だけで動作をするのがポイントです。
また、肘が完全に伸びる位置までウエイトを戻すと、肘の靭帯に負担になりますので、膝が伸びきる直前で止めて動作を折り返してください。
なお、カールマシンがないジムでは、ケーブルマシンを使ったケーブルカールが同様の効果がありおすすめです。
④マシンクランチ(2~3セット)
体幹前面の腹筋群を鍛える基本種目がマシンクランチです。身体を曲げながら息を吐き、曲げきったポジションで息を吐ききり顎を引くことで腹筋群が最大収縮し、筋トレ効果が最大に高まります。
なお、反動を使って行うと腰椎に負担となりますので、折り返し点では一回一回確実に動作をとめるようにしてください。
⑤トルソーツイスト(1~2セット)
腹筋群のなかでも内腹斜筋と外腹斜筋に効果的なのがトルソーツイストです。この種目も、反動を使わずにしっかりと往復動作をして効かせることが大切なポイントです。
⑥レッグリフト(1~2セット)
厳密にはマシン筋トレではなく、専用の器具を使った自重トレーニングですが、腸腰筋群や腹筋下部に効果が高くおすすめな種目がレッグリフトです。脚を下ろす時もコントロールして効かせるようにしましょう。
なお、足は床と並行以上に上げてもあまり効果はなく、逆に反動を使わずに足を床と並行位置で一旦止めることで負荷が倍増します。
⑦ハイパーバックエクステンション(1~2セット)
こちらもローマンベンチと呼ばれる専用の器具を使った自重トレーニングですが、脊柱起立筋を中心とした長背筋群に効果的な種目がハイパーバックエクステンションです。
反動を使うと腰椎故障の原因になりますので、常に動作をコントロールして行ってください。
⑧カーフレイズ
下腿三頭筋を鍛える基本種目がカーフレイズです。ふくらはぎの筋肉は特殊なので他の部位と違い、筋肥大目的の場合は20~30回を1セットに、引き締めを目的の場合は30回以上を1セットの目安にしてください。
■スミスマシンの使い方
●バーベルトレーニングの入門準備に最適
ジムでのマシントレーニングに慣れてくると、チャレンジしてみたくなるのがフリーウエイトトレーニング=バーベルトレーニングですが、いきなりバーベルを持つことに躊躇する方も少なくありません。そのような場合におすすめなのが、スミスマシンです。
スミスマシンとはこの画像のように、バーベルがマシンのラック部分に設けられたガイドレールに沿って上下運動をするマシンです。フリーウエイトトレーニングに近い感覚でトレーニングができる上、グラつきをマシンが支えてくれるので初心者や女性でも扱いやすく、ほとんどのトレーニングジムにも一台は設置されている人気のマシンです。
ガイドレールがあるため安全ということもあり女性や初心者に人気ですが、実はトレーニング上級者にとっても使い方によっては非常にメリットのあるマシンです。つまり、軌道のグラつきをマシンが支えてくれるので、バーベルを挙上することだけに集中できるため、バーベルトレーニングよりも高重量・高負荷で筋肉を追い込むことができます。
それでは、ここからは代表的なスミスマシントレーニングを筋肉部位別にご紹介していきます。
●大胸筋のスミスマシントレーニング
・スミスマシンベンチプレス
こちらがスミスマシンベンチプレスの動画です。フリーウエイトのベンチプレスに比べ、グラつきがないので使用者がウエイトの挙上に集中できる様子がわかっていただけると思います。
ただし、軌道がずれているとシャフトが動かない分、ズレが全て肩関節にかかりますので、事前にシャフトだけでフォームチェックをし、肩が痛くないポジションを決めておくことをおすすめします。
●背筋群のスミスマシントレーニング
・スミスマシンデッドリフト
スミスマシンデッドリフトは、大きく足を広げて足と足の間をグリップするスモウスタイルもありますが、これは下半身の筋力も動員する競技デッドリフトの練習の意味合いが強いので、背筋のトレーニング目的であれば手幅を広くとり、手と手の間に足を肩幅程度に置くヨーローピアンスタイルがおすすめです。
デッドリフト系トレーニングは高負荷で鍛えられる反面、フォームを間違えると腰や膝を痛めるリスクが高いので注意が必要です。
●三角筋のスミスマシントレーニング
・スミスマシンショルダープレス
スミスマシンショルダープレスは、マシンがウエイトのブレを支えてくるので、フリーウエイトよりも高負荷をかけられるのがメリットです。
