初心者の方でも効果を実感できる自宅での筋トレメニューの組み方を、具体的な一週間3回のトレーニングプログラム(自重トレーニング+ダンベルorトレーニングチューブ)として例示します。はじめて筋トレに取り組む方でも、本プログラムの順番に実施していただければ効果的な、20年以上の指導実績のあるジムトレーナーによる内容で、実際に筆者の運営するジムの会員も行っているメニューです。
また、あわせて、筋トレのための食事メニューの知識やジムに行った場合の模範的な筋トレプログラムの組み方記事も末尾でご紹介します。
なお、本記事では下記の公的サイトの情報に基づき記載をしております。
▼運動プログラム作成の原理原則
運動プログラム作成のための原理原則 -安全で効果的な運動を行うために
目次
■筋トレで体型が変わる期間
●筋肉に刺激を与え筋肥大または筋密度向上
筋トレをすると体型が変わっていくのはよく知られたことですが、筋トレによって適切な刺激を受けた筋肉は、その重量回数設定により、筋肥大したり、筋密度が向上し引き締まったりします。
筋肉をたくさんつけたい方、引き締まった細マッチョ体型になりたい方、ダイエットとして痩せたい方、そんな全く違った目的でも、同じ筋トレ種目を重さと回数を適切にプログラムすることで、効果的に成果を出すことができます。
もちろん、もっとも効率的なプログラムでも成果が出るまでにある程度の期間が必要で、筋トレを継続することが大前提です。正直なところ、巷にあふれているような「○○だけですぐに効果」という方法はありません。しかし、正しい筋トレメニューと食事を続ければ、意外と早く成果は得られるものです。
筋トレ目的別の他人から見て変化がわかるレベルの成果が出るまでの期間は以下の通りです。
○バルクアップ:6ヶ月
「ゴツくなったね」と言われるレベル
○細マッチョ:3ヶ月
「引き締まったね」と言われるレベル
○ダイエット:3ヶ月
「痩せたね」と言われるレベル
■全身の主な筋肉を覚えよう
●上半身の押す筋肉・上半身の引く筋肉・下半身の筋肉・体幹の筋肉
筋トレを行っていく上で、まず最初に覚えたいのが全身の主な筋肉とそのグループ分けです。本プログラムで鍛えていく筋肉の名称・主作用とそのグループ分けは以下の通りです。
○上半身の押す筋肉グループ
大胸筋:胸の筋肉(腕を前に押す作用)
三角筋:肩の筋肉(腕を上げる作用)
上腕三頭筋:腕の後ろの筋肉(肘を伸ばす作用)
○上半身の引く筋肉グループ
広背筋:背中の筋肉(腕を前と上から引く作用)
僧帽筋:背中の筋肉(腕を下から引く作用)
上腕二頭筋:腕の前の筋肉(肘を曲げる作用)
○下半身の筋肉
大腿四頭筋:太もも前の筋肉(膝を伸ばす作用)
大腿二頭筋:太もも後ろの筋肉(膝を曲げる作用)
臀筋群:尻の筋肉(脚を後ろに上げる作用)
○体幹の筋肉
腹筋群:腹の筋肉(体幹を曲げる・捻る作用)
腸腰筋群:股関節の筋肉(脚を前に上げる作用)
脊柱起立筋:背骨沿いの筋肉(体幹を伸ばす作用)
なお、さらに詳しい全身の筋肉部位名称と作用については、下記の筋肉デジタル図鑑をご参照ください。
【筋肉の名前図鑑】胸・背中・腕・腹・下半身・インナーマッスルの名前と鍛え方
■筋トレ目的別の重さの決め方
●筋肥大・細マッチョ・ダイエットそれぞれに適切な負荷回数設定
筋トレで鍛える骨格筋を構成している筋繊維には以下の三種類があり、それぞれの特徴は次の通りです。
①速筋繊維TYPE2b(FG筋)
およそ10秒以内の短時間に瞬発的な収縮をし、鍛えると強く筋肥大します。10回前後の反復回数で限界がくる重さの設定で鍛えます。
②速筋繊維TYPE2a(FO筋)
30~60秒ほどの持続的かつ瞬発的な収縮をし、鍛えると程よく筋肥大します。15回前後の反復回数で限界がくる重さの設定で鍛えます。
③遅筋繊維TYPE1(SO筋)
60秒以上の持久的な収縮をし、鍛えると筋密度が向上し引き締まります。20回以上の反復回数で限界がくる重さの設定で鍛えます。
つまり、バルクアップ目的なら①、細マッチョや女性の部分ボリュームアップ目的なら②、引き締めダイエット目的なら③、の負荷回数設定で筋トレを行っていきます。
なお、腹筋群・腸腰筋・脊柱起立筋・前腕筋・下腿三頭筋など、日常での使用頻度の高い部位は、遅筋繊維主体で構成されていますので、いずれの目的でも20回以上の反復回数でトレーニングを行っていきます。
