【腕の筋肉を太くする筋トレ】自宅からジムでの鍛え方をアームレスリング元日本代表が解説

腕を筋肥大・バルクアップさせ、太くするために有効な筋トレ種目(器具なし自重・ダンベル・ジムマシン・バーベル)を厳選してご紹介するとともに、腕を太くするために重要なコアポイントを、アームレスリング元日本代表・アジア選手権マスターズ三位の筆者が解説します。

 

執筆者(上岡岳)プローフィール

【アームレスリング主戦績】
全日本マスターズ80kg超級2位
アジア選手権マスターズ90kg級3位

 

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■腕の筋肉の構造と作用

●上腕二頭筋の構造と作用

上腕二頭筋は、長頭と短頭の二つの部位から構成されており、それぞれの主な作用は以下の通りです。

 

○上腕二頭筋長頭:肘関節の屈曲および肩関節屈曲補助

 

○上腕二頭筋短頭:肘関節の屈曲および前腕回外

 

なお、上腕二頭筋の共働筋に肘関節基部に位置する上腕筋があります。上腕筋は体積の小さな筋肉で、腕の太さにはあまり関わりませんが、半羽状筋と呼ばれる筋収縮力の高い構造をしており、腕力の観点では上腕二頭筋以上に重要な筋肉です。

 

なお、上腕筋は上腕二頭筋のなかでも長頭と密接な共働関係にあります。

 

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●上腕三頭筋の構造と作用

上腕三頭筋は、長頭と短頭(外側頭・内側頭)の三つの部位から構成されており、それぞれの主な作用は以下の通りです。

 

○上腕三頭筋長頭:肘関節の伸展と上腕の内転

 

○上腕三頭筋内側頭:肘関節の伸展

 

○上腕三頭筋外側頭:肘関節の伸展

 

上図でもわかる通り、上腕三頭筋長頭は唯一体幹(肩甲骨)と接合しており、上腕内転(脇をしめる動作)の作用があるため、スポーツ競技などで特に重要な筋肉です。

 

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●前腕筋群の構造と作用

前腕筋群には、円回内筋・橈側手根屈筋・長掌筋・尺側手根屈筋・浅指屈筋・深指屈筋・長母指屈筋・方形回内筋・腕橈骨筋・長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋・回外筋・尺側手根伸筋・総指伸筋・小指伸筋・示指伸筋・長母指伸筋・短母指伸筋・長母指外転筋があり、それぞれが複雑に共働・拮抗して肘から先の動作を行っています。

 

その作用は、手首の「内転」「外転」「回内」「回外」「屈曲」「伸展」および「手の開閉」です。

 

なお、一般的には、上腕三頭筋と連動する前腕伸筋群と上腕二頭筋と連動する前腕屈筋群に大別されます。

 

さらに詳しい筋肉の構造と作用は、下記の筋肉名称図鑑をご参照ください。

 

▼筋肉名称図鑑

 

【筋肉名称完全図鑑】各部位の名前・作用・筋トレ方法(鍛え方)

 

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■腕を太くするためにターゲットにする筋肉部位

●上腕二頭筋なら長頭を狙う

上腕二頭筋の二つの部位を、ボディビル的に表現すると「太さの長頭」「高さの短頭」となります。

 

ただし、上腕二頭筋の筋肉の付き方に関しては個人差が大きく、この分け方とは逆の人もいますので、あくまで一般論ですが、腕を太くするためには上腕二頭筋長頭をターゲットに鍛えていくのが定石です。

 

●上腕三頭筋なら長頭を狙う

上腕三頭筋の三つの部位をボディビル的に表現すると「太さの長頭」「形の短頭(外側頭・内側頭)」となります。

 

上腕三頭筋長頭は、上腕部の筋肉のなかで圧倒的に体積の大きな筋肉ですので、腕を太くするためには上腕三頭長頭をターゲットにしていきます。

 