シートに座り肩幅よりも拳3っ分ほど広くグリップし、鎖骨の上にシャフトを当ててからフックを外します。そして、頭上にシャフトを押し上げ、同じ軌道で元に戻ります。
スミスマシンショルダープレスは押し上げる動作のなかで三角筋前部と中部に効果があり、負荷に耐えながら下ろす時に三角筋後部に効きます。ウエイトを下ろす時も、しっかりと筋力でコントロールして効かせながら下ろすようにしてください。
また、マシンのレールは固定されていますので、軌道のズレは全て肩関節に返ってきます。本セットの前に軽い重量で軌道確認を行い、関節に負担のかからないポジションで行うことが重要です。
具体的には、拳と肘が体幹より後ろにならないように軌道をとることが重要で、拳や肩が背面に回ってしまうと肩関節に開き負荷がかかりますので、十分に注意してください。
●下半身のスミスマシントレーニング
・スミスマシンスクワット
スミスマシンスクワットは、シャフトの軌道が固定されているため、ウエイトのブレを気にせず高負荷でトレーニングを行えます。
反面、軌道のズレは全て自分の腰や膝に返ってきますので、ポジションが悪いと関節に強い負担がかかります。
膝関節の保護のため、スミスマシンスクワットではシャフトの真下に入らず、やや足を前に置き、軽く後傾して持たれるようなフォームで行うことが大切です。
また、つま先の向きと膝の向きがずれていると、膝関節に捻り負荷がかかってしまいますので、内股や外股にならないように気をつけ、常に膝の向きをつま先と揃えるように意識してください。
なお、本セットの前にシャフトだけで軌道の確認を行うことをおすすめします。
■ケーブルマシンの使い方
●フレキシブルな軌道が特徴
ジムには、固定式マシン、スミスマシンのほかにケーブルマシンがあり、これには主に上からケーブルを引くタイプと前からケーブルを引くタイプがあります。
ケーブルマシントレーニングには大きく二つのメリットがあり、一つは「筋肉が最大収縮するポイントまで負荷がかかり続ける」ということで、もう一つが「軌道が固定されていないので体幹インナーマッスルも鍛えられる」ということです。
●大胸筋のケーブルマシントレーニング
・ケーブルフライ
大胸筋の仕上げトレーニングとして有効で、特に大胸筋内側に効果のあるケーブルマシン筋トレがケーブルフライです。
ケーブルフライのグリップと肩の位置関係はペッグデックの場合と同様に「グリップは肩より下」が基本となります。また、フィニッシュポジションで両手を交差(クロスオーバー)させることにより、限界まで大胸筋が収縮するので高い効果が得られます。
なお、本種目には下からケーブルを斜め上方に引き上げるローケーブルフライと、上からケーブルを斜め下方に引き下げるハイケーブルフライがあり、それぞれ大胸筋上部内側と大胸筋下部内側に効果があります。
●背筋群のケーブルマシントレーニング
背筋群のケーブルトレーニングのうち、ラットプルダウンとケーブルローイングに関してはすでに解説しましたので、その他の種目をご紹介します。
・ラットプルダウンビハインドネック
上で紹介した通常のラットプルダウンは、やや動作が難しく初心者の方は上手く効かせられないことも少なくありません。
そのような場合におすすめなのが、首の後ろにバーを引き寄せるラットプル・ビハインドネックです。
・ケーブルショルダーシュラッグ
僧帽筋を集中的に鍛えることのできるケーブル筋トレがケーブルショルダーシュラッグです。肘を曲げると他の筋肉が動員されてしまうので、肘は伸ばしたまま動作を行ってください。
●三角筋のケーブルマシントレーニング
・ケーブルデルタレイズ
三角筋は前部・中部・後部に分けられ、それぞれが作用する方向は以下のようになります。
・三角筋前部:腕を前に上げる
・三角筋中部:腕を横に上げる
・三角筋後部:腕を後ろに上げる
そして、この動きをケーブルマシンを使って行うのがケーブルデルタレイズですが、それぞれに以下のように呼ばれています。
・三角筋前部:ケーブルフロントレイズ
・三角筋中部:ケーブルサイドレイズ
・三角筋後部:ケーブルリアラテラルレイズ
三角筋前部を効果的に鍛えることのできるマシン筋トレがケーブルフロントレイズです。意識を集中して、三角筋だけで動作をするようにしてください。
三角筋側部(中部)を集中して鍛えることのできる種目がケーブルサイドレイズです。二台のケーブルマシンで左右同時に鍛えることも可能ですが、慣れるまでは片腕ずつ鍛えるシングルアームケーブルサイドレイズがおすすめです。