★まとめ
バルクアップ筋トレ:1セット10回
細マッチョ筋トレ:1セット15回
ダイエット筋トレ:1セット20回
腹筋・脊柱起立筋などは1セット20回以上
●筋繊維の種類に関する公的情報
”骨格筋を構成している筋繊維には大きく分けて速筋と遅筋の2種類があります。速筋は白っぽいため白筋とも呼ばれます。収縮スピードが速く、瞬間的に大きな力を出すことができますが、長時間収縮を維持することができず張力が低下してしまいます。遅筋は赤みがかった色から赤筋とも呼ばれます。収縮のスピードは比較的遅く、大きな力を出すことはできませんが、疲れにくく長時間にわたって一定の張力を維持することができます。”
▼参照サイト(厚生労働省|e-ヘルスネット)
▼参照文献
筋トレの呼吸法|筋トレの頻度|筋トレの順番|筋トレの回数設定|筋肉の名前と作用|筋肉の超回復期間|筋トレの食事例|筋トレの栄養学|男性の筋トレメニュー|女性の筋トレメニュー
■自宅でできる筋トレの種類
自宅でできる筋トレの種類には、自習トレーニング・チューブトレーニング・ダンベルトレーニングの三種類があり、それぞれの特徴は次のようになります。
●自重トレーニング
器具を使わず自分の体重を負荷に利用する筋トレ方法で、手軽にどこでもできるというメリットがあります。ただし、複数の筋肉を同時に鍛えるコンパウンド種目(複合関節種目)しかなく、個別に筋肉を鍛えるアイソレーション種目(単関節運動)がありませんので、トレーニングチューブやダンベルを使った仕上げをする必要があります。
●チューブトレーニング
個別に筋肉を鍛えるアイソレーション種目が豊富で、フリーウエイトではできない「上から引く動作」のトレーニングも可能です。ただし、高負荷がかけられないので細マッチョ筋トレやダイエット筋トレ向きです。
●ダンベルトレーニング
個別に筋肉を鍛えるアイソレーション種目が豊富で、負荷の調整が容易なためあらゆる目的の自宅筋トレに対応できます。ただし、自宅でかさばってしまうというデメリットがあります。
ピラミッドセット法|ドロップセット法|アセンディングセット法|ディセンディングセット法|フォースドレップ法|レストポーズ法|パーシャルレップ法|チーティング法|スーパーセット法|コンパウンドセット法|トライセット法|ジャイアントセット法|予備疲労法|部位分割法
■筋トレの正しい順番について
●複合関節運動種目から行い単関節運動種目で仕上げる
筋トレには正しい順番というものがあり、それを間違えると最後まで筋肉を鍛える(オールアウトする)ことが難しくなります。そのただしい順番とは、まずは、複数の筋肉と関節を同時に動かすコンパウンド種目(複合関節運動)で大きな筋肉を鍛え、単一の筋肉と関節だけを動かすアイソレーション種目(単関節運動)というものです。
先にアイソレーション種目で特定の筋肉だけを疲れさせてしまうと、連動する他の筋肉を鍛えることが難しくなりますので、必ずこの順番は守ってください。
★まとめ
①まずコンパウンド種目で大きな筋肉を鍛える
②アイソレーション種目で小さな筋肉を仕上げる
■筋トレの効果的な頻度について
●筋肉をグーループ分けして週3回のローテーションでトレーニングする
筋トレによって負荷を受けた筋肉は、その回復までに72時間の急速が必要になります。その目安の一つが筋肉痛ですが、筋肉痛が残った状態でさらにその部位をトレーニングすると、筋肉は発達するどころか萎縮してしまいます。
全身の筋肉を一度にトレーニングする筋トレプログラムの場合、最大で週に2回しかトレーニングができないことになりますので、これだと、成果を出すまでの期間がかかってしまいます。
そこで、効率的なのが全身の筋肉をグループに分け、週3回のローテーションで鍛えていく方法で、これを部位分割法(スプリットトレーニング)と言います。分割数は1週間に2~5回まで可能ですが、筋トレ初心者の方には、一回あたりのトレーニング量がほどほどになり、回復の観点(適切な食事と休息)からも実施しやすい週3回のスプリットトレーニングがおすすめです。
よく「超回復理論は証明されていない」という記載もありますが、公的機関のホームページにもしっかりと記載されていますので、筋トレはやはり超回復理論にのっとって行うことが大切です。