●前腕筋群はまんべんなく鍛える

前腕筋群が発達しすぎると、対比的な視覚効果として上腕が細く見えるので、ボディビル的には、あまり積極的に前腕筋群を鍛えないケースもありますが、スポーツ競技などでは前腕筋群の太さ≒筋力は非常に重要なファクターですので、個人的には前腕筋群もしっかりと鍛え、前腕筋群の太さを上回る上腕の太さを手に入れていくことをおすすめします。

 

なお、前腕筋群はまんべんなく鍛えるのが理想ですが、太さの観点では「屈曲」>「外転」>「回外」>「伸展」の順に重要になります。

 

ただし、前腕筋群も個人特性が大きな部位ですので、あくまでも一般論です。

 

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■腕を太くするためのコアポイント

●トレーニング動作の二種類

トレーニング動作には、複数の関節と筋肉を同時に使う複合関節運動=コンパウンド種目と、単一の関節と筋肉だけを使う単関節運動=アイソレーション種目とがあります。

 

具体的には、上腕二頭筋のトレーニングとしては、肩関節・肘関節と広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋を同時に使う「懸垂」は「複合関節種目」、肘関節と上腕二頭筋だけを使う「ダンベルカール」などは「単関節種目」です。

 

また、上腕三頭筋のトレーニングとしては、肩関節・肘関節と大胸筋・三角筋・上腕三頭筋を同時に使う「腕立て伏せ」は「複合関節種目」、肘関節と上腕三頭筋だけを使う「ダンベルキックバック」などは「単関節種目」になります。

 

①まずは複合関節種目をきっちりと

腕のトレーニングには、複合関節種目と単関節種目がありますが、やはり、まずは体幹の筋肉と連動して動作をする複合関節種目を強くしていくことが重要です。

 

初心者の方は成果を焦るあまり、複合関節種目をおろそかにし、単関節種目ばかり行う傾向にありますが、複合関節種目が弱い状態のままだと、必ず頭打ちが訪れます(かなり早い段階で)。

 

想像してみてください。

 

腕立て伏せが数回しかできない、懸垂が数回しかできない、でも腕が丸太のように太い…

 

ありえませんよね。

 

腕を太くするためには、急がば回れで、まずは基礎となる複合関節種目をきっちりと強くしていきましょう。

 

●筋収縮の二種類

筋肉の収縮には大きく二種類があり、一つは短縮性収縮=コンセントリック収縮、もう一つが伸長性収縮=エキセントリック収縮です。

 

具体的な筋トレ動作に当てはめると、主働筋を収縮させウェイトを持ち上げてくる時が短縮性収縮=コンセントリック収縮、ウェイトの重量に耐えながら下ろしていく時が伸長性収縮=エキセントリック収縮です。

 

どちらの収縮も筋肥大バルクアップには重要ですが、どちらかと言えば伸長性収縮=エキセントリック収縮のほうが筋肥大効果が強いとされています。

 

なお、筋収縮と筋肉痛・筋肉痛と筋肥大の関係は、これだけ科学が発展した現在でも完全には解明されておらず、筋肥大の理論はあくまでも経験則から推測されていることです。

 

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②最大収縮時に負荷がかかる種目・フォームで行う

まずは、短縮性収縮=コンセントリック収縮の観点から解説します。

 

短縮性収縮において、筋肥大に最大の効果があるのは筋肉が最大収縮したポジションで、上腕二頭筋なら肘が曲がりきった状態、上腕三頭筋なら肘が伸びきった状態です。

 

多くのトレーニング種目においては、このポジションではウェイトを筋力ではなく骨で支えている状態になります。

 

上腕二頭筋のわかりやすい例では、ダンベルカールで肘が曲がりきった状態=フィニッシュポジションにおいては、ダンベルは垂直になった前腕骨の直上にあり、ダンベルの重さは前腕骨で支えている状態です。

 

これは、せっかくの最大収縮ポイントで筋肉に負荷がかかっておらず、とても非効率でもったいないことです。

 

