よく受ける質問に「筋トレの成果や効果が出るまでの期間」があります。これは個人差があり一概には答えられないので困りますが、ごく標準的な資質の標準的な体型の人が、標準的な週2~3回のスプリットトレーニングを行った場合の体型の変化を、4つのステージに分けて、数多くのトレーニング会員を見てきたトレーナーの立場から解説します。
また、あわせて筋トレ効果を上げるためのさまざまなメソッドや、女性のダイエット筋トレの成果が3ヶ月ほどで実感できるための具体的方法などについてもご紹介します。さらには、筋トレで得られる長期的な効果=人生におけるメリットなども解説します。
目次
■男性の筋トレ効果が出るまでの期間と4つのステージ
●坂道ではなく階段を上がるイメージで効果があらわれる
スポーツ競技の強さも同じですが、筋トレもその効果や成果の上がり方は均一の直線ではありません。どちらかと言えば、階段を上がるイメージをしてください。身体は、日々の努力の結果、一つ一つの壁を越えて段階的に発達していきます。
そして、各ステージそれぞれの壁には、それぞれの問題や落とし穴があり、それを克服しながら上がっていくのです。
なお、本記事では架空のモデルとして、筋トレ経験のない170cm60kgの20代半ばの男性を設定します。職業はサラリーマン、一人暮らし、彼女あり、です。筋トレの目的は筋肥大・バルクアップです。
■①1~3ヶ月目の筋トレ効果
●継続できるかが効果を出せるかの壁
決して逞しいとは言えない青年が、一念発起してジムに入会します。発達の指標として生まれてはじめて挙げてみたベンチプレスは50kg程度でしょう。
はじめの一週間は、経験したことのない筋肉痛に驚きます。最初の壁です。それが発達への喜びに感じられれば3ヶ月は続きます。痛みが苦痛であれば、数回トレーニングして終わりです。
●筋肥大の成果を出すのには時間がかかる
ダイエット筋トレと違い筋肥大筋トレでは、トレーニング開始から1ヶ月程度では身体の変化は皆無で、無駄な脂肪が少し落ちる程度です。
自分自身で効果が実感できるまでには、最低でも3ヶ月は必要でしょう。そして、効果や成果が出るまでの期間が一番気になり始めるのも3ヶ月目くらいで、ここで焦ってしまってはきちんとした成果は出せずに終わります。
良心的なトレーナーなら、はっきりと本当のことを答えるはずです。「まずは半年、結局は3年」。
そう、筋トレの効果や成果が出るには、想像以上の時間がかかるのです。仕事の付き合いや彼女との時間を割いてでも、週2回の筋トレを続けられる覚悟ができるか否かが分かれ目です。
ただし、最初の一年は期待通りの体型変化がないにしても、筋力は飛躍的に伸びますので、ベンチプレスの扱う重量の向上などにモチベーションを持つとよいでしょう。
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●ますは、筋トレの基礎となる科学知識を理解する
また、いくら初心者とは言え、トレーナーに教えてもらうだけの受身の姿勢では、なかなか筋トレの成果は上がりません。やはり、自分自身で筋トレの基礎となる科学的な知識を調べ、理解し、実践していくほうがはるかに筋トレ効果を出しやすくなります。
■②3ヶ月~一年目の筋トレ効果
●力が強くなり自分では身体の変化がわかる
3ヶ月トレーニングが続いた人は、徐々に自身の身体が強く逞しく変化していることが実感できます。ただし、あくまでも自分でわかる程度の変化で、まわりの人は気づかないでしょう。
また、実際、ジムに入会した日よりあきらかに力も強くなっています。非常に充実した時期です。
●筋肉の発達停滞期を突破するための食事
初心者の急激な進化は、遅かれ早かれ一年ほどで頭打ちをむかえます。最初のプラトー(停滞期)です。トレーナーに相談して筋トレメニューや食事メニューを組み直すとよいでしょう。
ここが、一年目の最大の壁ですが、身体を発達させるためには大量のタンパク質が必要です。筋肉が強く太くなればなるほど必須タンパク質量は増えていきます。
おおまかな計算ですが、筋肉のための食品=肉類や魚介類に2万円/月程度必要でしょう。
一般的な身体とは違う逞しい身体になり、それを維持するには、それくらいの出費があるのは当然と考えましょう。お金をけちると、強くも逞しくもなりません。
この壁を越える頃には、170cmの青年は65kgになり、ベンチプレスも体重以上の70~80kgを挙げており、一線である100kgが目標として見えてきます。