●筋トレ(無酸素運動)と超回復理論に関する公的情報
”筋肉はレジスタンス運動を行うと筋線維の一部が破断されます。それが修復される際にもとの筋線維よりも少し太い状態になります。これを「超回復」と呼び、これを繰り返すと筋の断面積が全体として太くなり筋力が上がります。筋力のトレーニングはこの仕組みを利用して最大筋力に近い負荷でレジスタンス運動し、筋が修復されるまで2~3日の休息ののち、またレジスタンス運動でトレーニングということの繰り返しによって行われます。(厚生労働省|e-ヘルスネット)”
▼筋トレによる超回復と筋力向上について
■初心者のための筋トレ基礎知識
初心者の方が実際に筋トレをはじめて行うにあたって、まずは知っておいていただきたい基礎知識・ポイントをまとめました。自己流で動作を行うと怪我のリスクなどもありますので、以下の点に十分に注意して行ってください。
①確実にコントロールできる重さで行なう
初心者の方にありがちなのが、早く成果を出したい、早く筋肉をつけたいと思うあまり、無理に重い重量でトレーニングを行ってしまうことです。
無理な重量でのトレーニングは、反動を使ったり、十分な可動範囲で動作ができませんので、かえって筋肉への効果は薄れてしまいます。確実にコントロールできる重量設定で筋トレを行ってください。
②動作の折り返しポイントで反動を使わない
筋トレは1セットのみならず、1回1回の動作を確実にゆっくりと効かせながら行なうことで、はじめて効果が出ます。動作の折り返しポイントでは、慌てずに反動を使ったりせず、確実にスピードコントロールをして行ってください。
③腰を曲げた姿勢で行わない
筋トレにはさまざまな種目があり、フォームもそれぞれですが、共通のポイントとして「腰を曲げない」ということがあります。前かがみになる姿勢で行うトレーニングでも、腰はやや反らせるか真っ直ぐに保ち、腰への負担がないようにしてください。
④十分にインターバルをとる
トレーニングセットのインターバルは、筋肥大であれば2~3分、ダイエットであれば1分前後が一般的ですが、初心者の方の場合は、息が上がった状態で次のセットにのぞむと動作・フォームが乱れがちですので、筋トレに慣れるまでは通常よりも長めにインターバルをとって、1セット1セットしっかりと集中して行ってください。
⑤鍛える筋肉に意識を集中する
初心者の方にありがちなのが、漠然と決められた動作をしてしまい筋肉に上手く負荷を加えられないということがです。「今、どの筋肉を鍛えているか」を常に意識し、ターゲットとなる筋肉に意識を集中するようにしてください。
■まずは体幹トレーニングから始める
●三種類の基本種目を1~2週間行い身体を慣らす
初心者の方が筋トレを始めて、すぐに挫折してしまうケースとして多いのが、最初から一般的な筋トレ実施して、体力が追いつかなかったり筋肉痛になりすぎたりするパターンです。
これを避けるために、筆者の運営するジムでは、まずは身体を筋トレに慣らすために強度の低い体幹トレーニングを週3回行ってもらっています。
そのメニュープログラムは以下の通りです。
①身体の前側を刺激するフロントプランク
まずは、身体の前側を刺激するフロントプランクです。この画像のように、肘をついて背すじと下半身を一直線にし、30秒間静止します。
②身体の側面を刺激するサイドプランク
続いて、身体の側面を刺激するサイドプランクを行います。この画像のように、肘をつき背すじと下半身を一直線にして横を向いて制する姿勢を30秒間行います。
③身体の背面を刺激するバックエクステンション
最後に、身体の背面を刺激するバックエクステンションを行います。うつ伏せになり、ヘソを中心に上半身と下半身を浮かせた姿勢を10秒×3回行って1セットです。
●初めての筋トレ|最初の二週間メニューまとめ
この三種類の体幹トレーニングを順番に①→②→③→①→②→③→①→②→③と3回繰り返して一日のメニューは終了です。この準備的なプログラムを1~2週間行い、筋トレを始めることにまずは身体を慣らしていきます。
■○自宅での腹筋筋トレ(毎回)