これを避け、上腕二頭筋の最大収縮ポイントで負荷をかけるためには、インクラインベンチでダンベルカールを行う、身体をやや前傾させてケーブルカールを行う、などの工夫が必要になります。

 

③伸長性収縮を重点的に行う

あくまでも多くのトレーニーの実践からくる経験則ですが、どちらかと言えば、伸長性収縮のほうが筋肥大には効果があります。

ですので、腕のトレーニングにおいても主働である「肘を曲げる動作(上腕二頭筋)」「肘を伸ばす動作(上腕三頭筋)」だけでなく、その逆の動作、すなわち戻す動作の時にいかに粘って負荷に耐えるか、ということが非常に重要です。

 

特にカール系種目では、チーティング(反動)を使ってウェイトを挙げておき、下ろす時にひたすら耐えながらゆっくり下ろすというトレーニング方法も極めて有効です。

 

④アイソメトリックス刺激も重要

筆者は、アームレスラーだけでなく様々な競技のトップ選手を見てきましたが、こと「腕の太さ」という一点では、やはりアームレスラーの腕が抜きん出ています。

 

実際、アームレスラーの腕の太さは、ウェイトトレーニングよりも実戦練習のなかで培われていくということがアームレスリング競技界では広く知られています(アームレスリングは腕の太さを競う競技ではなく、結果としてですが)。

 

多くの方が誤解していることですが、アームレスリングの実戦では、肘の角度は一切動かさず、終始90度前後で固定したままです。もし、肘の角度が動くとすれば、それは肘が開いて負ける時だけです。

 

つまり、アームレスラーは肘を動かさない=短縮性収縮も伸長性収縮も一切ない状態の負荷により、あのような太い腕になっていると言えます。

 

このように、関節が一切動かない状態での筋収縮をアイソメトリックスと言い、一般的には「アイソメトリックスに筋肥大効果はない」と言われますが、経験上、強度のアイソメトリックスの蓄積は筋肥大に効果があると考えています。

 

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⑤関節に負担をかけず継続して鍛えるテクニック

標準的な体格の男性が、いわゆる「腕が太い」=上腕囲40cm以上になるためには、かなりの量のトレーニングを長期間積み上げる必要があり、身体的素質にもよりますが、三年以上の継続的な筋トレが必要になります。

 

「腕を太くするための筋トレ」にとって、意外なほど見落とされがちな阻害要因が「関節痛による筋トレの継続不可能」です。

 

腕のトレーニングにおいて、特に関節痛が発生しやすいのが「手首関節(小指側)」、次いで「肘関節」です。

 

手首の関節を痛める最大要因は、すばり「握りすぎ」で、特にストレートバー使用時に薬指と小指を強くグリップしすぎることが原因です。

 

上腕二頭筋の収縮(肘関節屈曲)、上腕三頭筋の収縮(肘関節伸展)のいずれも、直線的な動作ではなく、前腕の回内・回外などを含む三次元曲線運動です。

 

ストレートバーで曲線運動である肘関節の屈曲・伸展を行う場合、直線的なバーを握りしめたままだと、その歪みは全て手首に集中します(手首の捻れ負荷)。

 

ですので、親指・人差し指・中指の三本でかっちりとグリップし、薬指と小指は強くグリップせず、前腕の回内・回外にあわせてリリースし、手の平のなかでバーやシャフトがある程度自由に動く状態でトレーニングすることが大切です。

 

また、肘関節痛が起こる原因の多くは、上腕三頭筋トレーニングを「肘が開いた」=「肘が体幹から離れた」で行うことに起因しています。

 

肘が閉じた位置での主働筋である上腕三頭筋長頭に対し、肘が開いた位置での主働筋である上腕三頭筋短頭(外側頭・内側頭)にはかなりの筋力差があります。

 

特に初心者の方に見られる傾向として、上腕三頭筋長頭と短頭の区別が曖昧で、筋力のある長頭に合わせた重量を、肘を開いた状態(短頭主働)で行い、結果として筋力ではなく肘関節の張力でウェイトを挙げてしまうということがあります。

