【マシンチェストプレス女性編】ジムでのバストアップに効果的な軌道と重さの設定方法

ジムでのバストアップトレーニングの基本種目とも言えるのがマシンチェストプレスです。そのやり方を具体的に、バストアップにもっとも最適な動作軌道および重量回数設定を踏まえて解説します。

 

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■マシンチェストプレスが効果のある筋肉部位

●大胸筋に効果がある

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マシンチェストプレスは胸の筋肉・大胸筋に対して効果的で、その軌道によって効果の高い部位が異なります。大胸筋は上部・下部・内側に分けられ、それぞれの構造と作用は以下の通りです。

 

●大胸筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止

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読みかた:だいきょうきん

英語名称:pectoralis major muscle

部位詳細:上部中部(内側)下部

起始:鎖骨の内側胸骨前面第2~第6肋軟骨腹直筋鞘前葉

停止:上腕骨大結節稜

 

○大胸筋上部:腕を斜め上方に押し出す作用がある

 

○大胸筋下部:腕を斜め下方に押し出す作用がある

 

○大胸筋内側:腕を胸の前で閉じる作用がある

 

●大胸筋全体に効かせるとバストのボリュームアップになる

マシンチェストプレスは基本の設定だと、腕を水平に前に押し出す軌道になっています。この軌道では、大胸筋の上部から下部まで負荷がかかり、大胸筋全体に効果があります。このため、水平軌道でのマシンチェストプレスはバストの土台全体のボリュームアップに効果的です。

 

●大胸筋上部に効かせるとバストのリフトアップになる

チェストプレスマシンの多くは、腕を押し出す軌道が変えられるようになっています。この軌道を水平から斜め上方軌道に変えることで、大胸筋のなかでも上部に負荷が集中します。大胸筋上部が鍛えられると、バスト全体を上に吊り上げる、いわゆるリフトアップ効果がありますので、特に女性の場合には重要なトレーニングとなります。

 

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■ムキムキにならず綺麗にやせる負荷設定

●15回~20回の反復で限界がくる負荷回数で行う

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筋肉を構成する筋繊維には、持久筋(筋繊維TYPE1)・瞬発筋タイプ2a(筋繊維TYPE2a)・瞬発筋タイプ2b(筋繊維TYPE2b)があり、それぞれの特徴と鍛え方は以下の通りです。

 

○持久筋(筋繊維TYPE1):60秒以上の持続的な運動に使われる筋繊維で、鍛えても筋肥大せずに筋密度が向上します。酸素消費遅筋(SO筋)とも呼ばれ、20回以上の反復動作で限界がくる重量・回数設定でトレーニングします。

 

○瞬発筋タイプ2a(筋繊維TYPE2a):30~60秒前後の運動に使われる筋繊維で、鍛えるとやや筋肥大します。酸素消費速筋(FO筋)とも呼ばれ、15回前後の反復動作で限界がくる重量・回数設定でトレーニングします。

 

○瞬発筋タイプ2b(筋繊維TYPE2b):30秒以内の瞬発的な運動に使われる筋繊維で、鍛えるとよく筋肥大します。グリコーゲン消費速筋とも呼ばれ、10回前後の反復動作で限界がくる重量・回数設定でトレーニングします。

 

このことから、女性の引き締めトレーニングは、20回以上の反復動作で限界がくるような軽めの重量設定で行えばよく、そうすればムキムキに筋肉がついてしまうことなく綺麗に引き締まります。

 

●バストアップの場合は15回の反復で限界がくる負荷回数で行う

なお、バストアップは部位的にボリュームを上げる(筋肥大させる)トレーニングですので、瞬発筋タイプ2a(筋繊維TYPE2a)を刺激するために通常のダイエット系トレーニングとは異なり、15回前後の反復ができる中負荷トレーニングを行います。

 

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■マシンチェストプレスのやり方とポイント

●スタート位置で拳が肩よりも下になるようにする

こちらが、水平軌道のマシンチェストプレスの模範的な動画です。スタートポジションで拳が肩よりも高い位置になると、肩関節に強い負担がかかってしまいますので、事前にシート高を調整し、拳が肩よりも下になるように構えることが重要です。

 

なお、息を吐きながら腕を押し出し、戻してから息を吸うのが正しい呼吸方法です。

 

【本種目のやり方とフォームのポイント】

 

①グリップが肩関節よりも下になるようにシート高を調整する

 