まずは、腹筋のトレーニングをご紹介します。本プログラムでは、週3回の筋トレを①上半身の押す筋肉②下半身の筋肉③上半身の引く筋肉の順にプログラムしていますが、腹筋は回復速度が速い筋肉部位なので、各トレーング日に毎回、最後に1種目ずつ最低1セット、できれば各2セット行なってください。
また、体力的に毎回は難しい方は、いずれかの日に一回行いましょう。
①クランチ系種目:20回×1~3セット
クランチは、腹直筋上部に効果のある腹筋運動の基本となる種目です。仰向けになり、上半身を起こしながら息を吐きます。そして、身体を起こしたポジションで息を吐ききり腹筋を完全収縮させるのがポイントです。
また、戻る時に勢いをつけて反動を使うと、腰椎を痛めるリスクがありますので、身体を戻す時も確実にコントロールした動作で行ってください。
なお、トレーニングチューブ・ダンベル・ケーブルマシンを追加負荷で使うバリエーションもあり、それぞれチューブクランチ・ダンベルクランチ・ケーブルクランチと呼ばれています。
◆回数の目安
バルクアップ・細マッチョ・ダイエットいずれも20回
●レッグレイズ系種目:20回×1~3セット
レッグレイズは腹直筋下部に効果的な基本トレーニングで、腸腰筋群にもとても有効です。まず、仰向けになり、引きを吐きながら足を45度程度まで上げていき、そこで息を吐ききり腹筋を完全収縮させます。
そこから足を下ろしていきますが、この時に足を勢いよく下ろして反動を使うと腰椎に負担になりますので、しっかりとコントロールして下ろしてください。足を下ろしたら、息を吸って再び足を上げていきます。
なお、バリエーションとしてチューブレッグレイズ・ダンベルレッグレイズ・ケーブルレッグレイズなどがあります。
◆回数の目安
バルクアップ・細マッチョ・ダイエットいずれも20回
●ツイスト系種目:20回×1~3セット
腹斜筋に効果的でくびれ作り筋トレの基本となるのがツイスト系種目です。動画はVシットツイストと呼ばれるもので、足と上半身を起こしてV字になり、そこから上半身を左右に捻るトレーニングです。一往復を一回と数えてください。
なお、腹斜筋のトレーニングにはこのほかにもチューブサイドベント・ダンベルサイドベント・ケーブルサイドベント・トルソマシンツイストなどがあります。
◆回数の目安
バルクアップ・細マッチョ・ダイエットいずれも20回
★まとめ
腹筋トレーニング三種目は、週3回毎回の筋トレの最後に行なう。無理な場合は週一回どこかの日に行う。
●腰痛になりにくい腹筋運動
・カールアップがおすすめ
今回ご紹介している腹筋運動では腰痛が不安な方には、腰への負担が少ないカールアップと呼ばれる種目がおすすめです。
●筋トレに慣れてきたらチャレンジしたい種目
・スーパーマンバックエクステンション(脊柱起立筋)
筋トレに慣れてきたら、チャレンジしていただきたい腹筋群の拮抗筋である脊柱起立筋のトレーニング、両手両足を上げた状態で行うスーパーマンバックエクステンションです。
脊柱起立筋は、筋トレを始めたばかりの頃は、他のトレーニングで十分に鍛えられすが、身体が強くなってくると個別に鍛えたい箇所です。腹筋トレーニングの流れで同時に行うようにしてください。
うつ伏せになり手足を床から浮かせるだけのシンプルなトレーニングですが、反動を使って行うと腰椎に負担がかかりますので、ゆっくりとしたコントロールされた動作を心がけてください。
それでは、次の項目からは具体的な週3回の筋トレプログラムを例示していきます。週3回それぞれに解説している順番通りに行っていただければ、成果が得られるように組んでいます。
セット数については体力に合わせて増減していただいてかまいませんが、セットの順番は筋トレの基本である正しい順番に組んでありますので、そのまま実施してください。
■①自宅での大胸筋系筋トレ(週1回目)
①腕立て伏せ:3セット
自宅での上半身の押す筋肉(大胸筋・三角筋・上腕三頭筋)の基本筋トレとなるのが腕立て伏せです。手を肩幅よりやや広く構え、背すじを伸ばしたまま身体を下ろし、息を吐きながら身体を押し上げ元に戻ります。
また、特に女性のなかには腕立て伏せができない方も少なくありませんので、その場合には、この画像のような強度の低い膝つき腕立て伏せで代用してください。
・腕立て伏せができなければダンベルプレス
膝つき腕立て伏せも難しい方は、ダンベルを使ったダンベルプレスや、かわりにチューブを使ったチューブチェストプレスでも同様の効果が得られます。