 

当然、肘関節の反発力でのウェイト挙上を蓄積すれば、確実に関節痛になってしまい、トレーニング自体の継続も困難になってきます。

 

上腕三頭筋トレーニングでは、実施する種目の主働筋を理解し、適切な重量設定とフォームで行うことが大切です。

 

⑥腕の超回復能力自体を高める

アームレスリング選手は、若い選手で週二回、40歳前後の選手で週一回の実戦練習を行うのが普通で、一回の練習で100~200本以上の試合形式でのスパーリングを行います。

 

これは、一般的な超回復理論や適正負荷理論からは大きく逸脱した、高頻度・高負荷です。

 

全力で腕相撲を百回やれば、どうなるか、想像にたやすいと思いますが、実際、アームレスリングをはじめた方の多くは、最初のうちは極度の筋疲労と筋肉痛により、練習後に「箸が使えない」「シャンプーができない」「腕が痛くて寝れない」という経験をします。

 

この段階で、過半数の方が辞めてしまいますが、辞めずに三ヶ月ほど練習を続けていくと、数日で腕が回復するようになります(猛烈な筋肉痛には常になりますが)。

 

そして、そうなると目に見えて腕の形が変化し、太くなっていきます。若い選手だと、「会うたびに腕が太くなっている」くらいの感覚です。

 

もちろん、練習後のケアや栄養補給が上達してくる部分もありますが、オーバーワークを耐えることにより、超回復の速度自体が向上すると推測されます。

 

これは、腕のウェイトトレーニングにおいても、同様のことが言えるでしょう。

 

時に、教科書通りの超回復理論・適正負荷理論を無視することも重要です。

 

⑦タンパク質補給は筋トレ以上に大切

最近では、「トレーニングだけでなく食事も重要」という情報が増えてきており、食事=タンパク質補給の重要性を理解しているトレーニーがほとんどです。

 

しかしながら、実際に数多くのトレーニーを見ていると、絶対的にタンパク質の摂取量が足らないと感じています。

 

とても大雑把な表現ですが、筋トレをして的確に筋肥大バルクアップしていくためには「一日五回に分けて、毎日1kgの肉類を食べる」ことが必要です。

 

「身体が大きくならない」とあれこれネットで調べて、メソッドを試す前に、最低限の食事ができているか、考えてください。

 

体重70kgなら一日700g(純タンパク質で140g)の肉類が最低ライン、一回に吸収できる純タンパク質は30~40gですので、毎日1kgの肉類を五回に分けて、は決して過剰でも大袈裟でもありません。

 

これがきついと感じる方は、プロテインを上手に使うとよいでしょう。

 

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■腕を太くする重量回数設定

●上腕は8~10レップで前腕は限界まで

筋肉を構成している筋繊維には、主に三種類があり、それは以下の通りです。

 

①速筋タイプⅡb(白筋):10秒以内の短い時間にとても強い筋力を発揮する筋繊維で、鍛えるとよく筋肥大する。筋細胞内のグリコーゲンをエネルギー源とする。

 

②速筋タイプⅡa(ピンク筋):30秒~60秒の時間に強い筋力を発揮する筋繊維で、鍛えるとほどよく筋肥大する。呼吸で取り込んだ酸素をエネルギー源とする。

 

③遅筋タイプⅠ(赤筋):1分以上の持続的な運動で筋収縮を行う筋繊維で、鍛えると筋密度が上がるが筋肥大しない。呼吸で取り込んだ酸素をエネルギー源とする。

 

筋肉を筋肥大バルクアップさせるためには、当然①の筋繊維をターゲットに鍛えることになります。そして、あわせて②の筋繊維を鍛えることも重要です。

 

ですので、適切な重量回数設定は、基本は8~10回の反復回数で限界がくる設定で行い、仕上げや追い込みとして15回前後のセットも行うというのが適切です。

 

ただし、これは普通の筋肉(上腕二頭筋や上腕三頭筋)に言えることで、日常での使用頻度が高く負荷耐性が強い前腕筋群は、20回以上の反復で回数にこだわらず限界までやり込む必要があります。