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■③1~3年目の筋トレ効果
●効果を出すために生活の変化を乗り越える時期
一年間トレーニングが続いた人は、すでに筋トレが生活習慣になっており、トレーニングを自らやめることはあまりなくなります。
しかし、20代も後半になれば、仕事では責任のある位置につき、プライベートでも結婚など生活に大きな変化が訪れます。
トレーニングと仕事・家庭、両立していくのか、取捨選択するのかの分かれ目です。
●一線を越えた筋トレ効果を出すには目的意識を明確にする
残念ではありますが、実際、仕事の都合や家庭の事情で志半ばでトレーニングをやめていく人は少なくありません。せっかく、筋トレの成果が出て、身体つきも一線を越えた身体になりかけているのにも関わらずです。
この時期にきっちりするべきことが「何のために鍛えるのか」という答えを、その時の自分なりに出し、職場の人や家庭ではっきりと答えられるようにすることです。
「そんなことより残業してよ」「お金ばかりかかって何の得にもならない」という職場や家庭での声は、想像以上にモチベーションを削ぐものです。
それらの問題を乗り越えて、3年間が経つ頃には、青年は170cm75kg、胸囲100cm以上、腕回り35cm以上、ベンチプレス100kg以上となり、最初の一線を越えた「鍛えた身体」になっています。

ピラミッドセット法|ドロップセット法|アセンディングセット法|ディセンディングセット法|フォースドレップ法|レストポーズ法|パーシャルレップ法|チーティング法|スーパーセット法|コンパウンドセット法|トライセット法|ジャイアントセット法|予備疲労法|部位分割法
■④3年以降の筋トレ効果
●自分の在り方を決める
3年間鍛え続ければ、おそらく一生鍛え続けるでしょう。後は、自分がトレーニングに対してどのような在り方で生きていくかが成果として身体に現れます。ですので、ここから先は何年でどのくらい、という表し方はできなくなります。
そこそこで満足であれば、そこそこの身体を維持していくでしょう。3年間鍛えた身体は、簡単には発達しません。
さらなる発達を望むならば、ボディービル、パワーリフティング、アームレスリングなどの競技に進むことをおすすめします。
たしかに、公衆の面前で勝敗が決し、自分の強さや逞しさが客観的に評価されるのは誰しもストレスです。結果が出せなかった時の苦しさは、経験者にしかわからないでしょう。
しかしながら、客観的な評価や勝敗に晒されるからこそ、人は努力し進化します。
そこそこでトレーニングしている人と競技選手の身体が、明らかに違うのはそのためです。地方区選手と全国区選手の違いも、ほぼ同様の理由です。
ただし、それはどちらが良い悪いの問題ではなく、在り方の違いです。
■停滞期を突破して効果を出す筋トレメソッド
3年以上も鍛えた身体は、負荷に対する耐性が強く、毎回同じようなトレーニングを繰り返していては発達しなくなります。さらなる成果を出していくためには、刺激に慣れた筋肉を騙すためのテクニック・メソッドも必要になってきます。
●筋肉と精神を効率的に騙す
筋トレとは、筋肉を破壊して超回復させ発達させる行為なので、トレーニングを繰り返していると、ある時点で身体は防御作用を発動し、本当の限界より早めに限界が来たと誤認識させるようになります。下記の記事では、この筋肉を騙す方法を解説しています。
もちろん、それなりのハードさはありますので、細心の注意をはらい行うようにしてください。
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■女性のダイエット筋トレを3ヶ月で成果を出す方法
●ダイエット筋トレの効果を実感するのには3ヶ月もあれば十分
なにも女性に限ったことではありませんが、筋肥大筋トレに比べると、ダイエット筋トレの成果を出し自分自身が「痩せたな」と実感できるためには、三ヶ月もあれば十分です。
実際、筆者自身やジムの所属選手(男性・女性)はベンチプレスやアームレスリングといった体重階級制の競技者ですが、試合に向けた減量期間はおよそ3ヶ月で、その期間に5~10kgほど減量・ダイエットを行っています。
●ダイエット筋トレと有酸素運動について