◆回数の目安
バルクアップ:10回
細マッチョ:15回
ダイエット:20回
②ダンベルフライ:2セット
ダンベルフライは、腕立て伏せやプレス系で鍛えにくい大胸筋内側を集中的に鍛えられるトレーニング方法です。ベンチに仰向けになり(床でも可)、ダンベルを胸の上で構えます。そこから、拳が肩のラインよりヘソよりになるようにできるだけ深く下ろし、再び元の位置に戻ります。
拳が肩のラインよりも頭側になると、肩関節に負担がかかりますので注意してください。
なお、トレーニングチューブを使ったチューブフライでも同様の効果が得られます。
◆回数の目安
バルクアップ:10回
細マッチョ:15回
バストアップ:15回
③パイクプッシュアップ:2セット
パイクプッシュアップは肩の筋肉・三角筋に効果的な自重トレーニングで、腰を大きく曲げて、斜め後方に身体を押し上げる腕立て伏せのバリエーションです。
・パイクプッシュアップのかわりにダンベルショルダープレス
パイクプッシュアップのかわりに、この動画のようなダンベルショルダープレスを行っても同様の効果が得られ、トレーニングチューブを使ったチューブショルダープレスでも同様です。
◆回数の目安
バルクアップ:10回
細マッチョ:15回
ダイエット:20回
④ベンチディップス:2セット
ベンチディップスは二の腕裏側の上腕三頭筋に効果的なトレーニング方法で、台などに後ろに回した手をつき、身体を下ろして押し上げる筋トレです。肘をできるだけ閉じて行うことがポイントで、負荷が足らなければ足も台に乗せ、負荷がきつければ床で行ってください。
・ベンチディップスのかわりにダンベルキックバック
また、自重を支えるのが厳しい女性がベンチディップスのかわりに行ったり、上腕三頭筋を追い込みたい男性の追加種目としては、ダンベルキックバックがおすすめです。肘を体側にしっかりと固定し、肘から先だけで動作をするのがポイントです。
◆回数の目安
バルクアップ:10回
細マッチョ:15回
ダイエット:20回
⑤腹筋のトレーニング
週1回目の自宅トレーニングの最後に、先に解説した腹筋の筋トレを各数セットずつ行ってください。
●筋トレに慣れてきたらチャレンジしたい種目
・足上げ腕立て伏せ(大胸筋)
足上げ腕立て伏せは、通常の腕立て伏せよりもさらに高強度で大胸筋を鍛えられるバリエーションです。お腹を突き出したフォームになると、強度が通常の腕立て伏せとあまりかわらなくなりますので、やや腰を曲げて行うくらいが適切です。
・ダンベルプルオーバー(大胸筋)
ダンベルプルオーバーは、大胸筋に縦方向の刺激を加えられる数少ないトレーニング種目で、発達が停滞した頃に筋トレメニューに組み込むと効果的です。
プルオーバー系の動作は、肘の角度と位置により、大胸筋に効いたり広背筋に効いたりする少し特殊な筋トレですが、大胸筋に負荷を集めるためには、肘を曲げるとともになるべく肘同士を近づけて行うことがポイントです。
・チューブサイドレイズ(三角筋)
チューブサイドレイズは、三角筋のなかでも中部を集中的に鍛えることのできるトレーニング方法です。三角筋は背筋群と隣接しているため、上半身を反らせたり、肩甲骨を寄せる動作をすると負荷が背筋群に逃げてしまいます。直立を維持し、なおかつ肩甲骨を寄せないように注意して動作を行ってください。
なお、ダンベルを使ったダンベルサイドレイズは、特に男性の肩幅を広げる筋トレとして有効です。
・ダンベルフレンチプレス(上腕三頭筋)
ダンベルフレンチプレスは、上腕三頭筋が肩甲骨に接合している特性を利用し、肘を肩より上に上げることで筋肉を最大伸展させてから収縮させられる非常に効果的なトレーニング方法です。
バルクアップに適切な負荷回数で行えば、男性の腕を太くする筋トレとして非常に有効で、また、ダイエットに適切な負荷回数で行えば、女性の二の腕痩せ筋トレとして優れています。
■②自宅での下半身系筋トレ(週2回目)
①スクワット系種目:3セット
スクワット系の種目は下半身の筋肉全てに効果的な基本トレーニングです。胸を張り、膝がつま先よりも前に出ないように注意して、尻を後方に突き出しながら、太ももが床と並行になるまでしゃがみます。そして、そこから立ち上がる動作を繰り返します。