 

■上腕二頭筋の筋肥大バルクアップ筋トレ

●自重筋トレなら超低速の斜め懸垂

自重トレーニングで上腕二頭筋を鍛えるのならば、懸垂ではなく低負荷の斜め懸垂がおすすめです。

 

もちろん、低負荷なまま行っても意味がありません。あえて斜め懸垂をするのは、伸長性収縮=エキセントリック収縮を狙ってのことです。

 

普通に身体を引き上げ、下ろす時に限界までゆっくり動作します。

 

●ダンベル筋トレならドラッグ気味のインクラインカール

ダンベルで上腕二頭筋を太くするには、インクラインダンベルカールが最適です。

 

一般的なカール系種目は、上腕二頭筋の最大収縮ポジションで、負荷が前腕骨に乗ることで逃げてしまいます。

 

その点、インクラインカールならば最大収縮時にも上腕二頭筋に負荷がかかり続けます。

 

やや重めの重量を、ドラッグカール気味(肘を後ろに引きながら挙げる)で行うことで、さらに負荷を高めることが可能です。

 

●バーベル筋トレならチーティングのプリチャーカール

バーベルで上腕二頭筋を太くするのならば、チーティング(または補助)でストリクトには挙がらない高重量を持ち上げ、そこからひたすら耐えながら下ろす、伸長性収縮メインのプリチャーカールがおすすめです。

 

●マシン筋トレなら前傾したケーブルカール

やや前傾姿勢で行うケーブルカールは、上腕二頭筋の最大収縮ポイントでもマックスの負荷がかかり続け、筋肥大に非常に有効です。

 

また、ラットマシンを使って上から引くケーブルカールを行う場合は、身体は後傾させます。

 

なお、ロープアタッチメントを使用し、回外旋回動作を入れると効果が倍増します。

 

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■上腕三頭筋の筋肥大バルクアップ筋トレ

●自重筋トレなら上で我慢するディップス

自重トレーニングで上腕三頭筋を太くするのにおすすめなのが、身体を押し上げたポジションで数秒我慢するディップスです。

 

ディップスは全体重が上腕三頭筋に集中する上、肘を伸ばした位置で我慢することで、アイソメトリックス的な刺激が加わります。

 

なお、上腕三頭筋長頭をターゲットにするため、必ず肘は閉じて行ってください。

 

●ダンベル筋トレなら回旋を入れたダンベルキックバック

ダンベルで上腕三頭筋を限界まで追い込むには、最大収縮時にも負荷がかかり続けるダンベルキックバックがおすすめです。

 

肘を伸ばしたポジションで、手の平が上を向く方向に回旋動作を入れると、上腕三頭筋長頭がキリキリと完全収縮して効果が高まります。

 

●バーベル筋トレならオーバーヘッドフレンチプレス

バーベルで上腕三頭筋を筋肥大させるのに最適な種目が、オーバーヘッドフレンチプレスです。

 

上腕三頭筋長頭は肩甲骨に接合しており、肘が頭より上にあるポジションで最大伸展します。ですので、下ろす時のエキセントリック収縮も十分意識して行ってください。

 

なお、手首関節への負荷軽減のため、EZバーの使用を推奨します。

 

●マシン筋トレなら回旋トライセプスプレスダウン

マシンで上腕三頭筋を鍛えるなら、何と言っても、ロープアタッチメントを使ったケーブルトライセプスプレスダウンがおすすめです。

 

肘が伸展したポジションで、やや腕を「ハの字」に開きながら、手の平が外に向く方向に回旋動作を加えると、上腕三頭筋長頭が完全収縮して、非常に強い負荷を与えることができます。

 

なお、このやり方はいかに上腕三頭筋を最大収縮させる(肘を開いて伸ばす)かが重要ですので、普段の重量の半分程度の設定で行ってください。

 