ダイエット筋トレを成功させるためにもっとも大切なことは、ダイエット筋トレの理論を知ることです。ダイエット筋トレの理論を簡単に説明すると、筋トレによって筋密度を向上させ(筋肥大はさせず)、基礎代謝の高い状態と体質を作ることにより「太りにくく痩せやすい身体」を作るのが基本理論です。
ダイエットと言えば、筋トレか有酸素運動か?ということが話題になりますが、はるかに筋トレのほうが効率がよいことを知っておきましょう。また、筋トレだけでなく、上手に有酸素運動も組み合わせていくことが大切です。
●女性のダイエット筋トレの効果をだす方法
これまで、筆者は自身の運営するジムで数多くの女性ダイエット会員を指導し、実際に三ヶ月ほどでダイエットの成果を出してきました。その具体的筋トレメニューとトレーニングプログラムをまとめたのが、下記の記事です。何万人にも読まれている人気の記事ですので、是非ご一読ください。
▼ダイエット成果を出す自宅筋トレ
女性のダイエット筋トレ完全版|ムキムキにならず痩せる一週間の自宅メニューと食事
■精神面での筋トレの効果やメリット
●精神の強さが得られる
筋トレをして身体を鍛えていくためには、一回一回のトレーニングで自分を追い込む必要があります。これだけでも、かなりハードなことですが、筋トレの成果が本格的に出るためには、三年以上の長い期間、休まずに定期的に鍛え続けないといけません。
筋肉が強くなるだけでなく、精神力が強くなるのも筋トレで得られる大きなメリットです。
筋トレで身につけた精神力は、人生のあらゆる場面で役立つでしょう。
また、筋トレをすることでセロトニンと呼ばれる耐ストレスホルモンが分泌されることも知られています。
●社会に評価される生活ができるようになる
筋トレは、ただトレーニングを頑張るだけでなく、超回復のために一日三回の食事を栄養に気をつけながら摂取し、しっかりとした良質な睡眠をとることが大切です。
ですので、筋トレでの苦しい思いを無駄にしないためにも、ほとんどの人は規則正しい生活をして、食事や睡眠の自己管理をきちんとするようになります。
結果として、筋トレの成果が上がるだけでなく仕事の成果も上がり、社会人としてもまわりから評価されるようになるでしょう。
●対人関係が良くなる
筋トレをすると、精神力も強くなり自信を持って対人関係をこなせるようになります。肉体的なコンプレッスが筋トレによってなくなっていくと、精神的にも余裕ができ、男性も女性も、朗らかに対人関係を保つことができやすくなります。
こんな良いこと尽くめの筋トレです。ぜひ始め、そして継続していきましょう。
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押す筋トレにはリストラップを

上半身の押す筋トレにぜひとも使用したいのが手首を保護するリストラップと呼ばれる筋トレグッズです。多くの初心者は、まだ手首を保持する力が弱く、腕立て伏せなども先に手首が痛くなってしまい完遂できないケースが少なくありません。リストラップを使えば、最後まで筋肉を追い込むことができ、とても効率的に身体を鍛えていくことが可能です。
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引く筋トレにはパワーグリップを

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腰を保護するだけでなく、腹圧を高め最大筋力を向上させてくれるトレーニングギアがトレーニングベルトです。筋トレにおいては、ほぼ必須のギアとも言えますので、ぜひ入手することをおすすめします。なお、トレーニングベルトはトレーニーにとって「筋トレの友」とも言える存在になってきます。はじめから安易なものを選ばずに、考えているよりもワンランク・ツーランク上のものを入手することがベルト選びの秘訣です。
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本格的トレーニングには高耐荷重ラック+オリンピックバーベル

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執筆者情報
上岡岳
アームレスリング元日本代表
ジムトレーナー・生物学学芸員
JAWA日本アームレスリング連盟常任理事|レフリー委員長・広報広報部長
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