しゃがむ時に太ももの裏側に対して効果的ですので、勢いをつけずゆっくりとしゃがむのがポイントになります。
自重だけで負荷が足らない場合は、動画のようにダンベルを持って行うか、トレーニングチューブを肩にかけて負荷を追加してください。
なお、通常の自重スクワットを行うのが筋力的にきついと感じる女性の方は、このような椅子を使って行う椅子スクワットがおすすめです。
◆回数の目安
バルクアップ:10回
細マッチョ:15回
ダイエット:20回
このほかに、下半身全体に効果的な種目としては、ブルガリアンスクワットやチューブレッグプレスなどもあります。
②ダンベルレッグエクステンション:2セット
ダンベルレッグエクステンションは太もも前側の大腿四頭筋を集中的に鍛えられるトレーニング方法です。椅子に座り、つま先にダンベルを挟んで膝から先を上下させる筋トレで、上半身を後ろに倒さずに行うことがポイントです。
ダンベルのかわりにトレーニングチューブを使ったチューブレッグエクステンションでも同様の効果が得られます。
◆回数の目安
バルクアップ:10回
細マッチョ:15回
ダイエット:20回
③ダンベルレッグカール:2セット
ダンベルレッグカールは太もも裏側のハムストリングスから臀筋群にかけて効果的なトレーニング方法で、女性のヒプアップにもおすすめの種目です。ベンチや床にうつ伏せになり、つま先にダンベルを挟んで構えます。そこから、膝を曲げてダンベルを上げ、膝が90度になったら元に戻していきます。
ダンベルのかわりにトレーニングチューブを使ったチューブレッグカールでも同様の効果が得られます。
◆回数の目安
バルクアップ:10回
細マッチョ:15回
ヒップアップ:15回
④腹筋のトレーニング
週1回目の自宅トレーニングの最後に、先に解説した腹筋の筋トレを各数セットずつ行ってください。
●筋トレに慣れてきたらチャレンジしたい種目
・ブルガリアンスクワット(ハムストリングス)
ブルガリアンスクワットは自重スクワット系トレーニングのなかでも最高強度レベルの種目で、ブルガリアの五輪女子体操チームが考案したことでも有名です。
胸を張り膝とつま先の位置に気をつけ、斜め後ろにしゃがむといった、基本動作は自重スクワットに準じますが、後足を主体に動作を行うことで、ハムストリングスから臀筋群にかけての下半身後面に非常に高い効果があります。
・ダンベルスティッフレッグドデッドリフト(ハムストリングス)
ダンベルスティッフレッグドデッドリフトは、膝を伸ばしたまま床のダンベルを引き上げるトレーニングで、太もも裏側のハムストリングスから臀部にかけて効果的なトレーニングです。特に女性のヒップアップトレーニングとして広く行われています。
・チューブアダクション(内転筋群)
チューブアダクションは、太ももを閉じる(内転させる)筋肉である内転筋群に効果的なチューブトレーニングで、自重やダンベルでは鍛えにく内転筋群の数少ない筋トレ種目です。
女性の内もも引き締めダイエットに有効な種目です。
■③自宅での背筋群系筋トレ(週3回目)
①懸垂系トレーニング:3セット
上半身の引く筋肉の基本トレーニングとなるのが懸垂です。懸垂といえば、どうしてもバーより上にバーを上げて1回、と考えがちですが、背筋のトレーニングとして考えた場合、顎を上げることにこだわってしまうと、背中が丸まり背筋に負荷が届かなくなります。
ですので、バーに胸をつけに行く軌道で動作を行い、身体を引き上げたポジションで肩甲骨を寄せきり、背筋群を完全収縮させてください。
また、女性の場合は懸垂を行うのは非常に困難ですので、自宅の机を流用した斜め懸垂で代用してください。
なお、斜め懸垂でも動作がきついという方は、このようにドアにシーツを挟んで緩やかな角度の斜め懸垂を行ってください。
◆回数の目安
バルクアップ:10回
細マッチョ:15回
ダイエット:20回
②ローイング系種目:2セット
ダンベルローイングは、背筋群のなかでも僧帽筋や広背筋中央部に効果的なトレーニング種目で、女性の背中痩せ筋トレとして有効です。なかでも、片手をついて行うワンハンドダンベルローイングが可動域が広くおすすめです。
片手をついたら胸を張り前を見て構えます。そこからダンベルを引き寄せながら肩甲骨を寄せていき、最後に寄せきって背筋群を完全収縮させます。