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■前腕筋群の筋肥大バルクアップ筋トレ

●屈曲方向のダンベルリストカール

前腕筋群を太くするために、まず欠かせないのが手首を屈曲させる前腕屈筋群の筋トレ種目のダンベルリストカールです。

 

シャフトを握ったまま動作するのではなく、手首を伸ばした時に手を開き、指の第一関節だけでダンベルを保持するところまで最大伸展することがポイントです。

 

バーベルで行うと両腕いっぺんにトレーニングできるので、筋トレの時間は半分に短縮できますが、軌道が単調になるため効果も半減します。

 

なお、前腕筋群は日常での使用頻度が高く負荷耐性が強いため、並大抵の刺激では筋肥大しません。ダンベルが保持できなくなるレベルまで、1セット100レップ前後の高反復回数が必要となります。

 

●外転方向のリストハンマー

手首を外転させる(親指を立てる方向)動作の主働筋は、前腕外側にあり前腕筋群中で最大の体積がある腕橈骨筋(わんとうこつきん)です。

 

前腕を太くするためには、この腕橈骨筋を筋肥大させるのが重要で、そのために最適な種目がリストハンマーです。

 

薬指と小指を強くグリップすると、小指側の関節痛を引き起こしますので、親指・人差し指・中指の三本でグリップすることがポイントです。

 

こちらも1セット100レップの高反復回数で鍛えていきます。

 

●回外方向のリストスピネーション

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腕橈骨筋の反対側にあたる前腕内側に効果的な種目が、前腕を回外方向に回旋させるリストスピネーションです。

 

前腕内側が筋肥大すると、前腕全体がゴツゴツといかつい印象になりますので、是非鍛えたい部位になります。

 

1セット100レップ前後が目安です。

 

●伸展方向のリバースダンベルリストカール

手首を伸展させる方向に動作するリバースダンベルリストカールは、あまり筋肥大には直結しませんが、主働筋である前腕伸筋群が発達すると、溝の深い見栄えのする前腕になりますので、余力がある時には鍛えたい部位です。

 

1セット100レップ前後が目安です。

 

●前腕筋群はトレーニング時間以外に鍛える

前腕筋群のトレーニングの1セットの目安を記載しましたが、これらを普段のトレーニング時間に行うことは、時間がかかりすぎてしまい、事実上不可能です。

 

普段のトレーニング時間には上腕の筋トレをしっかりと行い、前腕筋群のトレーニングは日常生活のなかで行っていくことになります。

 

もっともおすすめなのが、リビングにダンベルを置いておき、テレビなどを観ながらひたすら前腕の筋トレを行う方法です。

 

アームレスリングの某世界チャンピオンは、休日にはレンタルビデオを数本借り、映画鑑賞をしながら、数時間前腕を鍛え続けるそうです。

 

また、筆者も県代表~日本代表の10年間ほどは、リビングだけでなく、職場や車などあちこちにダンベルやトレーニングチューブを置いておき、隙間時間に前腕トレーニングをしていました。

 

ポケットにハンドグリップを常に携行し、暇さえあれば握力トレーニングをするというのも、前腕筋群を太くするのにはおすすめです。

 

※写真は筆者が職場で使っているキーホルダーです。

 

■刺激を加える特殊な腕の筋トレ方法

腕を継続的に太くし続けるために大切な要素として「筋肉を刺激に慣れさせない」というメソッドがあります。

 

時に、トレーニングの一般論から外れた爆発的な刺激を加えることも必要です。

 

ここからは、実際に筆者も行ってきた少し変わったトレーニング方法を、上腕二頭筋・上腕三頭筋・前腕筋群それぞれにご紹介していきます。

 

●パラレル懸垂で停止して上腕二頭筋を刺激

パラレルグリップを使った懸垂で、身体を引き上げた状態で限界まで耐えるアイソメトリックストレーニングは、爆発的な刺激を上腕二頭筋長頭に加えることができます。

 

静止時間の測定をし、記録更新を狙うなど「本当に限界まで耐える」モチベーションをともなって行ってください。

 