ケーブルリアレイズは三角筋後部を鍛えるのに最適なケーブルマシン筋トレです。
・ケーブルアップライトロー
アップライトローはケーブルマシンでも行うことが可能です。ケーブルトレーニングの特徴として、動作の間、常に筋肉に負荷がかかり続けるので、効率的に三角筋を鍛えることができます。
・ケーブルフェイスプル
ケーブルフェイスプルは、ややマイナーな種目ですが、効かせるのが難しい三角筋後部を初心者でも簡単に鍛えることができるトレーニング方法です。肘を高く上げ、手よりも先行させて動作することがポイントになります。
●上腕三頭筋のケーブルマシントレーニング
ケーブルプレスダウンはすでに解説しましたので、その他の上腕三頭筋種目をご紹介します。
・ケーブルキックバック
ケーブルキックバックは上腕三頭筋のなかでも長頭を集中的に鍛えられる種目です。
●上腕二頭筋のケーブルマシントレーニング
・ケーブルカール
ケーブルカールは、上腕二頭筋の最大収縮まで負荷がかかり続けるので、非常に優秀なトレーニングです。なお、ロープアタッチメントを使用して回旋運動をしながらカールをすると長頭・短頭別に限界まで追い込むことができます。
●腹筋群のケーブルマシントレーニング
・ケーブルクランチ
ケーブルクランチは、腹筋が完全収縮するポジションまで強いウエイト負荷がかかり続けるので、とても効率的な腹筋トレーニングです。
■筋トレをしたら食事にも気を使う
●栄養面の管理はトレーニングと同様に重要な要素
初心者の方にありがちなのが、トレーニング自体をするだけで満足してしまい、トレーニングと同等に重要な栄養面の管理を怠ってしまうことです。いくら筋トレを頑張っても、食事や栄養管理をしないとほとんど効果がありません。
まず、筋トレをして筋肥大するためには体重あたり2gの純タンパク質が必要とされています(引き締めやダイエットの場合は1~1.5g)。つまり、70kgの人の場合、一日に140gの純タンパク質(肉類に換算して700g)とかなり多く、筆者のジムでは、この量を摂りきれていないために筋肥大が停滞していると思われる初心者会員も少なくありません。
また、タンパク質を一度に吸収できる量は純タンパク質で約30g(肉類換算で150g)と一般的に言われており、一日三度の食事では筋肥大に必要なタンパク質量をまかないきれないと考え、筆者のジムでは、選手や会員は一日五食ほどにするか、プロテインを利用しています。
なお、実際の筋トレ食事メニュー例・レシピに関しては下記の記事をご参照ください。
▼関連記事
【筋トレ食事メニュー例完全版】バルクアップ・ダイエットそれぞれの料理レシピ紹介
■全マシン筋トレ種目一覧
●大胸筋のジムマシン筋トレ
●背筋群のジムマシン筋トレ
●三角筋のジムマシン筋トレ
●上腕三頭筋のジムマシン筋トレ
●上腕二頭筋のジムマシン筋トレ
●体幹・腹筋のジムマシン筋トレ
●下半身のジムマシン筋トレ
筋トレの食事メニュー例
筋肉の名称と作用の図鑑
男性向きの記事|女性向きの記事
自宅での筋トレ|自宅での筋トレ
自重での筋トレ|自重での筋トレ
チューブ筋トレ|チューブ筋トレ
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腹筋群の筋トレ|腹筋群の筋トレ
下半身の筋トレ|下半身の筋トレ
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執筆者情報
上岡岳
アームレスリング元日本代表
ジムトレーナー・生物学学芸員
JAWA日本アームレスリング連盟常任理事|レフリー委員長・広報広報部長
記事に記載されている内容は執筆者の運営するジムメンバーの実体験に基づく主観的意見および感想です。このため、記事の情報やこの情報を用いて行う利用者の判断について、当サイトは一切の責任を負うものではありません。記事の情報を用いて行う行動に関するあらゆる判断および決定は、利用者自身の責任において行っていただき、必要に応じて専門家等に相談されることを推奨いたします。また、トレーニングにおいては十分にウォーミングアップを行い、利用者自身の体力にあわせて動作を行うとともに、痛みや危険を感じる場合はすみやかに行動を中止することを推奨します。
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