なお、トレーニングチューブを使ったチューブローイングでも同様の効果が得られます。
◆回数の目安
バルクアップ:10回
細マッチョ:15回
ダイエット:20回
③カール系種目:2セット
ダンベルカールは、二の腕前側の上腕二頭筋の基本トレーニングです。肘を体側にしっかりと固定して構え、そこからダンベルを上げていきます。肘を完全に曲げきると、床に対して垂直になった前腕骨の上にウエイトが乗り、筋肉に対する負荷が抜けてしまいますので、肘を完全に曲げきる手前で折り返していきます。
ダンベルを下ろす時にウエイト負荷に耐えることでも上腕二頭筋に大きな効果がありますので、ダンベルを振り回さず、しっかりと筋力でコントロールしてゆっくりと下ろすようにしてください。
また、トレーニングチューブを使ったチューブカールでも同様の効果が得られます。
◆回数の目安
バルクアップ:10回
細マッチョ:15回
ダイエット:20回
●上腕二頭筋トレーニングに有効な補助器具
上腕二頭筋のトレーニングにおいて重要なことは「肘を固定して動かさない」ことですが、そのための有効な補助器具がアームブラスターと呼ばれるギアです。
筆者の運営するIFA国際アームレスリング連盟公認ショップの正規輸入代理店では品質を事前に確認したアームブラスターを、独自ルートで仲介業者を介さずに輸入しており、比較的リーズナブルに提供していますので、ぜひ、ご参照ください。
▼アームブラスターを見てみる
▼アームブラスターの解説記事
【アームブラスター】反動筋トレさようなら|上腕二頭筋を鍛える優良グッズ
④腹筋のトレーニング
週1回目の自宅トレーニングの最後に、先に解説した腹筋の筋トレを各数セットずつ行ってください。
●筋トレに慣れてきたらチャレンジしたい種目
・チューブラットプル
自宅トレーニングでは、懸垂以外に広背筋側部を鍛えるトレーニングがあまりないため、特に逆三角形を目指す男性の困りどころですが、チューブラットプルは広背筋側部の作用である「上から腕を引く動作」で筋トレを行える数少ない種目です。
動作ポイントは懸垂と同じで、腕を引き寄せがら肩甲骨を寄せていき、最後に寄せきって広背筋を完全収縮させます。
・ダンベルデッドリフト
ダンベルデッドリフトは、自宅でのウエイトトレーニングとしてはかなり高負荷で背筋群を鍛えられるトレーニングです。胸を張ってやや尻を突き出して構え、膝がつま先より前に出ないように注意して斜め後方にしゃがみます。
そこから、上を向いて背中が丸まらないようにして立ち上がり、その動作を繰り返します。
・チューブリバースフライ
チューブリバースフライは、胸のトレーニングであるチューブフライの前後を逆にしたような種目で、手を水平にして後ろ向きに開いていきます。最後に肩甲骨を完全に寄せきり、しっかりと背筋群を収縮させてください。女性の背中痩せトレーニングとして有効です。
・ダンベルドラッグカール
ダンベルドラッグカールは、通常は肘を固定して行う単関節運動のダンベルカールに、肘を後ろに引き込む動きを加え、複合関節種目とした筋トレメニューです。
メリットとして、通常のダンベルカールよりも高重量で行えることや、上腕二頭筋が完全収縮するポジションで前腕骨が床と垂直にならず、負荷を与え続けられることが上げられます。
■部位別の自宅筋トレ
大胸筋の自宅トレーニング
背筋群の自宅トレーニング
三角筋の自宅トレーニング
上腕三頭筋の自宅トレーニング
上腕二頭筋の自宅トレーニング
自宅筋トレメニュー完全解説
■筋トレ効果を高める食事
●まずはタンパク質の摂取をしっかりとすることが大切
初心者の方にありがちなのが、トレーニング自体をするだけで満足してしまい、トレーニングと同等に重要な栄養面の管理を怠ってしまうことです。いくら筋トレを頑張っても、食事や栄養管理をしないとほとんど効果がありません。
まず、筋トレをして筋肉を発達させるためには体重あたり2gの純タンパク質が必要とされています(引き締めやダイエットの場合は1~1.5g)。つまり、70kgの人の場合、一日に140gの純タンパク質(肉類に換算して700g)とかなり多く、筆者のジムでは、この量を摂りきれていないために筋肉の発達が停滞していると思われる初心者会員も少なくありません。