●チューブで負荷をかけ続け上腕二頭筋を刺激する

こちらは代表的なアームレスリングのトレーニング方法の一つですが、チューブを使い、肘を固定したまま延々と上腕二頭筋に負荷をかけ続けます。なお、1セットは時間にして数分~十分ほどになります。

 

●第三者に無理やり肘を開いてもらう

これもアームレスリングのトレーニング法になりますが、肘を全力でロックした状態から、第三者にロープなどを使い「無理やり肘を開いてもらう」鍛え方です。

 

バーベルやダンベル相手では、絶対に得られないくらい猛烈な伸張性収縮=エキセントリック収縮による刺激が得られます。

 

●実戦的なパンチ練習で上腕三頭筋を刺激

近くに格闘技道場やジムがあれば、実戦的なスパーリングを行うのも一つの手段です。お互いが、相手を倒しに行く意識でパンチを撃ち合う場面では、大量のアドレナリンが分泌され「尋常ではない」筋力が発揮され、通常では得られないレベルの上腕三頭筋への負荷が得られます。

 

●ロープトレーニングで前腕を爆発的に刺激

執筆者の運営するジムでは、個人競技だけでなくジムチームによる「公式綱引競技」も行っていた時期があり、全国レベルには至りませんでしたが、県大会や東海大会での優勝・準優勝実績があります。

 

当時は、週1回二時間ほど綱引練習を行っていました。休憩をはさんでではありますが、特に慣れないうちは、二時間も綱を全力で握り続けると、数日間はまともに手が開閉できないほど爆発的な負荷刺激を前腕に得ることができ、あきらかに前腕の形が変わるほどの効果がありました。

 

この項目でご紹介したいくつかの特殊な筋トレ方法は、完遂するのは苦しく大変なことですが、その分、効果も絶大です。是非、お試しください。

 

●二段懸垂

二段懸垂ができる施設はあまりありませんが、もしあれば一度試していただきたいトレーニング方法です。爆発的刺激で鍛えることができます。

 

●壁押しアイソメトリックス

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非常に原始的なトレーニング方法ですが、これもロープ保持と同様な保持トレーニングです。壁を破るくらいのイメージで全力で押してください。

 

29・合掌アイソメトリックス

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胸の前で手を合わせ、いわゆる合掌の状態を作り、全力で両手を押し込むトレーニング方法で、アイソメトリックストレーニングの一種です。

 

●腕相撲をする(上腕二頭筋)

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筆者のバックボーンとなるスポーツ競技であるアームレスリング≒腕相撲は、上腕二頭筋に対して通常のトレーニングでは得られないレベルの高負荷がかかります。アームレスリング選手の太い腕は、トレーニングよりも実戦練習のなかで作られているのが実際のところです。

 

トレーニング仲間がいる場合には、勝ち負けを抜きにして限界まで腕相撲をする事で、超高強度のトレーニングになりますので、是非お試しください。

 

■腕の筋トレ記事

上腕三頭筋長頭の鍛え方

上腕三頭筋短頭の鍛え方

上腕二頭筋長頭の鍛え方

上腕二頭筋短頭の鍛え方

上腕筋のトレーニング法

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腕を太くする筋トレ方法

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執筆者情報
上岡岳
アームレスリング元日本代表
ジムトレーナー・生物学学芸員
JAWA日本アームレスリング連盟常任理事|レフリー委員長・広報広報部長

記事に記載されている内容は執筆者の運営するジムメンバーの実体験に基づく主観的意見および感想です。このため、記事の情報やこの情報を用いて行う利用者の判断について、当サイトは一切の責任を負うものではありません。記事の情報を用いて行う行動に関するあらゆる判断および決定は、利用者自身の責任において行っていただき、必要に応じて専門家等に相談されることを推奨いたします。また、トレーニングにおいては十分にウォーミングアップを行い、利用者自身の体力にあわせて動作を行うとともに、痛みや危険を感じる場合はすみやかに行動を中止することを推奨します。

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