②マシンに座り、肩甲骨を寄せてバーをグリップする

 

③肩甲骨を寄せたまま、腕を前に押し出す

 

④腕を前に押し出したら、少し顎を引いて大胸筋を完全に収縮させる

 

⑤ゆっくりと筋肉に負荷をかけながら元に戻る

 

こちらは、斜め上方軌道に腕を押し出す、大胸筋上部に効果的なインクラインマシンチェストプレスの動画です。

 

特に斜め上方軌道でのマシンチェストプレスでは、肩から先だけで押してしまう。いわゆる「手押し動作」になりがちですが、その場合、肝心の大胸筋には効かずに肩の筋肉・三角筋にばかり効いてしまうという結果になります。

 

これを避けるためには、肩甲骨をしっかりと寄せた状態で動作を行うことで、これにより大胸筋主働の動作にすることが可能です。

 

●あわせて行いたいマシンチェストフライ

ジムでのバストアップ筋トレで、マシンチェストフライと合わせて行っていただきたいのが、大胸筋内側に効果的で「バストを寄せる」作用のあるマシンチェストフライです。

 

息を大きくためたまま腕を閉じていき、完全に閉じたポジションでほんの少し拳を前に突きだす動作を加えることで、大胸筋内側が完全収縮して効果が倍増します。そして、元に戻してから呼吸をするのがバストアップに効果的な方法です。

 

通常のトレーニングでは、息を吐きながら筋肉を収縮させますが、マシンチェストフライに関しては息をためたまま動作を行うことで、胸郭拡張効果できますので、是非チャレンジしてみてください。

 

●ケーブルフライやプルオーバーにもチャレンジ

ジムでのバストアップ筋トレに慣れてきたら、是非チャレンジしていただきたいのがケーブルフライです。扱いが難しい部分はありますが、マシンチェストフライに比べて動作範囲が大きく、大胸筋内側や胸郭拡張にさらに効果的です。

 

また、胸郭拡張に特化したトレーニングを行うのに最適な種目がダンベルプルオーバーです。

 

この動画は、ダンベルプルオーバー時の大胸筋と広背筋の動きを3DCGで再現した動画ですが、ダンベルプルオーバーは大胸筋と広背筋の両方に作用する特殊なトレーニング種目です。

 

ダンベルプルオーバーを大胸筋側、つまりバストアップや胸郭拡張に効かせたい場合は「肘を曲げて行う」ことが最大のポイントで、胸狙いのプルオーバーを「ベントアームプルオーバー」と呼びます。

 

■ミスボディーフィットネストップ選手のバスト筋トレ

下記の記事は、筆者の運営する筋トレ専門サイトに寄稿いただいた、ミスボディーフィットネス国内トップ選手の執筆による、ジムでのバストアップトレーニングのノウハウです。是非、ご参照ください。

 

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■女性におすすめの筋トレグッズ

下記の記事では、女性におすすめの筋トレグッズを、実際に筆者の運営するジムで使用しているものを中心に、自宅用・ジム用それぞれに厳選してご紹介しています。トレーニングパフォーマンスを高めてダイエット効果を効率的に得るためには、道具選びもとても大切な要素です。是非、ご活用ください。

 

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■マシントレーニングの基礎知識

●マシントレーニングの長所と短所

マシントレーニングの多く(ケーブルマシン以外)は、動作軌道がマシンのレール等により支えられているため、ウエイトのブレやズレを気にすることなく効率的に筋肉に負荷をかけられるのがメリットです。

 

反面、軌道がある程度決まっているため、完全に個人特性に合わせた動作軌道がとれないことや、ブレを止める体幹インナーマッスルが鍛えられにくいという側面があります。

 

マシントレーニングにダンベルトレーニングバーベルトレーニングなどのフリーウエイトトレーニングを組み合わせていくのが、中級者以降では必須と言えるでしょう。

 

なお、他のマシントレーニングメニューについては、下記の種目別解説記事をご参照ください。

 

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■マシントレーニング全種目一覧

マシンチェストプレス

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ケーブルマシンフライ

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ケーブルサイドレイズ

トライセプスプレスダウン

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ケーブルローイング

ケーブルラットプルダウン

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記事制作©FutamiTC/MazurenkoJapan


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執筆者情報
上岡岳
アームレスリング元日本代表
ジムトレーナー・生物学学芸員
JAWA日本アームレスリング連盟常任理事|レフリー委員長・広報広報部長

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