まずは、タンパク質の豊富な肉類・魚類・乳製品・大豆食品などを十分に摂るようにし、せっかくの筋トレの労力を無駄にしないようにしてください。
なお、実際の筋トレ食事メニュー例・レシピに関しては下記の記事をご参照ください。
▼関連記事
【筋トレの食事メニューレシピ例紹介】バルクアップ・ダイエットそれぞれに最適なカロリー・栄養素比率
▼身体と栄養の基礎知識
筋トレの食事メニュー例
筋肉の名称と作用の図鑑
男性向きの記事|女性向きの記事
自宅での筋トレ|自宅での筋トレ
自重での筋トレ|自重での筋トレ
チューブ筋トレ|チューブ筋トレ
ダンベル筋トレ|ダンベル筋トレ
マシーン筋トレ|マシーン筋トレ
バーベル筋トレ|バーベル筋トレ
大胸筋の筋トレ|大胸筋の筋トレ
背筋群の筋トレ|背筋群の筋トレ
三角筋の筋トレ|三角筋の筋トレ
三頭筋の筋トレ|三頭筋の筋トレ
二頭筋の筋トレ|二頭筋の筋トレ
腹筋群の筋トレ|腹筋群の筋トレ
下半身の筋トレ|下半身の筋トレ
筋トレ情報トップページへ戻る
おすすめの筋トレグッズ
押す筋トレにはリストラップを
上半身の押す筋トレにぜひとも使用したいのが手首を保護するリストラップと呼ばれる筋トレグッズです。多くの初心者は、まだ手首を保持する力が弱く、腕立て伏せなども先に手首が痛くなってしまい完遂できないケースが少なくありません。リストラップを使えば、最後まで筋肉を追い込むことができ、とても効率的に身体を鍛えていくことが可能です。
▼おすすめのリストラップ
おすすめリストラップを見る
▼リストラップとは?解説記事
【おすすめのリストラップ】初心者むけに使いやすい長さやリストストラップとの違いも解説
引く筋トレにはパワーグリップを
上半身の引く筋トレで初心者の方に多く見られるのが「先に握力がなくなって追い込めない」というケースです。筋トレは101%で行ってはじめて成果がでます。パワーグリップを使用して引くトレーニングの効率を上げることをおすすめします。
▼おすすめのパワーグリップ
おすすめパワーグリップを見る
▼パワーグリップとは?解説記事
【おすすめのパワーグリップ】使い方の解説と男性・女性どちらにも快適なアイテム紹介
筋トレの基本グッズはトレーニングベルト
腰を保護するだけでなく、腹圧を高め最大筋力を向上させてくれるトレーニングギアがトレーニングベルトです。筋トレにおいては、ほぼ必須のギアとも言えますので、ぜひ入手することをおすすめします。なお、トレーニングベルトはトレーニーにとって「筋トレの友」とも言える存在になってきます。はじめから安易なものを選ばずに、考えているよりもワンランク・ツーランク上のものを入手することがベルト選びの秘訣です。
▼おすすめのトレーニングベルト
おすすめのパワーベルトはこちら
▼トレーニングベルトの種類と使い方
【おすすめのトレーニングベルト】選び方・巻き方から男性筋トレ用・女性用・ベンチプレス用まで詳しく解説
本格的トレーニングには高耐荷重ラック+オリンピックバーベル
本科的なバーベルトレーニングに必須のラック類・バーベルセット(オリンピックシャフト&プレート)は、IPF公認メーカーのONI鬼シリーズが最適です。
屈強な構造とリーズナブルな設定で、ハイエンドホームジムや業務ジム用に全国的な人気を誇っています。
ONI鬼ラックシリーズはこちら
ONI鬼バーベルセットはこちら
執筆者情報
上岡岳
アームレスリング元日本代表
ジムトレーナー・生物学学芸員
JAWA日本アームレスリング連盟常任理事|レフリー委員長・広報広報部長
記事に記載されている内容は執筆者の運営するジムメンバーの実体験に基づく主観的意見および感想です。このため、記事の情報やこの情報を用いて行う利用者の判断について、当サイトは一切の責任を負うものではありません。記事の情報を用いて行う行動に関するあらゆる判断および決定は、利用者自身の責任において行っていただき、必要に応じて専門家等に相談されることを推奨いたします。また、トレーニングにおいては十分にウォーミングアップを行い、利用者自身の体力にあわせて動作を行うとともに、痛みや危険を感じる場合はすみやかに行動を中止することを推奨します。
※当ブログの画像はWikipediaやpixabayなどのフリー画像および著作権者に許可を得た画像のみを使用しています。